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愛犬のケガや事故に備えて応急処置の仕方を知っておこう

犬の足裏

犬を飼っていれば、何かしらのケガや事故はつきものです。今回はそんなときのための応急処置についてご紹介します。いざという時、ちょっとでもその場で処置ができれば、その分ケガの治りが早くなる可能性があります。愛犬のためにも、よくあるケガの応急処置について、知っておきましょう。

犬のお手入れ中にケガをさせたとき

焦ったときこそ冷静な対応を

時には、お手入れのつもりがケガをさせてしまうこともあります。よく起こりやすいケガは次のとおりです。ケガの具合によっては出血することもあり、焦りますが、なるべく落ち着いて対応することが大切です。

爪切りから出血したときの応急処置

犬の爪は、伸びすぎると運動をしている最中に折れることがあります。伸びすぎているのを見逃すと、爪のトラブルも多く起こります。伸びすぎを防止するためにも爪切りは定期的にしなければなりません。でも、時には切りすぎて出血することもあります。

  1. どの爪が折れたか確認する。
  2. 折れた爪の部分を上からティッシュかガーゼなどをかぶせて、手でギュッと握りしめる。
  3. 2~3分様子を見て、出血が落ち着いたらOK

どの爪が折れたのか確認するときは、毛や出血の加減で、分かりにくいこともあります。慌てずに対応しましょう。そして、止血できるまで強めにギュッと握りしめることがポイントです。また、こうしたケガを防ぐためには、手元が見えづらい夜の爪切りは避けた方が無難です。

毛玉を切ろうとして出血した場合の処置方法

犬の耳やワキの下、お尻付近は毛玉ができやすい箇所です。それをハサミで切ろうとして間違えて皮膚を傷つけた、というケガもよくあります。あるいは、散歩中などに尖ったものに体があたって皮膚が傷つくこともあります。そのときは、次の方法で応急処置を行いましょう。

  1. 家庭用消毒液をドボドボかける。ここで大きなゴミは除去する。
  2. 乾燥防止に大きな絆創膏などでカバーする。
  3. 病院へ連れていく。

ハサミで皮膚を傷つけた場合、出血が少ないことや出ない場合もあり、そのままにしておく人もいます。ですが、切り口によっては、すぐに縫ったほうが治りが早いこともあるので、応急処置をしたら病院で診てもらうのが一番です。ただし、乾いたり、化膿したりすると治りが遅くなるので、処置をしたらすぐに連れていくことがポイントです。

軟膏はつけない方が無難

軟膏をつけるとかえって治りが遅くなります。消毒したら、ばんそうこうで乾燥を防ぐだけにしましょう。ケガを防ぐ方法として、毛玉を取るときハサミではなく、バリカンを使う方が安全でおすすめです。

ひどい出血の場合の応急処置

お手入れに限りませんが、何らかの原因で、ひどい出血をしてしまった場合は、とにかく止血が第一です。心臓から運ばれる血を止められれば、出血もおさまります。次のような方法で止血しましょう。

  1. 傷よりも、少し心臓に近い部分をタオルなどで強くしばる。包帯や、手ぬぐいでもOK。
  2. 巻いたあと、その内側に棒を入れて少しねじると、より強力にしばることができる。
  3. 血が止まったら、病院へ連れていく。

愛犬の予期せぬ事故!そのときできる応急処置

家の中でも油断できない

家の中であろうと、いつケガをするか分かりません。予期せぬ愛犬の事故に対して、できる応急処置があればすぐに対処しましょう。

やけど

人間と同じように、犬もやけどをした場合、範囲が広ければ広いほどショック症状がでやすく、危険です。また、やけどをすると、皮膚を守ってくれるバリアが失われ、感染症などにもかかりやすくなります。やけどの原因は大きく分けて2通りが考えられますが、どちらの場合もできるだけ早く病院へ連れていってあげましょう。

  • 熱湯など、直接熱いものを触った場合
  • 化学物質、薬品などをかぶってしまった場合
熱いものをかぶってやけどしたとき

もし熱湯などの熱いものを直接かぶってしまったときは、とにかくすぐに冷やすことが重要です。熱湯が、被毛に含まれて長時間そのままだと、よりひどい状態になりやすいからです。水をかけることを嫌がるようであれば、氷のうなどで冷やしましょう。やけどが広範囲であれば、清潔なガーゼなどで覆ってから、すぐに病院へ行きます。薬などを塗るのは悪化の原因になりやすいのでやめましょう。

