散歩中、気を付けたいことの一つに犬の拾い食い癖があります。道路や草むらなどには、ときに心無い人によって、毒物が仕込まれていることもあります。ニオイを嗅ぐだけならまだしも、もし舐めたり拾い食いをすると大変なことになるかもしれません。
犬は興味を持ったものに対して、気の赴くまま行動することが多いです。だから飼い主の方が気を付けてあげなければなりません。拾い食い癖があるようであれば、何か対策を取り、万が一にも犬にとって、毒となるものを摂取しないように注意しましょう。
毒物散布のケースや症状とは
何か口をもごもごさせていたら注意しよう
拾い食い癖がある犬を飼う家族にとって、毒物がまかれたりすると大変です。そこで、特に散歩中、どんなところを注意したらいいか、毒物散布のケースや、その症状などについて見て行きましょう。
考えられる毒物の散布の仕方は?
毒物がまかれる場合、主に次のような手段がとられることが多いようです。
- 食べ物に混入
- 草むらに隠す
- そのままの状態でまかれる
このような手段で毒物が散布された場合、散歩をしていて何かの拍子に犬が口に入れたり、なめたりする可能性があります。特に、飼い主から見えづらい草むらの中や、茂みに顔を突っ込んだときはなるべく早くその場から引っ張りましょう。そしてもし、何か口をもごもごしているようであれば注意してください。
毒物だとどのような症状が出やすい?
もしも毒物を摂取した場合、次のような症状が出る可能性があります。散歩中に気づいたときや、家に帰って来てから様子がおかしいようであれば、すぐに病院へ連れていきましょう。
- 下痢
- 嘔吐
- 元気がなく、苦しそうにしている
- 出血
- 意識障害
- 腎臓や肝臓、肺など内臓障害
軽度であれば、下痢や嘔吐などだけで済む場合もありますが、殺鼠剤などを食べた場合は異常な出血を起こしたり、肺障害を起こすこともあります。
毒物を摂取した場合、どんな治療がとられる?
何が毒になったかは、病院に行っても分かるまでに時間を要することが多くあります。また、解毒薬があるものも、種類が限られています。そのため、食べてから時間が経っていなければ吐かせることもできますが、多くの場合は点滴などで少しでも毒を排出するスピードを上げる、という治療が取られます。
犬の散歩のときは生えている草にも注意
意外と犬にとって毒物になるケースがある
故意にまかれた毒物も怖いですが、そこに普通に生えている植物や草が、犬にとって毒になることもあります。散歩中は何気なく生えているものも、犬が食べないかどうか注意してみておきましょう。また、もし草を食べているのを見つけたときは、「何かの病気かも」とその理由を疑ってみてください。
犬が草を食べる理由
犬は時折、草を食べることがあります。その理由は大きく分けて2つあるそうです。
- 好きで食べるとき
- 胸やけを解消したいとき
犬によっては、草を好きで食べることがあります。ですが、本来肉食の犬は、草を食べてもほとんどは消化できません。そのため、特に体に問題ない草であっても、食べさせない方が無難です。注意したいのは、胸やけを解消したくて食べているときです。この場合、胃炎など体のトラブルを治そうとして、食べることがあります。
症状を見て病院へ連れていこう
散歩以外のときでも、もし、草を食べて嘔吐しているのを見つけたら、注意して様子を観察しましょう。回数が多いときや、草を食べる以外に食欲がなくなったり、下痢をするなどの症状が見られたら、胃炎以外の病気という可能性もあります。胸やけを起こす病気は他にもたくさんあり、放っておくと重症になる場合もあるので油断できません。
道端の草が毒になることもある
草は元々犬の体に合わない食べ物です。中には食べると胃腸を悪くするような相性の悪い草もあります。草むらなどは、雑草の種類も多く、何が毒になるかわかりません。さらに、住宅地や市街地も、安心とは限りません。場所によっては、除草剤がまかれていることがあるからです。大量に摂取しない限りは、除草剤で命まで取られることはありませんが、それでも危険なことには変わりありません。
犬の毒物摂取を避けるためにできる散歩での対策は?
