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愛犬の急な転倒はてんかんや心臓発作が原因かも

目をつぶった犬

犬が急に転倒する、というのは、てんかんや心臓発作が原因の可能性があります。もしそうだとしたら、放っておくと命に関わることもあり危険です。今回は、犬がてんかんや、心臓発作を起こしたときの症状や、原因などについてご紹介します。

犬のてんかん発作の原因と症状

突然転倒し、数分後意識が戻ることが多い

てんかんは、脳の中にある神経細胞が、何かのきっかけでショートすることが原因で起こります。てんかんが起こると、何の前触れもなく転倒し、意識を失います。そうかと思うと、数分後には立ち上がり、何事もなかったかのように振る舞うことが多いため、飼い主としても不安を感じることが多い病気です。

心臓発作も似たような症状が起こりますが、てんかんの場合は24時間以内にもう一度症状が起こるとされています。

犬のてんかんの種類

構造性てんかん

犬のてんかんには、「構造性」と呼ばれるものと、「特発性」と呼ばれる種類があります。そのうち構造性てんかんは、さらにいくつかのパターンに種類分けされます。その原因や症状は次の通りです。

種類 状態 症状
焦点性てんかん発作 脳内のショートが、一部で発生した状態。 顔のけいれん、リズミカルな瞬きや四肢の動き、繰り返し頭をつき出す、大量のよだれ、瞳孔が開く、嘔吐する、落ち着きがなくなる、不安がったり怖がったりするなどの症状がみられる。
全般性てんかん発作 脳内のショートが、右脳・左脳に関わらず脳の広い領域で発生した状態。 犬のてんかんに一番多い症状で、筋肉が収縮したままになる(強直性発作)、収縮と弛緩を繰り返す(間代性発作)などがある。ただし、一番多いのは、強直性発作と間代性発作が組み合わさった状態(強直間代性発作)になり、筋肉の突っ張りからけいれんへと移行するケースが多い。その他にも、突然筋肉が弛緩して動かなくなる(弛緩発作)などの症状があらわれることがある。
てんかん発作の発展 一部分で起こったてんかん発作が、脳全体へと広がった状態。 焦点性てんかん発作から全般性てんかん発作へと進行した状態になることもある。

特発性てんかん

特発性てんかんの場合は、遺伝が関係していると考えられています。特発性かどうかは、病院で診断を受け判断されますが、遺伝かどうかは、特定されるケースとされないケースがあります。主に、「遺伝性によるてんかん」、「遺伝性が疑われるてんかん」とに分けられますが、脳機能に問題がなく遺伝性が見られないときは「原因不明のてんかん」と判断されます。

犬種によっては、てんかんを起こしやすい種類もあるようです。例えば、ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバー、ミニチュアダックス、ビーグル、シベリアンハスキー、アイリッシュセッターなどがその傾向があると言われています。

てんかんに似た症状に注意

同じように転倒しても、てんかんではなく「てんかんに似た症状」であることもあります。大きく違うのは、転換は24時間以内に再度発作が起こることです。てんかんに似た症状でも、低血糖などの血液に異常がある場合や、腎臓疾患や肝臓疾患からくるもの、あるいは中毒症状というケースや、睡眠不足で倒れることもあります。

他にも、体の震えを起こす他の疾患や、加齢が関係していることもあります。どの原因なのかを知るためにも、一度でも転倒を起こしたときは、病院で診察を受けることをおすすめします。

てんかん発作が起こった場合の対処方法

てんかん発作の原因になるもの

犬のてんかん発作の原因は、興奮や怒り、あるいは恐怖や動揺などが引き金になることがあります。そのため、一度でも発作が起こったことがあるなら、普段からあまり刺激を与えないよう注意する必要があります。

どのような症状が起こりやすいか

犬が転倒し、発作を起こした場合、発作が起こっている最中は、けいれんや、失禁、泡を吹くなどの症状が見られます。軽度であれば30秒から数分ほどで発作は治まり、何事もなかったかのように振る舞うこともあるでしょう。ただし、30分以上発作が続くような重度の場合は「てんかん重積」と判断されます。

この場合強いけいれんから、体に熱が溜まり、ひどい場合はそのまま命を落としたり、そうでなくとも障害が残る可能性があります。10分を経過した時点で発作が治まらない時は、速やかにかかりつけの獣医へ相談しましょう。

てんかんが起こった場合は病院へ

犬がてんかんかどうか分からなくても、もし倒れたら、夜間であっても病院へ連れていくことが重要です。初期の段階であれば、投薬などの治療によって、発作を防げる可能性も高くなります。反対に、治療が遅れればその分症状も進行しやすくなります。

