ペットショップに行くと、パッケージも値段もさまざまなドッグフードが並んでいます。どうせなら犬にとって安全なものを選びたい、と思われる飼い主の方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、ドッグフードを選ぶときにチェックしたいことや、危険がありそうなもの、注意したいことなどについて調べてみました。
数あるドッグフードから安全そうなものを選ぶポイント
安全なのはどんな種類?避けた方がいいパッケージとは
ドッグフードも使われている材料や品質などによって、種類が分かれます。人によっては、外装が選ぶ際のポイントになるかもしれませんね。まずは種類やパッケージから、比較的安全性の高そうなものについて見ていきましょう。
レギュラーフードとプレミアムフード
一般的にドッグフードは、レギュラーフードと呼ばれる普及品、プレミアムフードと呼ばれる上級品とで分けられます。プレミアムフードは「AAFCO(Association of American Feed Control Officials:米国飼料検査官協会)」の審査をクリアしたものである場合が多いです。
「プレミアム」というイメージは、レギュラーフードに比べると少し値段が高めで、比較的品質を重視したドッグフードが多い、と考える程度でよいでしょう。最近はレギュラーフードでも、品質にこだわって作られたものもあるため、一概にプレミアムがいいとは言い切れないからです。さらに、全てのプレミアムフードがこの審査をクリアしているもの、というわけではありません。
パッケージの文言に注意
もしパッケージに、「AAFCO承認(あるいは合格、認定など)」と書かれている場合は信頼性が低いので注意しましょう。というのは、AAFCOはあくまで「栄養基準の指針を提供する団体」なので、プレミアムドッグフードの合格、不合格を判断することはないからです。だから「合否」を表す表示をしているものは、信頼できない「不当表示」と考えましょう。
ビニール製、密封できるパッケージを選ぼう
ドッグフードが入っているパッケージは、ビニール製のものに入っているものもあれば、紙袋タイプのものもありますが、できればビニール製のパッケージのものを選びましょう。繰り返し密封できるチャック付きのものだとさらに安心です。当たり前の話ですが、ドッグフードも食べ物だからです。紙袋だと湿気たり、長期間置いておくとカビが生えることもあります。
紙袋なのに長持ちするドッグフードは変?
通常ドッグフードは、油分が配合されているため酸化しやすい傾向にあります。そのため、空気を通しやすい紙袋では、本来は長期間保存できないはずです。紙袋で賞味期限が長いということは、防腐剤や酸化防止剤などが大量に入っている証拠かも、とも考えられます。もちろん、違うかもしれません。でも、あくまで可能性があると思えば、紙袋タイプのドッグフードは、避けた方が無難です。
半生タイプに注意
ドッグフードの状態には、ドライタイプや半生タイプ、ウェットタイプなどの種類があります。ドライタイプのドッグフードを選ばれる方も多いですが、最近は半生タイプのものもたくさん売られています。半生タイプは、水分量が25~35%程度で、製造工程に乾燥を加えたソフトドライフードと、乾燥を加えないセミモイストフードとに分かれます。
値段が少し割高になるものの、食べやすそうで良さそうにも思えます。ですが、半生タイプも防かび剤などの添加物や、湿潤調整剤が加えられていることが多いので注意が必要です。普通ならドライタイプより水分量が多いので、短期間でカビが生えてもおかしくないですが、恐らくそんなことはないですよね。だからそれだけ、添加物が加えられていると判断することもできます。
安全性を見分けるチェックポイント
購入前は冷静になって判断しよう
ドッグフードには、「必須記載項目」と呼ばれる項目がいくつかあります。種類やパッケージ以外に、この項目が記載されているかどうかも、安全性を見分けるポイントになります。添加物についても、安全か危険かは、原材料をチェックすることで判断することができます。安いとついつい手が出てしまいますが、値段が品質に関係していることもあります。購入する前はぜひ、冷静になってこうしたポイントをチェックしてみてください。
ペットフードの必須記載項目
パッケージで確認したい必須記載項目は次の通りです。これに加えて、「AAFCO(米国飼料検査官協会)」の基準をクリアしたことが書かれていれば、比較的安心できるドッグフードと考えられます。
- ドッグフードであるという旨
- ペットフードの目的
- 内容量
- 給与方式
- 賞味期限(あるいは製造年月日)
- 配合されている成分
- 原材料名
- 原産国名
- 事業者名(あるいは名称やその住所)
こうした記載事項を、細かく書いてあるドッグフードの方が安心です。反対に、何か省略されているものがあれば注意しましょう。例えば原材料で「○○等」「○○他」などと記載されているときです。添加物は怖いですが、記載されていなければ、どんな合成添加物が入れられているかこちらではわかりません。
できるだけ天然の保存料が使用されたものを選ぼう
保存料も、なるべく天然由来のもの(ハーブなど)が使われているものを選ぶ方が、安全性が高いです。エトキシキンやBHA、BHT、亜硝酸ナトリウムや、発色剤、着色料、香料など発がんリスクのあるものはなるべく避けましょう。原産国についても同じことで、詳細が記載されていないものは、国産と表示されていても全てが国内で作られたものとは限りません。原材料の段階で加工されてしまえば、どう作られたか、不安な面があります。
賞味期限が長いものに注意
記載事項を確認した時、賞味期限が極端に長いものも安全性に疑問があります。中には2年くらい保存できるというものもありますが、裏返せばたっぷり防腐剤が入っていると考えられます。
極端に値段に安いものは注意!
