子犬、子猫の飼い方や様々なペットのためのポータルサイト

わんにゃんペットの森

猫の弔い方を考える

モノクロ猫弔い方

猫を飼うということは、亡くしたときの弔い方も考えておく必要があります。ある程度事前に決めておくことで慌てることなく、愛猫の旅立ちをしっかり見送ることもできるはずです。今回は、どのような弔い方があるのかについてご紹介します。

猫を弔う前にすること

最後にきれいにしてあげよう

猫が亡くなったら、埋葬する前に人間と同じように体を清めて棺に入れてあげましょう。

体を拭い、清める

猫が自宅で亡くなった場合は、まず体を清めてあげましょう。もしノミがいた場合は、体をタオルやシーツなどで包み、ノミを移します。それから濡れタオルで体を拭いてあげてください。

体を拭くことで毛並みが整います。目が開いているようであれば、閉じてあげてください。手足は胸の方へ折り曲げます。手足が伸びたまま硬直してしまうと、箱の中に納まりきらなくなるかもしれないからです。

体が拭えたら、きれいなタオルやシーツの上に寝かせるか、体をくるみ、棺の中に入れます。

棺は、特別なものでなくとも、段ボールやプラスチックボックスで構いません。亡くなった体からは、体液が染み出し、棺を汚すこともあるので、バスタオルや新聞紙、ペットシートなどを敷いておく方が安心です。夏場であれば、ドライアイスや氷、保冷剤なども用意しましょう。他にも大き目の袋が必要になることがあります。

ただし、土葬する場合はプラスチック製品やペットシートなどを入れると分解が遅れるため、タオルなどで体を包むだけにしましょう。

なるべく涼しい場所に安置する

埋葬するまでは、涼しい場所で安置してあげてください。血流が止まった体は、微生物が繁殖し、腐敗が始まるからです。直射日光が当たらない、涼しい場所に安置するか、夏場などは、クーラーの効いた部屋か、ドライアイスで頭部や腹部を冷やしてあげましょう。ただし、冷やしても48時間程度が限界で、それ以降から腐敗が始まるといわれています。

もし、どうしても安置する場所が家の中にない場合は、ペット霊園に相談してみてください。一時的に預かってもらえる場合があります。他にも、動物病院で猫が亡くなった場合は、獣医に相談してみるのもいいでしょう。

最後のお別れをする

猫をどのように埋葬するかはそれぞれですが、埋葬するまでの時間が最後のお別れの時間です。また、お通夜をしてお線香をあげたり遺影を飾るなどして、今までの感謝を込めて最後の時間を一緒に過ごしてあげるのもいいでしょう。

猫を自宅の庭で土葬し弔う

やがて土に還り、自然となって見守ってくれる

自宅や所有している山林などがあれば、穴を掘り、埋葬するという手段があります。いわゆる土葬です。土葬は、やがて土に還り、植物や昆虫を育むことにもつながります。猫の体はなくなりますが、私たちを守る自然となって、常にそばに感じることができるはずです。ただし、土葬する場合はいくつか注意が必要です。

猫を公共の場に埋葬することは犯罪

当然のことですが、自宅や所有地以外の敷地に猫を埋葬することはできません。例えば公園などの公共の場に埋葬することは、犯罪ですので絶対にやめましょう。この後、紹介する自治体かペット霊園を利用して、埋葬するようにしてください。

猫が伝染病によって亡くなった場合は土葬を避けること

猫が亡くなった原因が伝染病の場合も、衛生面の問題があるため、土葬は避けましょう。伝染病で亡くなった場合は、自治体かペット霊園を利用して埋葬してください。

穴の深さと、一緒に埋葬するものに注意

猫を土葬する場合は、穴の深さにも注意する必要があります。深さが足りないと野生のカラスやタヌキなどの動物にお墓を荒らされる可能性があるのと、腐敗臭が漂い近所迷惑になる危険性があります。そのため、最低でも50㎝~1m以上と深く穴を掘ることが大切です。目安としては、浅広くて猫がすっぽり埋まるより、広くなくても深めの穴がいいと言われています。

また埋葬する際、猫を入れる棺にはビニール袋やプラスチックケース、金属類(缶など)を使わないでください。分解出来ずにいつまでも土に還ることができなくなります。棺以外にも、愛猫が大好きだったおもちゃなど、分解されない、もしくは分解に時間がかかる素材の物は一緒に埋葬しないようにしましょう。

