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犬の出産で気を付けたいこと|一歩間違うと命の危険も

犬の親子

どんな動物でも、出産は命の危険が伴う一大事。安産の象徴とされる犬であっても、それは同じことです。もし愛犬の妊娠に気づいたら、出産までスムーズにできるよう、飼い主がサポートしてあげましょう。

犬の妊娠の兆候と出産までのスケジュール

いつもと違う様子が見られたら妊娠かも?

犬は人間よりもだいぶん早く、妊娠して58~63日ほどで出産を迎えます。42日以降は、早くも妊娠後期と呼ばれる時期に差し掛かるので、それまでにいつ出産をしてもいいような準備を整えておきましょう。

こんな兆候が見られたら妊娠してるかも

犬も妊娠をしたときは、いつもと違う様子が見られます。もし、次のような兆候が見られたら妊娠の可能性を疑いましょう。

  • 味覚の変化
  • 食欲不振
  • 嘔吐

このように、妊娠すると体に変化が生まれるため、人間と似たような兆候が表れることが多くあります。味覚の変化によっていつもと違う食べ物を欲しがったり、ご飯そのものを食べられなくなることがあります。また、つわりのような状態で嘔吐をする犬もいます。

42日以降は出産に備えよう

妊娠後期に差し掛かる42日を過ぎたら、いつでも出産ができるよう準備しておくと安心です。準備には、産箱と呼ばれる出産スペースを作ってあげましょう。これは市販でも売られていますし、自分で作っても構いません。手作りの場合は、箱を用意し、その中にタオルケットや新聞紙を敷き詰めます。新聞紙は短冊状に切るか、丸めておきます。寒い時期であれば、その下にペットヒーターも置いておきましょう。

産箱はサークルの近くに置いてあげると、母犬も自分のニオイがある場所に近いため、落ち着くことができます。また、産箱には出入り口を残して、安心して出産できるよう、ダンボールなどで囲いをしてあげましょう。さらに、55日以降に一度レントゲンを撮っておくと、あらかじめ何頭生まれそうか、心の準備がしやすくなります。特に最後の一頭は出てくるのに時間がかかるケースもあるので、知っておく方が安心です。

落ち着きが亡くなったら出産間近

60日を過ぎると、いつ出産してもおかしくない状態に入ります。そして、実際に出産が近づくと、次のような行動が見られます。気づいたら、「いよいよかな」と思って待機しましょう。

  • 落ち着きがなくなって、ウロウロし出す
  • 食欲がなくなる
  • いつもより体温が下がる(37.5℃前後)
  • トイレの回数が増える
  • 呼吸が荒くなる

この出産までの日数は56日までだと早産、65日を過ぎると遅産といいます。特に65日を過ぎても生まれない場合は、子犬がお腹の中で大きくなりすぎて難産になるケースが多いため、注意が必要です。

犬の出産で安産のとき、難産のときに気を付けたいこと

様子が変だったらすぐに病院へ

犬によっては手助けがほとんどなくても生まれることがあります。ただ、中には難産や、犬自身が出産の兆候に気づかないこともあります。飼い主が出産のときにできることや、注意したいポイントは次の通りです。

安産なら生まれるまでは見守りが中心

安産の場合は、基本的に飼い主は見守ることが中心になります。放っておいても生まれそうであればそっと見守り、実際に生まれたらへその緒を木綿の糸で縛る程度のサポートを行いましょう。へその緒は、お腹から1cmくらいのところで縛ります。木綿糸は家庭にある普通の糸で構いません。その結び目からさらに1cmくらいを残し、ハサミでへその緒を切ります。

出産後、母犬と子犬の様子が落ち着いているようであれば、胎盤を回収する程度でOKです。この胎盤は、出産後に出てきて母犬が食べようとするかもしれませんが、その後下痢をしやすいので、回収した方がベターです。

難産の場合は病院と連携を

犬によっては、陣痛が弱かったりすると、自分で出産に気づかずのんびりしていることがあります。どうも破水したように見えるのに、本人はケロッとしているようなら注意しましょう。もしかしたら、体内で赤ちゃんが衰弱している可能性もあるため、危険です。

様子を見ていても、帝王切開しなければならなかったり、陣痛誘発剤を投与しなければならなかったりすることが多いので、早めに病院へ連れていくのが一番です。また、出産は夜から朝方にかけてのタイミングが多いため、もし変だなと思ったら病院へ連絡し、夜間対応してもらえるか確認しましょう。あるいは、事前に夜間受け入れをしてくれる病院を探しておくのも方法の一つです。