ドッグフードも毎日のことなので、なるべく値段を抑えたいという方も多いはず。ですが、極端に安いものは、安全ではない可能性が高い、と思った方が良さそうです。安い、ということはそれだけメーカーもコストを抑えています。だから、使う原料も、通常では考えられないようなものが入っていることがあります。
粗悪なドッグフードに入っているかもしれないものとは
粗悪なドッグフードの場合、人用では使われない「4Dミート」と呼ばれる最低ランクの肉や、廃棄予定の「肉副産物(骨、内臓、便が入ったままの腸など)」を加工して使っていることがあります。表記上は「肉」になるので、ドッグフードになってしまえば私たちではわかりません。
他にも、抗生物質や農薬、アレルゲン物質となるようなものが含まれているケースもあります。たとえ表記がプレミアムフードであっても、あまりにも安いものは疑った方がよいです。できれば最初から手を出さないようにしましょう。
安全なドッグフード選びは飼い主の目利き次第
見た目にだまされず見極めよう
ドッグフード売り場に行けば、魅力的なキャッチフレーズや、おいしそうなパッケージに目移りします。ですが、見かけにだまされて変なものを飼ってしまったら最悪です。愛犬に安全なものを食べさせてあげられるかどうかは、飼い主の腕にかかっているのかもしれません。
愛犬に合うものをその都度用意しよう
飼い主は「これなら安全!」と思っても、犬の体には合わないこともあります。もしドッグフードを食べて、愛犬に次のような症状が出たら、ドッグフードを違うものに変えましょう。
- 食欲がない、あるいは食べない
- 下痢
- アレルギーが出る
アレルゲン材料に注意
ドッグフードには、小麦粉が使われていることがあります。小麦粉を始め、トウモロコシや脱脂大豆などの穀類が、犬がアレルギーを起こしやすい食材と言われています。穀類は、吸収されやすいものであれば、問題ありませんが、小麦、トウモロコシ、脱脂大豆などは低品質で消化吸収が悪いため、アレルゲンになりやすいのです。
原材料をチェックするときに注目したいポイント
ドッグフードを選ぶために、原材料をチェックするときは、小麦粉などの材料が、一番最初や、はじめの方に書かれていたら注意しましょう。なぜなら原材料は、一番多く含まれているものから順番で記載されるからです。つまり、最初の方にあればあるほど、含まれている分量が多く、アレルギーなどのリスクも高まるということです。
中には、トウモロコシを「トウモロコシ」と「コーングルテンミール(コーングルテンフィード)」など、分けて記載し、記載順位を下げているケースもあるので注意しましょう。できればドッグフードは、犬にとって一番必要なたんぱく質(肉類)が一番目に表示されているものを選ぶのがおすすめです。
手作りも一つの手段
残念ながら今のところ、「100%安全・安心」といえるドッグフードを見つけることは難しいです。だから、余裕のある方は自分で毎日、ご飯を手作りしてあげることも一つの方法です。手作りする場合は、バランスと味付けに注意して、作ってあげてください。
安全のため、愛犬のドッグフード選びは慎重に
見た目や値段に踊らされずしっかり吟味しよう
ドッグフードには、さまざまな種類があり、品質もピンからキリまでです。100%安全、というドッグフードを見つけることは難しいため、本当は余裕があれば、飼い主が手作りしてあげるのが一番安全なのかもしれません。とはいえ、なかなか毎日作るのは大変、という方も多いはず。だから、市販のもので、できるだけ安全なドッグフードを与えるために、見た目や値段で判断せず、原材料など細かいところまでチェックすることが大切です。
チェックする際は、必須記載項目が抜けているのはもちろん、省略されたり、不自然な表示があったら、危険かもしれないと疑ってみましょう。犬によっては、アレルギーを起こすこともあります。飼い主が「これなら大丈夫だろう」と思って与えたドッグフードでも、様子がおかしかったら違うドッグフードに変えるなど、その都度調整していきましょう。
安全なドッグフード選びのポイント
- レギュラーフードとプレミアムフードがあり、プレミアムの方が比較的品質が高め。ただし、プレミアムでも「AAFCO認定(合格・承認)」などと記載されているものには注意。
- パッケージが紙袋タイプのものや、賞味期限が不自然に長いもの、あるいは半生タイプのドッグフードは、保存料などがたくさん使われている可能性がある。
- 安全性を見分けるには、まずパッケージの必要記載事項を確認する。そこで変に省略されていたり、添加物がたくさん使われているもの、よくわからないものが入っているときはやめておくのがベスト。
- 極端に値段が安いものも、何かしら理由があると考えよう。中には普通は食べないような原材料が使われているケースもあるので注意。
- 小麦など、犬のアレルギーが出やすい原材料が入っているものは注意を。体調に異常が出た場合はすぐに違うものへ変えよう。