亡くなった猫を自治体に引き取ってもらう

対応は自治体によって異なるため、まずは問い合わせしよう

自宅に庭がない場合や、埋葬できるような所有地がない場合は、自治体で引き取ってもらうという方法もあります。どのような埋葬方法が取られるか、まずは問い合わせをすることが第一です。

多くの場合は契約している寺院での火葬

多くの自治体では、契約している寺院やペット霊園があり、そこでの火葬という弔い方を取っています。他にも、自治体自身がペット専用の火葬施設を備えているケースもあります。

「有料ごみ」として分類されるケースもあるので要注意

一部の自治体では、ペットの引き取りを要請した場合、「有料ごみ」という分類に扱われるケースもあるようです。愛猫の最期をどう扱うかは飼い主自身に任せられていますが、きちんと供養をしたいと考えている場合は、自治体に引き取りを依頼する際、十分に確認しましょう。

費用などは自治体で異なる

引き取りにかかる費用は自治体によって異なります。そのため問い合わせをした際、どのような埋葬方法になるかということと料金については確認するようにしてください。

ペット霊園で猫のお葬式をあげる

様々な弔い方が提案されている

自治体以外にも火葬できる方法として、ペット霊園に依頼するという方法があります。ペット霊園は民間の業者ということで、さまざまな弔い方が提案されるのが特徴です。

一般的なペット霊園の葬儀の種類について

大切な愛猫の最期を人間同様に送り出したい、と考える方も多く、猫を弔う形としてペット霊園が利用されるケースは増加傾向にあります。そして、葬儀の内容も仏教、洋風とさまざまな形が用意されています。一般的な葬儀の種類は次の通りです。

葬儀の形式 内容
合同葬 他のペットたちと一緒に読経などの葬儀が行われ、その後火葬される。合同で弔われるため、個別に遺骨を引き取ることはできない。火葬に立ち会えないケースも多く、遺骨はそのまま霊園の共同墓地や、合同供養塔に納骨、埋葬される。合同墓には、自分の猫の名前が書かれた卒塔婆が建てられたり、定期的に合同慰霊祭が行われることもある。依頼時は、直接施設へ赴く他、業者に預け、そのまま埋葬を一任することもできる。
個別葬 読経などの葬儀が終わった後、亡くなったペットを個別に火葬する方法。火葬の立ち合いやお骨上げはできないが、返骨が可能なため、骨壺に入れて持ち帰ることができる。単独で個別の墓に納骨・埋葬することも可能。
立ち会い葬 個別葬に立ち会う形式。火葬後にお骨上げをすることができる。遺骨の納骨・埋葬、あるいは返骨も可能。霊園によっては、お坊さんの読経を依頼することもできる。

お骨上げは、火葬後の骨を二人一組になって骨壺に入れていく儀式です。また、返骨というのは、骨壺に入れた自分のペットの遺骨を、自宅へと戻してもらうことを言います。

葬儀の形式は他にも、ペット霊園の業者が自宅まで出向き、人間と同じような葬儀を執り行ってくれる「自宅葬」が可能な場合もあります。自宅葬の場合は、読経などの葬儀を行った後、そのまま移動火葬炉にて火葬し、ほとんどの場合はお骨上げをすることができます。

ペット霊園の葬儀にかかる費用の目安

依頼する業者によって葬儀の費用も異なりますが、一般的な目安は次の通りです。
葬儀の料金はペット霊園によって様々ですが、一般的に下記が目安になりそうです。

葬儀の形式 費用
合同葬 10,000~20,000円程度
個別葬 30,000円前後
立ち会い葬 個別葬の費用+5,000円程度

ペット霊園に依頼する際の注意点

ペット霊園の中には、高額な費用を要求するような悪質な業者がまぎれていることもあるようです。そのため依頼する際は、次の点に注意するようにしましょう。

  • 一つの業者だけでなく複数の業者に見積もりを取る。
  • 事前にいくらになるかを確認し、書面で残しておく。
  • おかしなオプション料金がないかどうかも確認する。

さらに、自宅葬を希望する場合は、移動火葬車についてもよく確認しておきましょう。最近では無煙・無臭の他、ダイオキシンの発生がないような環境に配慮したものもあるので、チェックしてみてください。

ペット霊園に依頼するメリット

複数ある選択肢から、納得いく弔い方を選べる

猫が亡くなってペット霊園に依頼する場合、飼い主たち家族が納得できる弔い方を選べる、というメリットがあります。例えば次のような選択肢があります。

  • 火葬に立ち会いたいか
  • お骨上げをしたいか
  • 返骨をしたいか
  • 納骨堂へ納骨するか、ペット霊園内の墓地に埋葬するか
  • 自然散骨するか
  • 手元供養を行うか