小型犬の出産は特に注意

実は、子犬の体重はどの犬種もそんなに変わらないのだそうです。だから出産のときは、母犬の体が小さい小型犬の方が、大型犬に比べると負担やリスクは高くなります。特に華奢な体つきの小型犬の場合、産道に赤ちゃんが引っかかるリスクも高いと言われています。その場合帝王切開になることも珍しくありません。出産を控えている犬が小型犬の場合は、特に注意して観察しておきましょう。

犬の出産時、万が一のときは飼い主が赤ちゃんを取り上げる

緊急事態のときのことも想定しておこう

いざとなったら獣医さん、と思っていても、実際出産となると何が起こるか分かりません。緊急事態が発生して、病院へ連れていけない可能性もあります。そこで、そんな場合どう母犬の出産を手助けすればいいか、いくつかポイントをまとめてみました。

頭やお尻が出ていたら引っ張り出す

もし、子犬が途中まで出かかっている状態なら、手で引っ張り出します。このとき「羊膜」と呼ばれる水の膜に包まれていることがありますが、それによって子犬をつかみにくいようであれば、ここで破きます。引っ張り出すのは怖いと思われるでしょうが、出かかった状態でいる方が危険です。体外へ出かかっている状態になると、酸素の循環を胎盤ではなく肺で行うようになるため、そのままだと窒息死する危険性もあるからです。

ただ、自分で判断するのもリスクが伴うため、電話で獣医に聞きながら行うようにしましょう。

赤ちゃんが出たら呼吸を確認

無事に赤ちゃんを引っ張りだしたら、まだ羊膜を破っていないようであれば、ここではがします。そうすれば、通常は産道で押しつぶされた肺が空気を吸い込み、鳴き声を出し始めるはずです。羊膜をはがすのにもたついていると窒息して仮死状態に陥り、再び羊水を吸い込んで気管が水浸しになる、という危険性があるので、出来る限り手早くはがしましょう。

もし気管に水が入った場合は、子犬の頭を支えながら、クワで畑を耕すようなイメージで、上から下へと振り回します。そうすると、遠心力によって水を追い出すことができます。まだ子犬の頭は柔らかいので、注意しつつも、しっかりと水を追い出しましょう。

鳴き声を上げ、呼吸を確認したらへその緒を縛って、切ります。体は柔らかいタオルで軽く拭いましょう。母犬がなめてくれるようであれば任せて、そうでなければ人肌くらいの温度の産湯でゆすいで拭きます。

母犬が面倒を見なければ代行を

ほとんどの場合、母犬は赤ちゃんの体をなめたり、授乳などをお母さんとしての役割をスタートさせます。ですが中には、そうした役割をせず放置したり、攻撃する母犬もいます。そんなときは母犬から子犬を保護し、体の温度が下がらないよう保温したり、こまめな授乳や排せつなど、母親代行をする必要があります。ただし、初乳だけは母犬を押さえつけてでも無理やり吸わせるようにしてください。

人間が母親代わりになることはとても難しい面があり、残念ながら長く生きられないで息を引き取るケースも多いです。もし母犬が面倒を見てくれないときは、獣医と相談しながら世話をしましょう。

犬であっても出産はリスクがつきもの

妊娠に気づいたときから準備しよう

いくら安産が多いと言われる犬でも、出産のときは何が起こるかわかりません。妊娠してから2カ月ほどで出産を迎えることになるので、兆候が見られたら準備を始めるのが必要です。そして、できれば出産までに一度何頭生まれるかレントゲンで確認しておきましょう。

いざ出産というときになったら、難産に備えて獣医に連絡を取っておく方が安心です。安産であれば見守ることがほとんどですが、そうでない場合帝王切開などのリスクも生まれるためです。また、犬自身が出産の兆候に気づいていない場合は、変だと思ったらすぐに病院へ連れていきましょう。

病院へ連れていく時間もないときは、飼い主も覚悟を決めて子犬を取り上げるしかないこともあります。ただ、やはり出産は命に関わることもあるので、なるべくならそれまでに病院へ連れて行ってあげたいですね。

犬の妊娠から出産までのポイント

  • 味覚の変化や食欲不振、嘔吐など妊娠の兆候が見られたら産箱などの準備をしよう。できれば55日以降で一度おなかに入っている頭数を調べておく方が安心。
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  • 出産は夜から朝方にかけてということが多いため、夜間受け入れ態勢のある動物病院を調べておくか、あらかじめかかりつけの獣医に相談しておこう。
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  • 落ち着きなくウロウロし出したり、体温や脈拍、呼吸などに変化が見られたら出産の兆候。
  • 犬自身が破水に気づいていない場合など、難産のときはすぐに病院へ連れていく。もし間に合わなければ、獣医に電話で指示を受けつつ自分で取り上げる。
  • 母犬が面倒を見ない時は獣医に相談したり、飼い主が親代わりになって保温や授乳などの世話をする。ただし初乳だけは母犬から与えるようにする。

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