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猫がケガをしたときに出来る応急処置とは

寝転ぶ猫

猫を飼っていると、思わぬことでケガをしたり、事故が起こったりします。そんな時、病院に連れていく前にできる応急処置をしてあげたいところです。今回はこの記事で、いくつか考えられる猫のケガの応急処置についてご紹介します。

出血を発見!消毒や骨折を見つけた時の応急処置

症状がひどい場合は応急処置をしてすぐに病院へ

放し飼いの場合、交通事故や他の猫とのケンカのリスクはつきものですし、室内飼いでも高いところから落下して骨折する可能性があります。まずは出血や骨折を発見した場合の応急処置についてみていきましょう。

出血を見つけたらまず患部を洗って確認する

出血を見つけたとき、軽いひっかき傷や切り傷であれば、そこまで心配する必要はありません。ですが、猫の爪はカギ状になっていて、見た目より深い傷である可能性もあります。そのため、出血しているのを見つけたら、まず患部を水で洗ってみることが大切です。洗い方のポイントは次の通りです。

  1. 傷口の下に洗面器を置くか、バスタオルやシーツなどを丸めて置く。
  2. 紙コップに水を入れ、少しずつ患部にかける。

水をかけるときは、落ち着いてかけることがポイントです。飼い主が慌ててしまうと、猫も不安になって傷を隠そうとするかもしれません。また、コップに入れた水も、あらかじめ何杯か用意しておくと、猫が逃げ出すのを防ぐことができます。

水をかけると、細菌も流れ落ち、傷口の様子や、泥や石、ガラスなどが入っていないかチェックしやすくなります。

軽い出血は消毒やエリザベスカラーで保護

軽いひっかき傷程度であれば、水かぬるま湯にガーゼか脱脂綿を浸し、傷口をぬぐいます。十分に洗い流せば、ほとんどの場合消毒をする必要はありませんが、少し出血しているようであれば、刺激の少ない消毒薬で消毒します。例えばイソジンなら5~8倍に希釈したものを使います。あるいは、白色ワセリンを塗っておいてもかまいません。ワセリンなら猫が舐めても害になることはほとんどないからです。

軽症であればそのまま治りますが、少しでも出血していたようであれば包帯で巻いておきましょう。傷口によっては、数日してから化膿してくることもあります。化膿したら多くの場合は発熱も伴います。耳などをチェックし、熱があるようであれば病院へ連れていきましょう。

さらに、少しでも化膿や傷口の悪化を防ぐために、猫が傷口をなめないよう、エリザベスカラーをすることもおすすめです。エリザベスカラーは、A4ファイルや子ども用のシャンプーハットでも代用できます。

A4ファイルを使うときは、ファイルの底を切って広げ、円状に切り取ります。そして真ん中に穴をあけ、ちょうどいい大きさにカットしてください。首回りはテープで保護するようにします。

出血がひどい場合は止血をして病院へ

出血が多い時は止血が必要です。さらに、血が止まらないときは止血をしながら、すぐに病院へ行きましょう。止血の仕方は、次の通りです。

  • 傷口をガーゼやタオルでしっかり押さえる。
  • 血が止まらないときはその上から包帯を巻き、テープでとめる。
  • それでも止まらない時は、傷口より3~5㎝心臓に近い場所を紐やストッキングなどできつくしばって止血する。その場合、数分ごとにゆるめたりしばったりを繰り返して病院へ運ぶ。

出血の場所が鼻や耳

出血が鼻や耳など、体の穴から起こっているときは、内臓破裂の疑いがあります。他にも、酸素不足から口の中が白くなることもあります。この場合は、止血などを考えず、すぐに病院に連れていきましょう。

内臓破裂の疑いがあるときに注意することは、段ボールなどの箱に入れて運ぶことです。抱きかかえたりすると、さらに内臓を圧迫し、出血をひどくする危険性があるからです。

足を引きずっているときはまず様子見、そして声掛け

家の中でも、何かの拍子で高いところから落下したり、ぶつかったりするリスクはあります。もし猫が足を引きずっているようであれば、ひとまず30分くらい様子をみましょう。観察している間、少しでも足が地面につけられるようであれば、骨折の可能性は低いです。

ですが、猫の様子を見て、明らかに骨折しているとわかるときもあります。そんな時は、まず落ち着いて、声掛けをすることが大切です。慌てたり、パニックになると、猫もますますパニックになります。

もし、自分の猫以外の猫に声をかけるときは、次のようなポイントを意識しましょう。

  • 低く優しい声で話しかけながらゆっくりしゃがむ。
  • 猫の鼻の前に人差し指を出してニオイをかがせ、安心させる。
  • 様子を見て耳やアゴ下を触り、落ち着いているようであれば体をチェックする。