化学物質や薬品によるやけどのとき

化学物質や薬品をかぶってしまったときは、可能であれば、石けんや犬用シャンプーで何度も洗うと、大体の化学物質を落とせます。ですが、この場合のやけどは、皮膚が真っ赤になって、犬自身も痛がります。そのため、嫌がることも多いので、そのときは無理せずそのまま病院に連れていきましょう。

意識障害

病気や事故など、何かの拍子で犬が意識を失う可能性があります。そんなときにできる応急処置も覚えておきましょう。

  1. 呼吸があるか確認する。呼吸によって、胸(肺)が膨らむかどうかをチェックする。
  2. 息をしていない場合、気道がふさがっているようであれば、舌を引っ張りだして固定する。
  3. 自分で呼吸ができず、息が止まっている場合は、すぐに病院へ連れていく。この場合、人工呼吸を行う。

注意したいのは、呼吸の有無を確認するとき、胸を圧迫しないことです。状態によっては、圧迫することが、より危険な状態へ導く可能性もあるからです。また、病院へ運ぶ際も急ブレーキ・急発進は犬の体に負担をかけることが多いため、なるべくスムーズな運転を心がけましょう。

犬の人工呼吸の方法は、次の通りです。

  1. 犬を横向きに寝かせて、口を完全に手で覆う。
  2. 3秒ほどかけて、鼻の穴から強く息を吹き込む。あまり強く吹き込まず、抵抗を感じるところまでで止める。
  3. 1分ほど時間を見て、呼吸が再開するかを観察し、再開しないときはもう一度息を吹き込む。

熱中症

気温の上がり始める6月頃から、犬は熱中症の危険が出てきます。暑い時期は、昼間の散歩を避けたり、車の中の放置を避けるとともに、部屋の温度管理にも気を付けなければなりません。それでももし、熱中症の状態になったときは、まず涼しい場所へ避難させ、冷水シャワーを体にかけ、体温を下げましょう。このとき、毛だけでなく、皮膚まで水が届くように十分に濡らします。20~30分ほど続けてください。

もし出来ない場合は、バケツや浴槽などに水をため、頭以外の部分を同じように20~30ほどつけます。その後も、氷のうで冷やしつつ、速やかに病院へ連れていきましょう。これは、日射病にかかったときも同様です。ただし、状態によっては動かさない方がいい場合もあります。獣医に連絡し、指示を受けながら対処するようにしてください。

誤食や誤飲、毒のあるものを口に入れたときの応急処置

犬によっては、間違って食べてはいけないものを口に入れることがあります。誤食した場合や、毒のあるものを食べて中毒症状が出ている場合の応急処置の方法や、ものを詰まらせたときの対処方法についても知っておきましょう。

誤食したとき

食べてはいけないものを誤食した時は、すぐに気づいたときや、吐き出せるもののときは、吐き出させましょう。飲み込んだものを吐き出させたいときは、食塩を舌の上に置くと、数分で飲み込んだものを吐き出すことができます。食塩の分量は、体重10㎏に対し5~20gと言われています。

もし、飲み込んだものが食道に詰まっているようであれば、後ろ足を両手で持ってぶら下げ、上下させて吐き出させます。家族がいれば、一人が犬の背中を強く叩いてあげるとより効果的です。持ち上げられない大型犬の場合は、横向きに寝かせて、背中に手をあてグッと押します。

とがったものを飲み込んだ時は無理に吐かせない方がいいことも

肉や魚の骨のような、とがったものを飲み込んだ場合は無理に吐き出させると危険なこともあります。または、すでに胃から腸に行ってしまった場合は、吐き出させることはできません。処置ができそうになければ、無理に吐き出させようとせず、すぐに病院へ連れていきましょう。

そして、もし吐き出したとしても、念のため病院にはかかってください。吐き出したときに食道を傷つけていないかなど、確認する必要があるからです。

ご飯を詰まらせたとき

犬によっては、ご飯を詰まらせることもあります。その場合は、奥に押し込んだ方が効果的となることもあります。詰まっているものが見えたら、先の丸い棒状のもので、食道を傷つけないよう注意して、押し込みましょう。

毒になるものを口に入れたとき

犬にとって毒になるものは、食べ物以外に植物やモノなど、たくさんあります。もしそんなものを口に入れて中毒症状を起こした場合は、まず動物病院へ連絡しましょう。毒物の種類によって、処置方法が異なるからです。そして獣医に何を口に入れたかを話して指示を仰いでください。

相談し、応急処置できることがあればすませてから、毒物の名前をメモするか、容器ごと持って病院へ連れていきましょう。

犬の散歩中に事故が起こったときの応急処置

小さな傷に見えても放っておかないことが大切

家の外へ散歩に出かけたときも、ケガをすることはあります。もしかしたら交通事故にあうかもしれませんし、犬同士でケンカをするかもしれません。場合によっては、応急処置をしないですぐに病院へ行く方がいい場合がありますが、できる応急処置はしておきましょう。もし小さな傷に見えても、念のため処置しておく方が安心です。

