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シニア猫になると表れる老化現象とは

高齢猫

猫は人間より早いスピードで歳を取るとはいえ、老化していると感じたり、シニア期に入ったかどうかは見た目では分かりにくいものです。そこで今回は、シニア猫になると表れやすい老化現象についてご紹介します。

猫がシニア期に入ったと感じられる老化現象とは?

見た目や行動に変化が表れてくる

見た目で年齢を判断しづらい猫も、10歳を過ぎると徐々に老化を感じる機会が増えてきます。人間の場合、疲れを感じやすくなったり、昔できていた動きができなくなったとき、老化を感じることが多いですが、猫の場合はどのような変化が起こるのでしょうか。

見た目に表れる変化

若々しかった猫も、年齢を重ねるとともに見た目に次のような変化が多くみられます。

  • 毛づやが悪くなる
  • 毛の色が薄くなる、白髪が増える
  • 目やにが増える
  • 歯のすり減りや色素沈着、歯茎の下がり
  • 痩せる

シニア猫の毛づやが悪くなる理由としては、グルーミング不足です。猫は歳を取ると、若いころより毛づくろいの頻度が減るため、それまでに比べると毛並みが悪くなります。毛づくろいの頻度が減る原因には、体の柔軟性がなくなったり、内臓の機能が低下することが関係しているといわれています。

他にも、人間と同じように毛やひげなど、顔周りに白髪が混じったり、歯の老化も進みます。さらに、筋肉が衰えることで体全体が痩せたように見えます。

行動に表れる変化

シニア期に入ると、行動にも変化が起こります。

  • 寝てばかりいる事が多くなる
  • 呼んでもあまり反応しない
  • 今まで食べなかったものをほしがる

シニア猫の分かりやすい老化現象の一つが、睡眠時間が増えることです。今まで活発に動き回っていた猫も、気づいたらいつも寝ているという状態が増えてきます。好奇心も低下し、周りのことに関心を示さなくなります。

さらに聴力も衰えてくると呼んでも反応しなくなり、飼い主が家に帰ると今まで出迎えてくれたのに、全く気づかずに寝ているシチュエーションになることもあります。また、飼い主が気づかない間に視力が落ち、見えづらいので行動も鈍くなっているケースもあります。他にも、嗜好が変わり今まで食べなかったようなものをほしがることがあります。

睡眠時間の増加で肥満に注意

シニア期に入って睡眠時間が増えてくると心配なのが肥満です。寝てばかりいると、その分動かなくなるので太りやすくなるからです。さらに、認知症のような症状が表れ出すと、何度も食事をねだるようになり、食べ過ぎにつながることもあります。

肥満は糖尿病などのリスクを高めるだけでなく、肝臓の機能を低下させ、命に関わることも多い「肝リピドーシス」も引き起こしやすくなります。食事内容を見直して、年齢に合った最適な食事を与えることが大切です。遊びに興味を示すようであれば、適度に運動をさせてあげましょう。

猫の老化によって起こりやすいトラブル

神経質になりすぎず、ゆったり構えることも大切

シニア猫になると、今までできていたことが出来なくなったり、今までとは違う行動をとることもあります。トイレなどの生活トラブルが起こることも多く、飼い主としてはイライラしたり心配したり気を揉むことも多くなります。

しかし、猫としては「いつも通り」のつもりで行動しているはず。飼い主としても、猫が「いつも通り」暮らせるよう大きな心を持って、シニア猫の生活に工夫を加えましょう。

トイレのトラブルに一工夫

人間も年齢を重ねると胃腸の機能が低下し、調子が悪くなることがありますがそれは猫も同じです。シニア猫になるにつれ、下痢や便秘をしやすくなるのに加え、粗相をすることが増えてくるでしょう。

飼い主としては粗相をされると掃除も大変だし、今まで問題なかったのに、という気持ちも生まれるでしょう。ですが猫は粗相をした、という意識もあまり持っていないはず。もう若くはない。うちの猫も歳を取ったんだと、寛容な気持ちになることも大事です。

その上で、トイレの置き場所を増やしたり、トイレに入るのが体力的に難しそうであれば、できるだけ敷居の低いトイレに変えるなど、工夫をしてみましょう。足が上がらないようであれば、トイレの場所にペットシーツを敷くという方法もあります。

嘔吐トラブルは掃除しやすい環境づくりを

シニア猫は若い頃に比べて嘔吐しやすくなります。掃除をしたところでまた嘔吐されるとイライラしてしまいそうですが、ここでもしょうがないなぁ、と思う気持ちを持ちましょう。

けれども汚されてばかりも大変なので、簡単にお掃除ができる工夫をしましょう。例えばいつでも出せるように新聞紙を置いておき、猫がもどしそうな様子を見せたら上手に新聞紙を差し出しましょう。トイレの時にも使える方法です。後始末がしやすい方法なのでおすすめです。

