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猫の体にデキモノやしこりがある時疑いたい病気

寝転ぶ猫

猫の体をチェックした時、デキモノやしこりができている場合、何らかの病気にかかっている可能性があります。さらに、お腹周りの様子については、目でも確認しましょう。デキモノやしこりは、普段のスキンシップから見つけられるので、愛猫とコミュニケーションを取りつつ、さりげなく異常がないかチェックするようにしましょう。

猫の体にあるデキモノやしこりから疑われる病気

優しくなでながら体全体をチェックしよう

猫の体にデキモノやしこりができた場合、腫瘍などの可能性が高いです。そして、シニア猫に近づくにつれ、デキモノやしこりが発生する確率も高まります。そのため、日々スキンシップをとって、体全体を優しくなでながら、異常がないかチェックすることが大切です。

どんな病気の可能性があるか

猫の体にデキモノやしこりができているとき、次のような病気の可能性が疑われます。

  • 肥満細胞腫
  • 基底細胞腫
  • 繊維肉腫
  • 扁平上皮癌
  • 血管肉腫
  • 好酸球性肉芽腫症候群

猫のデキモノやしこりには、良性と悪性のものがあります。もし見つけた場合は、数や場所をチェックし、すぐに病院で診察を受けましょう。

それぞれの病気の症状は?

先にご紹介した病気の場合、それぞれどういった症状が出るのかなどについてまとめました。

病名 症状や特徴 見つかりやすい部位
肥満細胞腫 オス・メス両方に多く診られる悪性腫瘍(ガン)の1つ。10歳以上のシニア猫に起こりやすい。脾臓や消化器官などの内臓にできる場合と、皮膚に発生する場合がある。皮膚の場合は、0.2~3cm程度の硬いしこりなどで、赤く腫れ、脱毛を伴うことが多い。1個だけ発生することが多いものの、まれに複数部位にわたって、たくさんできることもある。良性の場合もあるが、潰瘍になっているものや、眼の上や周囲の皮膚との境目が分かりづらいものは悪性の傾向が強い。 皮膚にできる場合は、耳や耳の付け根などの頭部によく起こりやすいが、体幹や四肢など、体全体のどこでも発生する可能性がある。ただし、腹部にできることは少ない。
基底細胞腫 猫の腫瘍の中で、最も多く発生するタイプ。猫の表皮の、一番下の層(基底)にある細胞にできる腫瘍で、皮膚がんの一種。ただし比較的悪性度が低く、命に関わる危険も少ないため、処置をきちんと行えば回復も見込める。 体の中では、頭部、頸部、体幹に発生しやすく、腹部にできることは少ない。
繊維肉腫 神経芽細胞から発生するガンの一種。猫が発症する確率は比較的低いが、ワクチン接種後にできることも多いため、「注射部位肉腫」と呼ばれることもある。原因はまだ分からない部分もある。 ワクチンの接種部位以外に、乳腺や四肢にできることもある。
扁平上皮癌 皮膚の一番上の部分を占める、「扁平上皮細胞」がガン化した状態のことを言う。11歳を超えたシニア猫で、特にメス猫に起こりやすいとされる。痛みを伴い、見た目はかさぶたのようで、中心部は潰瘍化してただれ、色素沈着や周辺の脱毛を起こすことも多い。2~30ヶ所と多発するのが特徴。 皮膚全体、どこでも発生する可能性がある。猫の場合は特に、鼻の表面、耳、まぶた、唇、舌、歯肉といった顔まわりや、首、肩、前足、肉球と広範囲にわたる。他にも肺に起こることもある。
血管肉腫 血管を構成する細胞がガン化した状態。猫における発症はあまりないものの、真皮や皮下組織など、血管が豊富な場所にできやすい。真皮では赤や青黒いできものになるが、皮下組織では、コリコリとしたデキモノで、通常は1つだけ表れる。9歳以上の猫に起こりやすい。また、内出血を起こすと、急に大きくなることもある。 血管が通っている場所であれば、どこにでもできる可能性がある。
好酸球性肉芽腫症候群 猫に多い皮膚病の一つ。何らかのアレルギーからかゆみや炎症が起こり、デキモノが生じる。他にも脱毛や潰瘍化することもある。ただし、好酸球肉芽腫症候群は、見た目によって、「無痛性潰瘍」、「好酸球性プラーク」、「好酸球性肉芽腫(線状肉芽腫)」の3つに分類される。「無痛性潰瘍」の場合は、痛みやかゆみを伴うことはないと言われている。 「無痛性潰瘍」の場合は、唇や口の中の粘膜に赤い潰瘍ができることが多い。「好酸球性プラーク」は主に首や腹部、脇の下、内股などにできやすく、皮膚の赤みや脱毛を伴い、激しいかゆみが起こるため、猫が舐め続けて悪化することもあるので注意が必要。「好酸球性肉芽腫(線状肉芽腫)」の場合は、主に横腹、太ももの後ろ、前足の外側などに線状にできるのが特徴。