避けられることは避け、飼い方の見直しをして予防しよう
犬が毒物を摂取してからでは遅いので、散歩のとき、危険を避けられることはなるべく対策をとりましょう。それと同時に、自分たちの犬の飼い方についても、見直してみることも大切です。もしかしたら知らず知らずのうちに、飼い方や、犬に対して不満を持たれているケースも考えられるからです。
それでなくとも、今の世の中、動物を虐待することに悦びを感じるような愉快犯と呼ばれる人も、いないわけではありません。自分たち家族の飼い方や、犬の性格・行動に問題ないか見直しつつ、散歩中犬を危険な目に遭わせないよう、注意できることは気を付けることが重要です。
散歩のときのリードは短め、夜間はライトを
犬を危険から遠ざけるには、まず自分の近くを歩かせることが一番です。それでも引っ張り癖がある犬も多いので、「ツイテ」をしつけつつ、リードを短めにして、できるだけ犬をコントロールできるようにしておきましょう。また、夜間散歩に出る場合は、人でさえ目の前が見えづらいことがあります。だからライトで周囲を照らし、危険なものがあれば、早めに気付けるようにしておきましょう。
草むらは避け、癖が強ければかみつき防止マスクも取り入れよう
散歩ルートで草むらを通ることはなるべく避けるようにしましょう。毒物の心配だけでなく、ノミやダニといった問題も避けることにも有効だからです。特に夜間は、近くを通る場合草むらの奥まで犬が入り込まないよう、コントロールするのが大事です。
もし、犬があまりに拾い食いの癖が強いようであれば、「嚙みつき防止マスク」を使うのも有効です。マスクは、1,000円前後で販売されています。見た目にはかっこ悪いですが、犬のためには仕方ありません。嚙みつき防止マスクを選ぶ際は、呼吸はしやすいものの、口は半開きにしかならないタイプのものを選ぶのがおすすめです。
散歩中、こんなことをしていないか見直してみよう
自分では問題がないと思っていても、周囲の人を不快な気持ちにさせていることはあります。犬の散歩でも、知らず知らずそうした迷惑行為を働いていて、それがきっかけで人から恨みを買う可能性もあります。もちろん、世の中そんな人ばかりではありません。ただ、万が一に備えて、常に行動を見直すことは大切です。
- 犬のフンや尿の処理をちゃんとしているかどうか
- 人に危害を加えていないか
- 人のものを壊していないか
- 騒音、悪臭の対策はとっているか
犬の散歩中の拾い食いは何が毒になるかわからない
予防第一!少しでも様子がおかしいときはすぐに病院へ
家の外に出る散歩は、犬にとって楽しい反面、何が起こるか分かりません。ちょっと気になって口に入れたものが毒物である可能性もあるからです。拾い食いの癖がある犬の場合、特に要注意です。危険を少しでも減らすには、リードを短く持つ、夜間は周囲がよく照らせるライトを持ち歩くなど、できる予防をしておきましょう。さらに、「ツイテ」ができるよう、訓練することも必要です。
それでも拾い食いの癖が強い犬には、嚙みつき防止マスクを代用して、余計なものを食べさせないようにするのも一つの手段です。散歩ルートでは、草むらなどを避けた方が無難ですが、だからといって住宅街や市街地が安全とも限りません。毒物を摂取した場合、嘔吐などの症状が表れます。少しでも異変を感じたら、できるだけ早く病院へ連れていってあげてください。
散歩中の拾い食いが危険な理由、毒物を食べたときの対処方法
- 犬の拾い食いはさせないことが第一。リードは短く、夜間はライトを携帯しよう。拾い食いの癖が強い犬には嚙みつき防止マスクを活用するのも方法の一つ。
- 食べても問題ない草もあるが、毒となる場合もある。草むらや茂みは雑草の数も多く、どれが毒となるかわからない上、毒物が散布されている可能性もあって危険。できれば避けよう。
- 草を食べる場合、体調不良から食べることもあるので、胸やけと簡単に判断しないことが大切。おかしな症状が見られたら、病院へ連れていこう。