子犬、子猫の飼い方や様々なペットのためのポータルサイト

わんにゃんペットの森

猫の食欲不振、大量に水を飲むときに心配な病気は

ご飯皿の前の猫

大事な猫が食欲不振だったり、水を大量に飲むなど、いつもと様子が違うと病気ではないかと心配になりますよね。猫の食欲や水を飲む量については、多少の増減は環境や気温の変化によって変わる場合があります。しかし、心配しなくてもいいときもありますが、中には気を付けなければいけない場合もありますので、油断は禁物です。今回は、猫の食欲不振、水を大量に飲んでいる時に注意したい病気についてご紹介します。

病気を疑う前に環境や気温など確認しよう

猫が食欲不振、水を飲みたがるような原因はなかったかどうかチェック

猫はちょっとした環境の変化でも、ご飯を食べなくなったり、水をいつもより飲むことがあります。そのため、まずは猫が食欲不振になったり、水をたくさん飲みたくなるような出来事がなかったかどうか、チェックしてみましょう。

エサはいつも通り?

猫がご飯を食べなくなる可能性が高いものの一つに、キャットフードの変化があります。いつもと違う種類のキャットフードにした場合や、日にちが経ってニオイが飛んでしまったなど、ちょっとした変化で、猫は食べてくれなくなることがあります。神経質な猫だと、食器を変えただけでもご飯を食べなくなることもあります。

水を飲む量も、食事の内容によって猫自身が調整するので、ご飯を切り替えると水を飲む量が増えることがあります。食事内容を変える場合は少しずつ切り替えることを意識し、食器を変えて嫌がるときは、平べったいお皿に変えて様子を見てみて下さい。

環境はいつも通り?

猫は自分のテリトリーを大切にする生き物なので、環境がちょっとでも変わると落ち着かなくなり、ご飯を食べなくなることがあります。例えば引っ越しをした場合はもちろん、部屋の模様替えをしただけでも、繊細な猫に影響を与えることがあります。

季節によっては、夏バテで食欲が落ちることもあります。室内の空調などを整備して、できるだけいつも、猫が落ち着ける環境を用意してあげましょう。

最近病院には行った?

猫によっては、ワクチンや去勢・避妊手術の際の麻酔などの影響が出やすく、一時的に食欲をなくすことがあります。他にも、病院でのストレスが尾を引いていることもあります。基本的には自然に回復するのを待つのがベターですが、もし薬が処方されていたら、薬があっていない可能性もあるので、獣医に相談してみてください。

食欲不振や水を飲む量で病気を疑いたい度合いや目安

他の症状も出ていないかチェックしよう

ほんの少し、いつもと環境が違うだけでご飯を食べなくなると、飼い主としては何をみてどのような時に病気を疑うのか難しいですよね。そこで、食欲不振や飲む水の量や度合いの変化の時に、病気を疑った方がいいかまとめてみました。

1歳以上の猫は1日以上食べなければ注意を

猫がご飯を食べないのは、1食分くらいであれば、基本的に心配しなくても大丈夫です。ですが、あまりに食欲不振が長引いた場合は、何か原因があるのでは?と疑ってみましょう。具体的な年齢と食事の表を次にまとめました。

月齢 経過時間
生後1~2ヵ月 8時間以上食べない時
生後2~3ヵ月 12時間以上食べない時
生後3~4か月 16時間以上食べない時
1歳以上の成猫 24時間以上食べない時

また、もし全く食べない時間が1日半以上、食欲不振が3日以上続くときは病気の可能性が高いので、急いで動物病院へ連れて行って下さい。

尿や便などに異常がないかチェックしよう

様子がおかしいな、と感じた場合に病気のサインを見つけるためのヒントには、尿や便のチェックが有効です。次のような症状が出ていないかチェックし、一つでも当てはまる場合はすぐに病院へ連れて行くようにしましょう。

  • 下痢をしていないか
  • 便に血が混じっていないか
  • 尿が赤くないか
  • 尿のニオイがいつもより強い、あるいはまったくニオイがしないということはないか
  • 嘔吐はしていないか
  • トイレの時間が異常に長かったり、滞在している間苦しそうに鳴いたりしないか

気を付けたい猫の「多飲多尿」

猫は慢性腎不全になりやすいといわれていますが、病気を見つける目印になるのは「多飲多尿」です。多飲多尿は文字の通り、頻繁に水を飲むことで尿の量も増える、という症状です。徐々に量が増えていくことも多く、気づきにくいというのが難点です。

進行すると体重の減少や見た目にも痩せていきますが、定期的に飲む水の量と尿の量を測っておくと、早めに気づくでしょう。

多飲多尿とされる一つの目安は、

  • 体重1gあたり1日に飲む水の量が90ml前後、尿の量45ml前後

といわれています。

食欲不振や大量に水を飲むことが原因で考えられる病気

病気にかかっている場合に表れるそれぞれの症状とは

最後に、尿や便をチェックして異常がある場合に疑いたい、具体的な病気や症状についてみていきましょう。病気の種類によっては、ワクチン接種などで予防できるものもあります。

考えられる病気の種類について

猫の食欲不振や水を大量に飲むことから考えられる病気には、次のようなことが挙げられます。

  • 肝炎、肝リピドーシス
  • 尿毒症や慢性腎不全
  • 膵臓炎
  • 食道炎や巨大結腸症など消化器官の異常
  • 猫カリシウイルス感染症などのウイルス感染
  • 口内炎
  • 副鼻腔炎
  • 糖尿病
  • リンパ腫などのガン
  • 熱中症

