最愛の猫を亡くした後、悲しみから立ち直れずペットロスに陥ってしまう可能性は、誰にでもあります。今回は、ペットロスから起こるペットロス症候群の後遺症や、立ち直るための方法について見ていきましょう。
ペットロス症候群とは?
猫を愛している人であれば誰にでも起こりうる病気
ペットロスは、ペットを亡くした飼い主に起こる、身体的・精神的ダメージのことです。そして、ダメージが具体的な後遺症として症状が表れることを、ペットロス症候群といいます。ペットロス症候群はさまざまな症状を伴い、6ヵ月以上と長期間にわたって症状が続くこともあります。
ペットロス症候群による身体的症状
ペットロス症候群によって引き起こされる身体的症状には、次のようなことがあげられます。
- 不眠など睡眠障害一例
- めまい
- 頭痛
- 吐き気
- 胃潰瘍
- 摂食障害
ペットロス症候群による精神的症状の一例
身体的症状だけでなく、精神的な後遺症が出る場合もあります。症状の一例は次の通りです。
- 疲労感や無気力
- 焦燥感
- 幻聴
- 情緒不安定
- うつ病、パニック障害
1ヵ月以上不調が続くようならカウンセリングを受けよう
症状の程度には個人差があり、体にも心にも不調が出る場合や、どちらか一方だけの場合などさまざまありますが、体の不調が1ヵ月以上続く場合は一度病院を受診しましょう。カウンセリングが必要な状態の可能性もあるからです。
もし、精神科や心療内科に行くのは足が重い、と感じられる方は、愛猫がお世話になったかかりつけの獣医に話を聞いてもらうのも一つです。最近は、動物病院でもペットロス症候群の克服に力を入れているところもあるので、紹介してもらえる場合もあります。
愛猫を亡くしペットロスを感じたときの対処法
一人で頑張らず、周りに頼ろう
昔に比べると、猫の存在はより家族に近く、飼い主の愛情や絆も深くなってきています。そのため、愛猫を亡くしたあとペットロスになる可能性は、飼い主であれば誰にでも起こりうる問題です。
もし、ペットロスになったときは、自分を責めたり、ひとりで克服しようと頑張らないことが大切です。無理に忘れようとせず、辛いときこそ、周りをたくさん頼りましょう。それが気持ちの回復への近道へとつながるはずです。
思いっきり話を聞いてもらおう
ペットロスの対処法の一つが、自分の気持ちを吐き出すことです。猫の飼い主仲間や、猫好きの人に話を聞いてもらいましょう。
もし、周りに話をする人が見つからないときは、インターネットを利用するのも一つの方法です。インターネットを検索すると、ペットロスに悩んでいる人達同士で、ペットロス症候群を克服しようと語り合うサイトも見つかるはずです。自分と同じような境遇の人と気持ちを共有することで、癒されたり、支えになることもあるのではないでしょうか。
思いっきり泣こう
毎日一緒に過ごしてきた愛猫を亡くす悲しみは、とても大きいものです。辛い気持ち、悲しい気持ちを我慢して、無理やり涙をこらえたり感情にフタをすると、かえって体の不調を招きやすくなります。そうならないためにも、愛猫を亡くした時は我慢せず、思い切り泣きましょう。それがペットロスから立ち直るきっかけにもなることもあります。
思い切って休もう
ペットロス症候群の一つに疲労感や無気力といった症状がありますが、人によっては激しく落ち込んで、食事がのどを通らなくなる場合もあります。そんなときは、思い切って仕事や学校を休むのも一つです。まずは体を休めて、ゆっくり愛猫の死に向き合っていきましょう。
ペットロスから立ち直るきっかけを作ろう
自分なりの区切りをつける方法を見つけよう
泣きたいだけ泣いて、気持ちを吐き出せたら自分なりに区切りを見つけることも大事です。それがペットロスから立ち直るきっかけになるかもしれません。