骨折がわかったらなるべく早く病院へ

骨折しているときは、アイスキャンデーの棒などを添え木にして包帯を巻き、病院へ連れていきます。ですが、痛がるようであればキャリーバッグや段ボールなどに猫を入れて安静な状態にさせ、そのまま病院へ連れていきましょう。ショックを起こしていることもあるので、体温が下がらないように毛布やタオルでくるんであげるのも重要です。

もし交通事故に遭った場合は、ケージが手元にないこともあります。そのときは、毛布やシーツ、バスタオル、段ボールを担架の代わりにして運びましょう。

おぼれた!感電!ぐったり!猫の意識がないときの応急処置

人工呼吸や心臓マッサージの方法を知っておこう

猫を飼っていると起こりやすい危険な事故として、お風呂のお湯が残っているところに落ちておぼれる、電気コードに感電するなどがあります。さらに、夏場は熱中症、冬場は凍傷や低体温といった事故も起こりやすいです。時にはぐったりして意識がないなどの事態に陥ることもあります。そんな時にできる応急処置についてみていきましょう。

おぼれた時はまず水を吐かせる

猫が水に溺れたら、両足を持ち逆さまにし、ゆらゆら揺らして水を吐かせます。まずは気管に入った水を出すことが第一だからです。そして、呼吸があるかどうか、心臓が動いているかどうか確認します。呼吸があり、心臓も動いていれば、そのまますぐに病院へ連れていきます。

心臓が動いているのに呼吸が止まっている場合は、人工呼吸が必要です。

  1. 猫を横に寝かせる。
  2. 猫の口をふさぎ、人の口で猫の鼻を覆うようにして、約3秒間息を吹き込む。この時猫の胸が膨らむことを確認する。
  3. 1分ほど様子を見て、呼吸が戻らない時はもう一度同じ要領で人工呼吸を行う。猫が自分で呼吸をし始めるまで繰り返す。

もし呼吸も心臓も止まっているときは、心臓マッサージを行います。猫の心臓は、前足の付け根と背骨の間位にあります。脇の下に手を突っ込み、鼓動が感じられないようであれば、心臓が停止しているので、心臓マッサージが必要です。

  1. 猫を横向きに寝かせ、猫の頭の方に膝をついて座る。
  2. 片手で猫の肋骨を両側からつかみ、手の平に肋骨が当たるようにして腹部を握る。
  3. 親指と人差し指に、力を「1、2」と入れ、「3」で抜く。これを1回とし、1秒間に1回のペースで30回ほど繰り返す。
  4. 人工呼吸を1分間行う。
  5. 1分間様子を見て、呼吸が戻るか、心臓が動くか様子を見る。戻らなければ最初から繰り返す。

感電に気づいたら慌てず、落ち着いてコンセントを抜く

電気コードをかじるなどして猫が感電したとき、気を付けたいのは二次感電です。状態によっては、猫が硬直したり、痙攣しているかもしれません。ですが、慌てて触ると、飼い主まで感電しかねませんので、まずはコンセントを抜きましょう。手が届かない時は、ブレーカーを落とします。

そして、口の中をチェックしてください。赤く腫れる、出血しているなどやけどの状態が見られたらすぐに病院へ連れていきます。見た目に異常がないとしても、念のため病院へ連れて行ってください。もし、意識がないときは、呼吸や心臓の動きもチェックし、必要であれば人工呼吸や心臓マッサージを行います。

日射病・熱射病に気づいたらすぐに冷やす

特に夏場など、温度が高い部屋に長時間いると、日射病や熱射病になってしまいます。日射病や熱射病に気づいたときは、病院に連れていく前に、とにかく体を冷やすことが第一です。直接水につけるか流水をかける、あるいは氷をあてたり、水で濡らしたタオルで体を包むなどして体を冷やします。

応急処置により、呼吸が落ち着いてきたら、それから病院へ連れていきます。病院に運ぶ際も、濡れタオルで体を冷やしながら運ぶことがポイントです。

日射病・熱射病のときは、次のような症状が見られます。

  • ぐったりしている。
  • 口の中が赤紫色になっている。
  • よだれを垂らす。
  • 呼吸が乱れている。
  • 意識がない。

寒いところに放置し、凍傷や低体温になってしまったとき

猫は寒いところが苦手ですが、冬場などそんな状態の場所に長時間置かれると、凍傷や低体温を引き起こします。

重症になると、眠ったまま起きなくなることもあり、かなり危険です。意識があっても、耳の先やしっぽの先は凍傷になりやすく、悪化すると壊死を起こし、切断しなければならないこともあります。凍傷や低体温の症状に気づいたら、お湯で患部をあたためたり、毛布でくるんであたためながら、すぐに病院に連れていきましょう。