他にも、猫がいつもいる場所には、洗濯できる大きめのマットを敷き、汚れてもすぐ洗濯できるようにしておくのも一つです。

粗相をされたときの掃除方法

それでもトイレの粗相や嘔吐で部屋が汚れたときは、汚れ具合によって次のような掃除をしましょう。

  • おしっこ汚れなら、トイレ掃除用の使い捨てシートを利用すると比較的手軽に掃除ができる。
  • うんち汚れであれば、ティッシュなどで一旦ふき取り、その上に熱湯をかけて消毒し、乾いた布で水気をふき取る。
  • ニオイが取れない時は消臭剤をスプレーする。

夜鳴きはある程度受け入れる

シニア猫も年齢を重ねるにつれ、人間と同じように認知症のような症状が表れることがあります。夜鳴きはその症状の一つで、夜中に大声で鳴き叫んだり、歩き回るなどの行動が見られます。

睡眠を妨げられる夜鳴きは、飼い主の精神的にも辛いですが、それもシニア猫の老化現象の一つです。叱ったりするのではなく撫でてあげたり、抱っこしてあげたり、眠くて起きれない場合は「また鳴いているなぁ」くらいの、大きな気持ちで受け入れてあげてください。

老化現象に紛れた病気に注意

全てが老化、と思わずに猫の体調変化に注意しよう

猫の老化現象は自然なことですが、全てが全て老化とは限りません。シニア期に入れば、今まで以上に病気やケガも起こりやすくなります。愛猫のちょっとした変化にも気を付けて見るようにしましょう。

腎臓病など内臓機能の低下に注意

猫は元々腎臓病になりやすい傾向にありますが、シニア期に入ると腎臓の機能自体が低下するため、なおさらリスクが高くなります。水の飲み方や毎日のトイレのチェックをし、日々変化がないか気を付けてあげてください。もし急に痩せてきたら要注意です。すぐに病院へ連れていきましょう。

歯肉炎や口内炎ができやすくなる

若いころに比べて歯垢がたまりやすくなるので、歯肉炎や口内炎にも注意しましょう。口臭を感じたら注意が必要です。定期的な歯磨きをして、こまめにチェックしてください。

病院で歯石を取り除く方法もありますが、全身麻酔をすることになるので、シニア猫にとっては非常に負担になります。かかりつけの獣医師と十分に相談して下さい。若いころから歯磨きに慣れさせておくことが重要です。

爪ののびすぎでケガ

シニアになると毛づくろいと同じで、爪とぎもあまりしなくなります。爪とぎを怠ると、伸びすぎて肉球に刺さるリスクが高まり、思いもよらないところでひっかけてケガにつながる事があります。定期的にチェックして、伸びているようであればカットしてあげましょう。

ただし、爪切りも若いうちから慣れさせておかなければ嫌がることが多いです。もし自分で切るのが難しければ、専門のトリマーや獣医師に爪切りをしてもらうのがおすすめです。

シニア猫の老化現象は見た目や行動に表れる

老化によるトラブルにはゆったり構えることが大切

猫はシニア期に入っても若く見えることが多いのですが、それでも老化が進むことには変わりありません。年齢とともに病気やケガのリスクも高まるので、できるだけ日々の生活に変化がないかチェックをしながら、ケアしてあげることがとても重要です。

老化が始まると、毛づやが悪くなったり白髪が増えるといった見た目の変化だけでなく、行動にも変化が起こります。老化が進行すると、トイレの粗相や嘔吐といったトラブルも起こりやすくなります。トラブルが起こると、飼い主はイライラしてしまうこともあるでしょうが、猫としては普通に生活しているつもりです。

そして、猫にとって幸せなことはいつも通り、穏やかで、変わらない生活ができることです。だからイライラしないように、そして叱らないでください。猫と一緒に過ごせる時間には、限りがあります。一日でも長く、大切な猫と過ごせる時間を持てるようサポートしてあげましょう。

シニア猫の老化現象を見つけるポイントと注意点

  • シニア猫になると、毛づやがなくなったり白髪が増える、痩せてくるなど見た目の変化が表れる。
  • 一日のうち寝て過ごす時間が長くなったり、周りへの興味関心が薄くなるなど、行動にも老化が起こり始める。
  • トイレの粗相や嘔吐など、トラブルも起こりやすくなるが、飼い主も「仕方ない」と思って、神経質にならないことが大切。
  • 食べ物の嗜好にも変化が表れることがあり、食べさせ過ぎには注意を。さらに睡眠時間の増加で運動不足になり、肥満に陥りやすいので注意が必要。
  • 腎臓など内臓機能も低下するので病気やケガのリスクも高まるので、細やかなチェックが必要。

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