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シニア猫の健康管理のポイント

体重計にのる老猫

若々しく健康に見える猫も、シニア期に入ると体の機能も変化してくるため、病気やケガに備えて健康管理が必要です。そのため今回は、飼い主として気を配りたい、シニア猫の健康管理のポイントについてご紹介します。

シニア猫の食事管理のポイント

年齢別に見合った食事を用意しよう

キャットフードの多くは年齢別に種類が分けられていて、自分の猫の年齢に合わせて選ぶのが基本です。一般的に7歳以上からはシニア期に入るといわれているので、猫の体調や好みに合わせて選びましょう。

シニア猫の場合はカロリーに注意を

シニア猫の食事では、食事の量よりカロリーに注意が必要です。シニア期に入ると、若いころに比べて寝て過ごすことが増え、運動量が落ちるため今までと同じ食事では、食べ過ぎで肥満になり病気のリスクを高めてしまいます。

肥満予防には、脂肪分を控えることが大切です。他にも腎臓に負担をかけないように、マグネシウムなどのミネラル分も控え、全体のカロリーは若いころに比べて70~90%程度に抑えるようにしましょう。

ただし、市販のキャットフードの中には、低カロリーでも炭水化物の量が多く、結局、糖質を取りすぎて太ってしまうことがあります。そのため、購入するときは原材料をチェックし、炭水化物ではなくシニア猫にとって必要な、良質のたんぱく質を多く含むキャットフードを選ぶことがポイントです。

かみ砕く力が弱くなってきたらふやかしてあげよう

猫も高齢になると、カリカリしたドライフードだとかみ砕いて食べるのが難しくなります。食べづらそうにしているようであれば、お湯でふやかしてあげましょう。ふやかして食べないようであれば、水分が多い缶詰など、ウェットタイプのものに切り替えるのもの一つの方法です。

欲しがっても人間の食べ物は与えないこと

シニア期に入ると、猫は今までと食べ物の嗜好が変わることがあります。それまで見向きもしなかった人間の食べ物を食べたがることがあるので注意しましょう。

人間の食べ物は猫にとっては塩分が強く、猫にとっては毒になります。ましてや高齢猫になればなるほど体の機能も衰え、解毒作用も弱くなっていて腎臓への負担もかかりますので、どんなに欲しがっても与えてはいけません。

もし、人間の食べ物に執着し、しつこく欲しがるような場合は、猫用のおやつなどを少し与え、気をそらせるのがおすすめです。

トイレのチェックで健康管理

水を飲む量や痩せてきてないかにも注意

トイレは小さいころからチェックしておきたいことの一つですが、シニア猫の場合は健康管理のため、より一層日々のチェックが重要です。水を飲む量や、体つきの変化などにも気を配り、異変がないか注意しましょう。

おしっこの量はいつも通りか

猫は腎臓の病気を起こしやすいといわれ、膀胱炎や尿石症などは若いころから注意を怠らないようにしましょう。さらに、高齢ともなれば自然と腎臓機能も低下しますので、症状や検査ではわからないことがあります。

そのため、日ごろから猫がトイレに行くときの様子や、行った後きちんとおしっこが出ているか、量はいつもと変わりないかなどをチェックすることも大事です。

あまり飲んでくれないときは脱水に注意

猫によっては水があまり好きではなく、なかなか飲んでくれないこともあります。しかし、十分に水分を取らないでいると腎臓に負担がかかり、体の機能に悪影響なのはもちろん、脱水も引き起こしやすく危険です。

もし猫が水を飲むのを嫌がるようであれば、食事を与えるときにキャットフードを水などでふやかして、食事と一緒に水分を摂れるような工夫してあげます。水自体が嫌であれば、ささみのゆで汁などを使うのもおすすめです。猫が自分で飲めない状態になっているようなら、シリンジなどを使って口に水分を運んであげましょう。

猫が脱水になっているかをチェックする方法

猫の脱水症状の見分け方は、背中の皮膚をつまんで持ち上げてみると確認できます。問題ない状態の皮膚なら、つまんで放すとすぐ元通りになりますが、脱水していると元に戻るまで時間がかかります。元の状態に戻るのに2秒以上かかるようであれば、脱水が起こっていると考えられます。

脱水になると、食欲不振や元気喪失にもつながります。シニア猫の場合は知らない間に脱水になりやすいので、常に注意しましょう。

水を飲みすぎていないか、頻繁にトイレに行っていないか

水を飲まないでいることも心配ですが、水の飲みすぎもあまりよくありません。水の飲みすぎはおしっこの量が増え、かえって脱水を引き起こすこともあるからです。

さらに、「多飲多尿」などの病気のせいで、水を飲む量が増えていることもあります。頻繁にトイレに行き水の飲む量も増え、いつもと様子が変わっているようであれば、病院で診てもらってください。他にも、食べる量が変わらなくてもやせてきた、という場合も診察が必要です。