デキモノによってはニキビやアレルギーの可能性もある

猫のデキモノは腫瘍などの可能性が高いですが、場合によっては、次のような可能性もあります。

  • ニキビ
  • アレルギー
  • 日光皮膚炎

特に猫のアゴ下などが炎症を起こしている時や、黒いポツポツが見られる場合は、ニキビの可能性があります。ニキビの場合、命に関わることは少ないですが、悪化すると化膿し、痛みを伴うこともあるので注意が必要です。また、赤いポツポツや腫れの場合は、食べ物や食器にアレルギーを起こしている可能性があります。他にも、口周りだけでなく、耳の先端や目の周りなど、毛や皮膚が薄い場所が腫れたり、赤みが見られる場合は、日光皮膚炎とも考えられます。

メス猫は乳腺のしこりに注意

年齢を重ねるにつれ、リスクが高まる乳腺腫瘍

オス猫で起こることは非常にまれですが、メス猫の場合注意したいのが乳腺腫瘍です。乳腺にしこりを見つけたら、可能性を疑いましょう。

乳腺腫瘍の症状

乳腺腫瘍は、いわゆる乳がんで、メス猫に比較的多い病気です。シニア猫に近づくにつれ、発生率もアップします。腫瘍の大きさは数ミリのものや、数センチのものまで幅広く、単発で発生する場合もあれば、複数個連なってできる場合もあります。良性と悪性がありますが、しこりがあると分かったら、すぐに診察を受けましょう。特に次のような場合は、至急獣医に診てもらう必要があります。

  • 乳腺を触ると痛がる
  • 乳腺が腫れている
  • 乳腺にしこりがあり、出血している

猫の乳腺は、通常8個ほどある乳首の周りを取り囲むように存在するため、胸の上からお腹の下までの範囲をチェックすることが大事です。猫のお腹の皮膚は薄いことと、腫瘍ができていれば、ある程度硬さがあるので、触れればすぐにわかります。

出産前や授乳中の腫れは心配ないことも

避妊済みであったり、妊娠の可能性がない時にしこりが見つかった場合、腫瘍の可能性が高いです。ただし、メス猫でも、出産前や授乳中の場合は、乳腺が腫れて当然なので、離乳しても腫れが続くかどうか観察してから、診察を受けるようにしましょう。

目で見て注意したい猫のお腹まわり

短期間で異常にお腹がふくれる場合は要注意

デキモノやしこりとは少し違いますが、猫のお腹周りは、目でもチェックしておきたい部分です。特に短期間でお腹が異常にふくれる場合は、深刻な病気の可能性があります。

猫のお腹周りで注意したい症状

猫のお腹周りをチェックした時、次のような兆候が見られる場合は、病院へ連れていきましょう。

  • お腹が全体的にふくらんできたとき
  • 腹部の一部分が突出してきたとき
  • 排せつが困難になっている様子のとき

お腹のふくらみから考えられる病気

猫のお腹がふくらむ場合、次のような病気の可能性が考えられます。

  • 伝染性腹膜炎による腹水
  • 子宮蓄膿症

特に短期間で急激にお腹がふくらんだ場合は、重症の可能性が高いため、すぐに病院へ連れていきましょう。子宮蓄膿症は、避妊手術をしていないメス猫に起こりやすいと言われています。

単純な肥満でも安心はできない

お腹がふくれるのは、単純に肥満が原因であることも多くあります。肥満の場合は、そこまで切迫した状態になることは少ないですが、糖尿病や関節の病気など、治りづらい病気の原因になることも多いので油断できません。また、むくみが原因になっていることもあります。

肥満かどうかは、猫を触ったとき、肋骨や背骨を感じられるかどうかで判断できます。探さないと分からない状態であれば、肥満の可能性があります。反対に、骨がゴツゴツしすぎるほど出ていれば、痩せすぎと考えられます。さらに、皮膚を押したとき、すぐに戻らない場合はむくんでいることが多いので、念のため異常がないか、病院で診てもらった方が無難です。

猫の体にデキモノやしこりを見つけたら病院へ

年齢とともにこまめにチェックをしよう

猫はメス猫や、シニア猫になるにつれ、体にデキモノやしこりができやすく、腫瘍である可能性もあります。もし、デキモノやしこりを発見した時は、速やかに病院で診てもらいましょう。さらに、お腹周りについては、目でも変なふくらみがないか確認することが大切です。特にお腹が短期間でふくらんできた時は、至急獣医の診察を受けるようにしてください。

中には良性で、命に関わる危険性のないケースもありますが、放っておくと危険な場合も多くあります。猫の健康を守るために、毎日のスキンシップの中で、なるべくこまめに体全体に異常がないかチェックするようにしましょう。

猫の体にデキモノやしこりがあるときやお腹のふくらみで疑われる病気

  • 猫の体にデキモノやしこりを見つけた場合は、肥満細胞腫や繊維肉腫、扁平上皮癌などの腫瘍の可能性がある。
  • デキモノやしこりの中には、基底細胞腫など、命に関わる危険性の低いものの場合もあるが、見つけたら良性か悪性か、速やかに病院で診てもらおう。
  • メス猫の場合は、年齢とともに乳腺腫瘍に注意しよう。しこりの発見だけでなく、乳腺を触ると痛がったり、腫れが見つかった場合も、すぐに病院へ。
  • デキモノやしこりのチェックと同時に、お腹まわりが不自然にふくらんでいないかもチェックしよう。特に短期間でお腹がふくれてきたら、腹水の可能性があるのですぐに診察を受けよう。
  • 単純に肥満でお腹がふくらんでいるだけでも、将来的に病気につながる可能性があるので油断せず健康管理を行おう。

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