それぞれの病気でみられる症状は

次に、それぞれの病気で起こりうる症状についてまとめました。

病気 主な症状
肝炎 原因はウイルスや細菌、寄生虫から感染するケースと、薬物や毒物によるもので、食欲不振以外に、下痢、嘔吐、体重減少などが見られる。慢性化し、悪化すると肝硬変になるケースも。胆管肝炎であれば、抗生物質が投与されます。
肝リピドーシス 原因は肝臓に脂肪が蓄積し、ストレスやホルモン異常などが重なることで起こりやすいといわれているが、分からないことも多い病気。肥満気味の猫はかかりやすいといわれ、1週間以上食欲不振が続く場合は、疑いが濃厚。
尿毒症、慢性腎不全 尿毒症は腎炎や腎不全による腎臓の働きの低下で、排出されるはずだった毒性物質が体内に蓄積することが原因。食欲不振の他、嘔吐、下痢、体重減少が起こりやすい。一方で、ウイルス感染や老化が原因で起こりやすいのが慢性腎不全。多飲多尿、食欲不振の他、激しい嘔吐や体重減少、貧血や脱水状態を起こすこともある。
膵臓炎 膵臓の機能に炎症が起こった状態。急性と慢性とがあり、急性は症状が重いと命に関わるリスクがあるが、見つけづらい病気の一つ。
消化器官の異常 食欲低下、吐出、大量のよだれがある場合は、食道炎によって食べ物を飲み込むのに痛みが起こっているのかも。また、吐き気や便秘などが起こっている場合は、毛づくろいによって体内に入った抜け毛が、胃や腸などで毛玉となり、通過障害を起こす毛球症の可能性がある。さらに、直腸と肛門との手前にある結腸に便がつまり、大きくなる、巨大結腸症の場合は、便秘や、いきんでも便が出ないなどの症状が見られる。
ウイルス感染 「猫風邪」と呼ばれるカリシウイルス感染症は、食欲不振の他、くしゃみ、鼻水、結膜炎などが起こる。肺炎に進行しないよう注意。他にも貧血や黄疸、発熱を伴うヘモバルトネラ症や、ヘルペスウィルスなどにもかかりやすい。ただしウイルス感染は、ワクチンによって予防できることもある。
口内炎 口のニオイがいつもよりきつい、よだれが多いなどの場合は口内炎の可能性大。痛みのため、触られるのを嫌がることも多いので、比較的気づきやすいが、症状が進行すると歯肉炎になる場合もあるので注意。
副鼻腔炎 副鼻腔に起こる炎症。鼻水やくしゃみなどの症状を伴い、鼻づまりからニオイがわからなくなり、食欲低下を引き起こす。
糖尿病 水をたくさん飲みおしっこもたくさん出る。食事の量も増えているのに痩せて行く。神経障害にまですすむと、かかとを地面につけて歩く歩行異常があらわれ感染症にかかりやすく、ちょっとした傷でも治りにくくなる。
ガン 高齢猫になるにつれ注意が必要だが、特にリンパ球が、がん化するリンパ腫は進行が早いことが多く、急激な食欲不振や惰眠が見られる場合は可能性が高い。また紫外線が原因起こる口腔扁平上皮癌は、鼻や耳などの部分の皮膚に、小さな潰瘍が発生するのが特徴の一つで、嚥下困難から食欲不振を起こし、出血や悪臭を引き起こすことも多い。
熱中症 食欲不振や水を飲む量が増えるだけでなく、呼吸異常や、よだれ、嘔吐、下痢などを引き起こし、症状が進行するとけいれんや、最悪はショック症状に陥ることもある。体を冷やすことが第一。

他にも大量に水を飲む可能性があるのは?

猫が水を大量に飲む原因として、薬が影響していると前半に書きましたが、薬の中でもステロイド剤を使用した場合、副作用として表れる可能性があります。他にも、ホルモンの病気が発症した場合、水を飲むという行為に表れることもあるようです。

猫の食欲不振や大量に水を飲む行動が続くときは要注意

定期的なチェックをすることで、病気のサインにも気づきやすくなる

猫の食欲不振や大量に水を飲むことは、一時的なこととして自然に治ることも多いので、あまり心配をしなくてもよさそうです。ただし、1日以上続くときは、病気の可能性を疑ってみましょう。尿や便をチェックしたり、様子に何か異常がないかを確認します。そしてもし、少しでもおかしいなと感じたら、すぐに病院へ連れて行きましょう。

病気によっては、徐々に症状が進行したり、高齢になるにつれ表れるものもあります。そのため、日ごろから猫とコミュニケーションを取り、「いつもの様子」を知っておくことが大切です。そうすれば、ちょっとした変化にも気づきやすくなるのではないでしょうか。

猫の食欲不振や水を飲む量が増えたとき、チェックしたいことや考えられる病気とは

  • 食欲不振や水を飲む量が増えたなと感じたら、まずは餌の内容や与えかた、生活環境に変化がないか振り返ってみよう。
  • 成猫の場合、1日以上ご飯を食べない時は病気を疑い、1日半以上食べない、3日以上食欲不振が続く場合はすぐに病院へ。
  • 病気かも?と感じたら、猫の尿や便をチェックし、異常がないか確認しよう。
  • 猫が食欲不振になったり、水を飲む量が増えるようになる病気には、肝臓、腎臓、膵臓や消化器官の異常、ウイルス感染や炎症、ガンなどさまざまなリスクが考えられる。
  • 多飲多尿のように、ゆっくり進行する病気だったり、高齢猫になって出る病気もあるので、定期的に1日の飲料量・尿や体重を測るなどのチェックを行おう。

PAGE TOP