シニア猫が健康で暮らせるような環境づくりも重要

猫が心地よく感じられる環境を用意してあげよう

シニア猫の健康管理には、生活環境も大切な要素です。猫にとっては、「いつも変わらない」快適な空間が用意されていることが、何よりも幸せです。

暑すぎず、寒すぎずの温度調整

シニア期に入ると、若いころ以上に室温調整が重要になります。夏場は暑くなりすぎないように、涼しい素材のベッドを用意したり、場所も移動するなど配慮しましょう。反対に冬場はペット用のホットヒーターや、湯たんぽ、使い捨てカイロなどを利用して、寒くなりすぎないよう調整してあげてください。

のんびり過ごせる静かな空間づくりも

高齢になるにつれ、睡眠時間は増加します。猫がゆっくりと眠れるように、テレビの音量に気を付けるなど、静かな空間づくりにも配慮が必要です。

段差はなるべく解消

運動機能も衰えてくるシニア期は、ちょっとした段差でも負担になることがあります。なるべく段差がない環境をつくって、体への負担を減らしましょう。

高いところへ上るのが好きな猫であれば、足場をたくさん作り、上り下りのジャンプの負担を減らすという工夫もできます。ですが、ある程度高齢になると、高いところへのぼるのは飛び降りや転落による骨折リスクも高める可能性もあります。そのため、あえて足場を撤去し、高いところへ上れないようにしておく、というのも一つの手です。

トイレや水飲み場を工夫

猫によっては、トイレの段差も負担になり、うまく使えなくなることがあります。粗相の原因にもなるので、シニア猫の場合はトイレの縁が低く、またぎやすいものに変えるのがおすすめです。ただし、高齢になるとトイレの変化に対応ができないケースもあるので、様子を見て慎重に行いましょう。

もしものときに備えて、トイレの周りはペットシーツや新聞紙を敷いておくのも有効です。他にも、水を飲める場所を、家の中でいくつか作っておくこともポイントです。脱水にならないよう、猫の気が向いたときいつでも水が飲めるような環境をつくりましょう。

心の健康管理も忘れずに

短時間でもスキンシップは忘れずに

生活環境だけでなく、猫の精神的な健康管理を行うことも大切なことです。シニア猫は、高齢になるにつれ周りへの関心が薄くなることが多く、以前のように飼い主に甘えてくる回数が減ることもあります。ですが、甘えたり抱っこをせがんだりしなくなっても、飼い主が嫌になったのではなく年齢から行動が鈍くなっている可能性の方が高いと言えます。

歳を取っても猫は猫、シニア猫にとって、飼い主と過ごす時間が幸せであることには変わりありません。だから一日のうち、短時間でもいいので、猫を抱っこしたり、コミュニケーションをとる時間を作ってあげてください。体をなでるだけでも喜んで満足してくれるはずです。

飼い主としても、コミュニケーションを取ることで猫の体の異常を見つけることもできます。シニア猫と過ごす時間は、若いころと比べると、おもちゃにじゃれて走り回ってくれることはなくなるかもしれませんが、のんびり過ごす時間は、後から振り返ればそれはそれで幸せな時間に感じられるはずです。

シニア猫の健康管理にはこまめなケアが大切

猫が心地よく過ごせるよう配慮しよう

シニア猫の健康管理は、食事やトイレ、生活環境とどれもこまめなケアがポイントになります。食事であれば、年齢に合わせたものを用意し、様子を見てふやかしたり、ウェットフードに切り替えたりしましょう。さらに、水を飲む量にも気を配り、脱水にも注意することが重要です。

あまり水を飲んでくれないようであれば、食事と一緒に水分を摂れるよう工夫したり、水飲み場の数を増やすなども一つの方法です。ただ、飲みすぎは飲みすぎで脱水を引き起こしやすいので、定期的に背中をつまんで脱水になっていないかも確認しましょう。

トイレの回数や量にも気を配り、いつもと少しでも違うなと感じたときは病院へ行きましょう。そして、猫が心地よく感じられる生活環境を整えるとともに、短時間でも触れ合う機会を持ちましょう。

シニア期に入ると、今まで出来ていたことができなくなったり、トラブルも起こりやすくなります。ですが、できる限り健康管理をし、環境を整えた中で猫が気持ちよく眠っている姿を見られれば、飼い主にとって喜びや幸せに感じられる時間にもなるはずです。

シニア猫の健康管理をする上で気を付けたいポイントのまとめ

  • シニア猫の食事は年齢別に適したものを用意し、食べづらそうにする場合はふやかしたり、ウェットフードに切り替える。ただし人間の食べ物は与えないこと。
  • シニア期に入ってからはトイレの様子もこまめにチェックする。おしっこの量やトイレに行く回数に異変が見られる時や、頻繁に水を飲んでトイレに行くなどの症状がみられるときは病院へ。
  • 水を飲む回数が少ないとき、極端に多い場合は脱水に注意。定期的に背中の皮をつまんでチェックしよう。
  • 若いころより室温調整に気を配り、トイレや水飲み場は猫が利用しやすいよう工夫しよう。
  • 安心して眠れる静かな環境は大切ではあるものの、一日のうち短時間は触れ合う時間を作ることも、猫の精神衛生上大切。

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