やけどは冷やしてガーゼでガード

凍傷や低体温と同じく、冬場に起こりやすい事故の一つがやけどです。やかんやストーブなどで、思わぬ事故が起こることがあります。もし熱湯をかぶるなど、やけどを起こした場合は、すぐに患部を冷やしましょう。流水で15秒ほど冷やすか、猫が嫌がるようであれば氷のうなどを使って冷やします。氷のうの場合は10分~20分は冷やし続けましょう。

その後、清潔なガーゼで患部を覆って二次感染を防ぎながら、猫を病院へ連れていきます。もし意識がないほどのやけどの場合は、冷やしながらそのまま病院へ連れていってください。

中毒や誤食誤飲など、その他の応急処置について

特定できないときはすぐに病院へ

猫のケガや事故は玉ねぎなど食べてはいけないものを食べて中毒症状を起こした場合や、誤飲誤食などを起こすなどのシチュエーションも考えられます。他にも、猫が起こしやすいトラブルについて応急処置をいくつかご紹介します。

中毒や誤食誤飲は飲んだものがわかれば吐かせる

玉ねぎやチョコレートを食べた、観葉植物を間違って食べたなど、中毒や誤食誤飲の原因がわかっている事故の場合は、塩を使って吐かせるという応急処置ができます。他にも、モノが詰まって窒息している場合は、口を大きく開けて異物を取り除くか、逆さにしてゆすります。

ただし、化学薬品を飲んだ場合や、何を食べたかわからないで苦しんでいるときは、原因と思われるものをもって、そのまま病院へ行く方がいくようにしましょう。特に、泡を吹いたり、嘔吐やひきつけを起こしているときは、早急に診察を受けることが重要です。

塩を使って吐かせる方法は次の通りです。

  1. 体重4~5㎏あたりティースプーンいっぱい程度の塩を口に直接入れる。
  2. 10分経っても変化がなければもう一度試す。

お尻から糸が出ているときは無理に引っ張らない

誤食誤飲で、紐などを猫が飲み込んでしまい、それがそのままお尻から出てくることがあります。もしそんな状況になったら、次の方法をとってみてください。

  • そっと紐を引っ張ってみる。するっと出てくるようならそのまま出す。
  • 少しでも抵抗を感じたら引っ張るのをやめ、病院へ連れていく。

無理に引っ張ると、腸を傷つける恐れがあります。少しでもひっかかるようであれば、そのまま猫を病院へ連れていきましょう。

けいれん発作の場合は落ち着くのを待つ

猫によっては、突然けいれん発作を起こすというトラブルも考えられます。ただ、けいれんは数分で症状が治まることが多いため、慌てず見守ることが第一です。下手に大声を出したり、慌ててゆすったりする方が症状を重くすることもあるからです。

症状が落ち着くのを待って、病院へ行きましょう。発作の原因がてんかんや脳腫瘍などの場合、再び発作を起こすこともあるので、注意深く見守ることが大切です。

粘着テープに猫が引っ付いてしまったとき

ガムテープやネズミ捕り、ハエ取り紙など、粘着テープに猫があやまってひっついてしまうという事故も起こることがあります。べたべたして、猫が暴れるほどに余計に引っ付いてしまって厄介なトラブルですが、食用油を使うことによりべたべたを取り除くことができます。

猫がケガをしたらできる限りの応急処置を

猫用救急箱を用意して臨機応変に対処しよう

猫がケガや事故を起こしたときは、病院に連れていく前にできる限りの応急処置が大切です。出血が見られれば水で洗い流したり、意識がなければ人工呼吸や心臓マッサージができるようにしておきましょう。熱中症の場合はとにかく冷やすことが大切です。

ただし、中には中毒や誤飲誤食などのように、状況によっては原因がわからないこともあります。交通事故の場合は内臓破裂が起こっているかもしれません。そんな時は無理に処置しようとせず、速やかに病院へ連れていきましょう。

家の中でも事故は起こる可能性があります。そのため、いざというときのために、猫用の救急箱を用意しておく、というのも有効な手段です。

猫がケガや事故などのトラブルを起こした時の応急処置について

  • 出血を見つけたら水で洗い流し、消毒やエリザベスカラーで保護をする。出血がひどいときは止血が必要だが、出血が耳や鼻からの場合は何もせず病院へ行こう。
  • 骨折しているのがわかったら、毛布などでくるんで病院へ連れていく。添え木ができるようであればしておく。
  • おぼれたときは逆さにして水を吐かせる。意識がなく、呼吸や心臓が止まっている場合は人工呼吸や心臓マッサージをする。
  • 感電したときはまずコンセントを抜く、熱中症ややけどはとにかく冷やす。凍傷や低体温に気づいたときは温めながらすぐに病院へ行こう。
  • 中毒や誤飲誤食に気づいたら、原因がわかっていれば塩を使って吐かせる方法が有効。ただし薬物や原因がわかっていないときは何もしない方がベター。けいれんを起こしたときは発作が治まるのを待ってから病院へ連れていこう。

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