猫が好きな人は、猫が遠くで歩いている姿はもちろん、お店に並んでいる猫グッズに目が止まってしまうと思いますが、かわいい猫が主役の映画も見たくなるのではないでしょうか。動いている猫たちを見るのは、実写でもアニメでも心躍るはず。今回は、猫好きの方に人気がある映画について調べてみました。
猫好きが楽しめる王道映画からアニメまで
みんなで楽しめるエンターテイメント
まずは「猫映画といえば」というお題で、誰もが知っているような王道の映画や、みんなで楽しめそうなエンターテイメント溢れる映画を集めてみました。
『こねこ』監督:イワン・ポポフ/パンドラ(配給協力:映像文化振興会=IVC=ビームエンタテインメント)/1996年公開
モスクワを舞台に、音楽家の一家である「クズネツォフ家」にもらわれたこねこの「チグラーシャ」。ある日、チグラーシャはちょっとしたアクシデントにより、家から遠く離れた都会で迷子になってしまいます。たくさんの猫たちに助けられて、再び家族の元へ帰るまでの、チグラーシャの冒険が描かれた心温まる作品。文部科学省認定の映画にもなっています。
「とにかく猫がかわいい!」とたくさん出てくる猫たちの姿と、CGを一切使わず自然体の映像に癒されること間違いなし、と太鼓判を押される映画です。
『キャッツ&ドッグス』監督:ローレンス・ガターマン/ワーナー・ブラザース/2001年公開
分かりやすい「犬VS猫」の構図で、子どもから大人まで楽しめる本作。物語のあらすじは、人間用の抗犬アレルギー薬の開発を行っているブロディー教授を守るため、派遣された「エージェント犬」が、人間が犬好きになると困る!と考える「猫」に誘拐されて・・・猫と犬が、それぞれ「世界征服」をもくろみ、様々な企みやバトルを起こすエンターテイメント。
ありえない!と思われる内容でも、アクションやCGを駆使して作られているので、ついつい多くの方が見入ってしまいます。ただ、残念なことにこの映画では、猫が「ヒール役」なので、猫好きとしてはそこがちょっと悔しい・・・かもしれませんね。
『猫の恩返し』監督:森田宏幸/東宝/2002年公開
柊あおい氏による『バロン 猫の男爵』を原作として描かれた、スタジオジブリの一作品です。同ジブリ作品の一つ、『耳をすませば』の主人公・月島雫が書いた物語からなるスピンオフ作品でもあるため、ご存じの方も多いかもしれないですね。
物語は、普通の女子高生・吉岡ハルが、トラックにひかれそうになった一匹の猫を助けるところから始まります。実はその猫が、猫の国の王子・ルーンだったことで、ハルは不思議な猫の国へと迷い込むことになり・・・ジブリならではの柔らかい雰囲気の登場人物や、流れるような動きには、ついつい目が奪われてしまいます。
本作のキャッチコピー“猫になっても、いいんじゃないッ?”の通り、見ている側もそんな風に思えるような、猫、猫、猫のアニメは、何度見ても楽しく、また年齢を重ねるごとに見方も変わってくる一作です。
休日にのんびり見たい人気の猫映画
人と猫との触れ合い、仕事に疲れたときに見ると癒されるかも
次にご紹介するのは、人(主に男性)と猫との出会いや絆が描かれている映画です。「ちょっと疲れたな」というときや、「休みだし、自宅でのんびり映画を見ようかな」というときにおすすめです。原作やテレビドラマから映画化されたものも多くあり、両方を楽しむのもいいかもしれませんね。
『猫なんかよんでもこない。』監督:山本透/東京テアトル/2015年公開
杉作氏による同名の実話コミックを映画化した作品です。元々「犬派」の冴えないボクサー「ミツオ」の元へやってきた、2匹の猫との日常が、淡々と描かれた作品です。最初は、猫たちと嫌々ながらも一緒に暮らしていたが、次第に変わっていくミツオ・・・そして猫たちのかわいい姿をたっぷり楽しむことができる作品です。
『キミとボク』監督:窪田崇/アーク・フィルムズ/2011年公開
元々はマルチクリエイター・やまがらしげとの実体験を元に製作された、Flashアニメーションが原作。本作はその実写版です。中村蒼演じる漫画家志望「青年」は、ある七夕の日にアメリカンショートヘアの「銀王号」と出会います。ふたりが心を通わせ、家族になっていくまでの様子、そして出会いから別れまでの10年間の軌跡が描かれています。
『ネコナデ』監督:亀井亨/AMGエンタテインメント/2008年公開
大杉連演じる、一流企業の人事部長・鬼塚太郎は、冷酷な社長の元でリストラを断行し、自分はもちろん、職場の社員や家族にも甘えることを許さない厳しい人間。そんなある日、ふと立ち寄った公園で鬼塚は捨てられている子猫を見つけ、その愛らしい瞳に見つめられてこっそり家に連れ帰ることに。しかし、鬼塚はいつも周囲に厳しく接している手前、家族にも打ち明けることができません。そこで、会社の研究用施設で子猫を飼い始めて・・・という物語。