区切りをつける方法は人それぞれです。愛猫の思い出の品や写真を整理したり、お墓参りをする、あるいは愛猫をかたどったぬいぐるみを作ってそばに置いたり、遺品を身に着けるなど、自分自身に合った方法を見つけましょう。他にもいくつかきっかけになりそうな方法をご紹介します。
新しく猫を飼うなど猫に触れ合う機会を作る
荒療治かもしれませんが、新しく猫を飼うことはペットロスから立ち直るきっかけになりやすい方法です。「新しい猫を飼ったらあの子がかわいそう」、「他の猫で代わりにはできない」と思う方もいるかもしれませんが、猫は飼い主がいつまでも泣いている方が悲しいかもしれないし、飼い主には笑顔で、幸せでいてほしいと思っていると考えることもできます。
もちろん無理に新しい猫を飼う必要はありません。選択肢の一つとして考えてみてください。
また、新しい猫を飼わずとも、猫に触れ合う機会を作ることは気持ちの切り替えにつながる可能性があります。近所の猫でもいいですし、猫を保護しているボランティア団体に参加してみることで気分が変わることもあります。
猫に手紙を書く
ペットロスから立ち直るきっかけには、猫への気持ちを手紙に書いて区切りをつける方法もあります。国内には、『漂流郵便局』とよばれる、届け先の分からない手紙を受け付けてくれる郵便局があります。宛名を「漂流郵便局留め」にしておけば、宛先不明の存在に届くまで、漂流私書箱に手紙を預かってもらうことができます。
他にも、「日本ペットロス協会」という団体でも愛猫への手紙を受け取ってもらうことができます。日本ペットロス協会では、差し出した手紙を協会側が受け取り、深刻なペットロス症候群の後遺症があると判断された場合は、カウンセラーや心療内科の紹介をしてもらえる場合もあります。
運動や旅行などでリフレッシュする
気持ちの切り替えに運動も効果的です。適度な運動は心身のリフレッシュにつながります。他にも思い切って旅行に行ったり、おいしいものを食べにいくことで気分転換になります。
愛猫を亡くしてペットロスになったときは、思い切り泣いて周りに頼ろう
思う存分悲しんだあとは、ペットロスから立ち直れるきっかけを見つけよう
愛猫を亡くすことは、毎日の癒しや愛情を注ぐ相手がいなくなるということです。そんな大事な存在がいなくなれば、悲しくて寂しくてペットロスに陥ることは自然なことです。
症状はさまざまですが、ペットロス症候群の後遺症は誰にでも起こりうることです。ただし、もしも1ヵ月以上ペットロス症候群の症状が続く場合は、病院を受診しましょう。
ペットロスになったときは、恥ずかしいとかみっともないと思わず、思う存分泣いて、周りの人に話を聞いてもらいましょう。そして、話したいだけ話し、泣くだけ泣いたあとは、自分の中で区切りをつけられそうなきっかけを見つけることが大切です。
愛猫は亡くなり、姿かたちは見えなくなりますが、そばにいて見守っていてくれるはずです。飼い主として愛猫のことを忘れる必要はありません。ですが、飼い主が立ち直り、元気で幸せに暮らしてくれることが、猫にとっても一番の幸せではないでしょうか。
愛猫を亡くした際のペットロスで起こりうる症状と立ち直るための対処法
- ペットロスは飼っていた猫などペットを亡くした際に起こる身体的・精神的ダメージ。
- ペットロスはペットロス症候群と呼ばれ、具体的な後遺症には頭痛、不眠、吐き気といった身体的症状や、無気力、うつ、摂食障害といった精神的症状などがある。
- ペットロス症候群の後遺症が1ヵ月以上続く場合は、カウンセリングなど病院を受診しよう。
- もし猫を亡くしたときは思う存分泣き、人に話を聞いてもらい、疲れたら休み、自分の感情にフタをしないことが症状を悪化させないために大切。
- ペットロスから立ち直るには、自分の中で区切りをつける方法を見つけることも大切。猫に触れる機会を持ったり、新しく迎え入れたり、気分転換をするなど、自分なりの解決方法を見つけよう。