骨折したとき

愛犬が交通事故に遭い、骨折した場合は、その部分を添え木してから病院へ行きましょう。骨折した部分は触らないようにして、ダンボール、雑誌などを利用して軽く縛り、平らな板や段ボールを担架代わりにして運びます。このとき、もし骨が突き出してしまっていたら、傷口を消毒液で消毒し、清潔なガーゼでおおってから添え木をしましょう。出血がひどいときは、止血を行います。

助けるときは咬まれないよう注意

助けるとき気を付けたいのが、犬に咬まれることです。痛みや本能などから、飼い主であっても嚙みついてくることがあります。そのため、助けるときは自分の手を布や衣類で保護してから手を出すようにしましょう。もし、犬の意識がない場合は、無理に人工呼吸や心臓マッサージをしない方がベターです。内臓にダメージが加わっている場合、悪化することがあるからです。それよりは酸素室へ早く入れるよう、病院へ急ぎましょう。

異常が見当たらなくても病院へ

事故に遭った後、特に異常がなさそうに見えた場合にも、念のため病院へ連れていくようにして下さい。これも、見た目には表れていないだけで、内臓がダメージを受けていることがあるからです。

ねんざ

骨折ほどではないものの、散歩中ねんざをすることもあります。その場合は、人間と同じように、まずは氷のうなどで冷やしましょう。それから包帯を巻いて圧迫し、安静にさせます。

噛み傷や目を傷つけたときはすぐに病院へ

散歩をしているとき何かにぶつかったり、犬同士のケンカで目が傷ついたときは、すぐに病院へ連れていくようにしましょう。これは状態によって、処置方法が異なるので、下手に応急処置をしない方がいいからです。しかも目は血管ではなく、水によって機能が働いているので、一度傷つけると治りが遅く、他の部位とは違う処置方法が採られることもあります。

ただ、シーズーなど、目が飛び出している犬種の場合、ケンカなどで興奮したり、ぶつかったりした場合、眼球が外へ飛び出す(脱出)することがあります。そのときは、やわらかいタオルを水につけてから目を押さえつつ、すみやかに病院へ行きましょう。

犬同士のケンカでケガをしたとき

犬同士がけんかをして、相手の犬に愛犬がかまれたときも、すぐに病院へ連れていきましょう。傷が小さく見えても、動物の牙は意外と深く食い込んでいて、傷が深いことが多いからです。口の中には細菌がたくさんいますし、それが傷から侵入します。放っておくと、雑菌が繁殖し、数日して傷がふさがっても体の中は化膿している、といった状態になることもあります。

下手をしたら内臓へ達するなどの大事になる可能性もあるので、油断できません。手足の小さな傷であれば、翌朝でもいい場合がありますが、基本的には傷の程度が分からない時は夜間でもすぐに病院で診てもらう方が安心です。

愛犬がケガをしたときは、できる応急処置をしてすぐ病院へ

ケガをさせない環境づくりも心がけよう

何かの拍子に愛犬がケガや事故を起こしたときは、どんなに軽そうに見えても、とにかく病院へ連れていくことが大切です。そして、その場でできる応急処置があればすることで、その後の治りが早くなる可能性が高くなります。ただ、自分では判断に困る場合は、獣医の指示を仰いだり、下手に手を出さずにすぐに病院へ行くようにしましょう。

ケガや事故は予測できないものとはいえ、なるべく起こらないよう家の中を整理整頓したり、散歩ルートも気を付ける必要があります。

愛犬がケガや事故を起こしたときにできる応急処置とは

  • お手入れの際に出血したら、焦らず落ち着いて止血しよう。範囲が広い場合はガーゼなどで乾燥を防いで病院へ連れていこう。
  • やけどや熱中症の場合は冷やすのが先決。ただし化学物質などをかぶってしまったときは、洗い流すか、すぐに病院へ。
  • 意識がなくなったときは、呼吸の確認をしよう。ただし交通事故の際は、余計ダメージを与えることもあるので、触らない方がいい場合もある。
  • 誤食した場合、中毒症状が出ているのであればすぐに病院へ連絡を。そうでなければ、吐き出せるものは食塩を使ったり、体をぶら下げるなどして吐き出させよう。ただしご飯は押し込んだ方が効果的な場合もある。
  • 事故で骨折した場合は添え木をしてから病院へ連れていこう。犬同士のケンカでケガをしたときは、見た目が大したことなさそうでも念のため獣医に診てもらうことが大事。

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