皆から「怖い」と恐れられている人間が、小さな子猫に振り回される姿が、なんともほのぼのとした雰囲気の作品です。そして鬼塚ならずとも、子猫のかわいさに悶絶しそうです。
『ねこタクシー』監督:亀井亨/AMGエンタテインメント/2010年公開
原作は永森裕二氏の同名小説で、最初はテレビドラマだったものの劇場版です。間瀬垣勤(カンニング竹山)は40歳の元中学校教師。人づきあいが苦手で、現在はタクシーの運転手をしています。とはいえ、そのタクシー業もなかなかうまくいかず、家族からも冷たい目で見られて肩身の狭い思いをしていました。そんなある日、お昼ご飯を食べようと腰を下ろした公園で、『御子神』と名前の書かれている首輪をつけた一匹の三毛猫と出会い・・・落ち込んだ時に見たくなる、ほっこりする映画です。
また、同監督・スタッフによる『くろねこルーシー』は黒猫好きの方にぜひおすすめしたい映画の一つです。こちらも元々はテレビドラマだったものが映画化され、2012年に公開されています。
『猫侍』監督:山口義高/AMGエンタテインメント/2014年公開
『くろねこルーシー』は黒猫派におすすめの作品である一方、白猫好きの人におすすめしたい映画がこちらです。「猫侍」という名の通り、物語は幕末、「人斬り」と恐れられた剣士・班目久太郎(北村一輝)を主人公とする時代劇です。ある日久太郎は、仕事の依頼から“飼い主を骨抜きにする魔性の猫”を斬ることになります。その猫が住む屋敷に踏み込んだ久太郎が目にしたものは・・・愛らしい猫を見て主人公が次第に変化していく様子を楽しめるコメディ映画です。
とにかく猫に癒されたい!そんなときにおすすめの映画
たっぷり出てくる猫に癒される
物語はもちろんのこと、猫好きならその姿をとにかく楽しみたい、癒されたいという人も多いはず。そこで、たくさん猫が登場する映画や、ドキュメンタリーで描かれた映画をいくつかご紹介します。
『レンタネコ』監督:荻上直子/スールキートス/2011年公開
『かもめ食堂』のメガホンも取った荻上監督が贈る、猫を通じて出会った人々の織りなす物語が描かれた作品です。「レンタネコ」というのは、不思議な女性「サヨコ」が営む、“猫を貸すことにふさわしい条件が揃っている人に、猫との出会いを手伝う仕事”のことです。「レンタネコ」を利用するのは、単身赴任中で一人暮らしの男性や、愛猫を亡くしたばかりの老夫婦など、寂しい感情を抱えている人たちです。
それぞれの事情があって飼うことができない人のために、猫を貸し出すというシステムで、一見、猫をレンタルするだけかと思いきや、気に入ればそのまま引き取ることも可能なので、里親探しのような役割も果たしています。全部で17匹の猫が登場する本作は、さすが監督自身も「猫好き」というだけあり、なんとなく作品全体も「猫」っぽく、忙しい日々はちょっと横に置いておいて、のんびり気ままに過ごそうと思わせてくれる内容です。
『ネコを探して』監督:ミリアム・トネロット/ツイン/2009年公開
フランスの女性ドキュメンタリー作家である本作の監督が、世界中の猫と人間との関係性を、猫の視点から描いた映画です。日本でも有名な、和歌山県のローカル線で人気のネコ駅長・たまや、アメリカ・ミネソタ州で宿泊客をもてなしているネコのジンジャーなど、ユニークな猫たちがたくさん登場します。
『にゃんこ THE MOVIEシリーズ』監督:松本武/フジテレビ/2006年~
現在、同シリーズ5まで公開されている、フジテレビの朝の情報番組である「めざましテレビ」のスタッフが手がけている、「めざましムービー」シリーズの一つです。全国各地にいる猫と人との触れ合いの物語が、オムニバス形式で撮影されているドキュメンタリー。ほのぼのとして、時にはハンカチが必要となる、猫がたっぷり詰まっている作品です。
猫のかわいい姿に癒されること必至
息抜きをしたいときにも猫映画がおすすめ
今回ご紹介したのは猫にまつわる人気作品のほんの一部で、まだまだ数多くの「猫」映画は存在します。ただ、どの作品にも共通しているのは「とにかく猫がかわいい」ということです。猫好き、というフィルター抜きにしても、かわいらしい猫の姿には心癒されます。
また、猫が持つ雰囲気や性格があるからこそ、ほどよく力が抜けた物語も多いように感じられます。仕事や家事に毎日一生懸命奔走されている方も、「ちょっと疲れたな」というときは、休日などちょっと息抜きがてら、ご紹介した映画をご覧になってみてはいかがでしょうか。もちろん、どんな映画が面白いと思うか、その好みは人それぞれではありますが、とにもかくにも猫たちの愛らしい姿を堪能するだけでも楽しむことができます。