葬儀の形式を選べることから、火葬に立ち会うかどうかや、お骨上げ、返骨を希望するかの選択肢が生まれます。さらに、埋葬方法についても、返骨してもらえば自宅でゆっくり供養をすることができますし、納骨堂や墓地、自然散骨といった方法も選べます。

納骨堂というのは、ペット霊園などに併設されている施設で、骨壺を安置する場所のことです。霊園によって、合同であったり、個別に設けられていたり、はたまたコインロッカー式になっていたり、棚タイプのものもあります。契約も永代供養の場合や、年単位になっているケースなど様々です。

さらに、ペット霊園の墓地に埋葬する場合も、一般墓地の中にペット専用区画が設けられていることがあります。

その他、自然散骨は、名前の通り遺骨を自然の中にまくことで、自分で行ってもいいですし、代行業者に委託することもできます。

自然散骨とは?その種類と注意点

自然散骨はさまざまな方法がありますが、一般的によく行われるのは次の方法です。

形式 内容
山葬儀 山に散骨する弔い方。
樹木葬 樹木の苗とともに墓地内に埋葬する弔い方。
海洋葬 海に散骨する弔い方。

遺骨を自然にまくことは、常識の範囲内であれば特別な許可も必要なく、法律に触れることもありません。ですが、散骨の際、次のような行為は絶対にしてはいけませんので注意しましょう。

  • 遺骨は第三者が見ても骨とわからないように、砂粒より細かく砕くこと
  • 自分の土地であっても、近隣住民に迷惑がかかる行為はしないこと
  • 他人の私有地に無断で散骨しないこと
  • 農耕地や養殖地への散骨はしないこと
  • 散骨するときに喪服を着ない
  • お供え物をしないこと

他にも、自治体によって特別な条例が設けられていることがあります。散骨する場合は、事前によく確認してから行いましょう。

手元供養とは?

猫をペット霊園で弔う場合、選択肢の一つに、手元供養もあります。手元供養というのは、「自宅供養」とも言い、納骨や埋葬をしないかわりに、遺骨を自宅で保管する供養の仕方をいいます。

手元供養の種類には一般的に「納骨型供養」と「加工型供養」とがあります。それぞれ次のような供養の方法になります。

形式 内容
納骨型供養 猫などペットの遺骨(あるいは遺灰)の一部を細かく砕き、ペンダントなどに入れて身に着けられるようにする方法やオブジェの中に遺骨を納めインテリアとしても使えるようにする方法がある。
加工型供養 火葬後の遺骨(あるいは遺灰)から炭素などを抽出して合成ダイヤモンドを作ったり、遺骨を釉の一部に使用して陶器を作るなどの方法。

手元供養は、何かに加工して常にそばに置いておけるようにする供養の仕方、と考えることができます。

さまざまな選択肢の中から猫の弔い方を考える

お金ではなく、弔う気持ちを第一に考えよう

猫の弔い方については、以前は土に埋葬する方法が基本的でした。ですが、現在はペット霊園の存在により、多様な方法を選択することができます。

どんな方法を選ぶかは飼い主次第で、決まったものはありません。ただし、どの方法で弔うにしても、お墓のあるなしや、お金をかけた葬儀を行うかどうかを第一に考えないでください。大切なのは猫を思う気持ちです。埋葬したあとも、折に触れて思い出すことが、猫にとっては最大の弔いになるはずです。

猫が亡くなった際の葬儀の方法や弔い方の種類について

  • 猫が亡くなった際は、まず体を清めて棺に入れてあげよう。葬儀まで、暑い時期は体を冷やして腐敗の進行を遅らせることも忘れずに。
  • 自宅の庭や、所有する土地がある場合は土を掘り土葬することができるが、穴の深さや一緒にいれるものなどには注意をしよう。
  • 自治体で火葬してもらえる場合もあるので、費用や方法については問い合わせてみよう。
  • ペット霊園に依頼する場合は、葬儀の形式や埋葬方法について多種多様な選択肢がある。ただし中には悪徳業者がいたり、埋葬方法について注意しなければならないこともある。
  • どの弔い方を選択するかは飼い主次第だが、猫を弔い、折に触れて思い出すことを何よりも大切にしよう。

PAGE TOP