てんかん発作だと分かった場合は、体に手を添えてあげる程度で見守りましょう。慌てて体をさすったり、ぶるぶる揺らしたりすると、かえって神経が興奮し、発作を長引かせる原因になることがあります。手足をバタバタしている場合は、無理に押さえないようにしましょう。

犬の体が熱くなっていれば水で冷やす

病院へ連れていくまでに、犬の体が熱くなっているようであれば、水シャワーなどによって冷やしましょう。ワキ、内股、おなかなどを冷やすと効果的です。ただし、顔にはかけないよう注意してください。

犬の心臓発作の原因と症状

ばたっと倒れたり、急に座り込むことが多い

心臓発作が起こると、ばたっと倒れて動かなくなる、普通にしていたのに急に座り込む、などの症状が見られます。どういった原因で起こるのか、気を付けたいことなどを見ていきましょう。

心臓発作の原因となりやすい犬

心臓発作の原因

心臓発作を起こすタイミングは、運動や興奮したときが引き金になりやすい傾向があります。発作が軽度であれば、心拍が戻ればすぐに立ち上がることもあります。見た目には低血圧や貧血、めまい、脱力などの症状が見られます。心臓発作のような症状が見られた場合は、すぐに病院へ連れていきましょう。重度になれば、そのまま命を失う可能性も高くなるからです。

犬種によって発作が起こりやすい場合もある

犬の中でも、中型犬以上の大きさの犬種の場合、心臓病になりやすい傾向があると言われています。

シニア犬は心臓病になりやすい

加齢も心臓病の一因になることがあります。犬が年齢を重ねるとともに、心臓の動きも弱まるからです。そのため、シニア犬になるほど、心臓病のリスクは高まります。犬の年齢が大きくなってきたら、発作を起こしやすくするような、興奮させることや、急に走ったりするようなことは避けましょう。

子犬の場合は先天性の心臓病かも

犬によっては、先天性心疾患を持って生まれることもあります。先天性心疾患を持っている場合は、最初の予防接種で見つかることが多くあります。特に異常を言われなくても、他の犬に比べて成長が遅い、元気がないなどの様子が見られたら、一度検査を受けられることをおすすめします。先天性心疾患を持っている犬は、他の犬に比べて「かわいすぎる」ことが多いようです。

心臓発作かどうか見極めるポイントと対処方法

唇をめくって歯茎をチェック

心臓発作のときは、貧血のような症状が出るので、犬が急に転倒したときは、唇をめくって歯茎の色をチェックしてみてください。通常は赤っぽい色をしていますが、発作が起こったときは白っぽい色に変わります。もちろん、歯茎の色が変わりないように思っても、心臓発作以外の原因があるかもしれませんので、念のため獣医には診てもらうようにしましょう。

心臓発作が起こったときの対処方法

軽度の心臓発作を起こしたときは、とにかく安静にすることが一番です。手足をバタバタさせることもありますが、発作時に痛みを伴うことはほとんどありません。ただ、症状が進行し、重度になった場合は、失神したまま起きない可能性もあります。残念ながら、それは起こるべくして起こることと捉えることしかできません。

動きに変化が現れたら健診で心臓を見てもらおう

年齢が若い犬でも、最近動きが弱々しい、鈍いなどと感じた場合は、病院で健診を受けられることをおすすめします。もしかしたら心臓の機能が低下しているかもしれません。軽い心臓発作の段階であれば、立ちくらみをしただけのように見えることも多いです。そのまま放置しないよう、注意しましょう。

愛犬が転倒したら、まずはてんかんか心臓発作を疑おう

すぐに立ち上がっても念のため病院へ連れていこう

愛犬が急に転倒した場合は、何らかの発作を起こしたと考えられます。発作が起こった原因の中で、一番可能性が高いのが、てんかんや心臓発作です。てんかんも心臓の発作も、軽度であれば数秒から数分後には何事もなかったかのように振る舞ったり、発作が起こらないときは、いたって普通の状態であることが多くあります。だからこそ、発作が起こったときを見逃さないようにしなければなりません。

てんかん発作も心臓発作も、軽度のときに治療を始めれば、症状の進行を抑えることができます。反対に、放っておくと、一気に命を落とすリスクは高まります。心臓発作の場合は、加齢とともにある程度は致し方ない部分も出てきますが、なるべく健康で長生きしてもらうためにも、常に気を配っておきたいですね。

犬のてんかん、心臓発作の原因と対処方法

  • てんかんは脳内で神経細胞のショートが起こった状態。いきなり転倒し、けいれんなどの症状を引き起こすが、30秒から数分程度経つと何事もなかったかのように振る舞うことが多い。
  • 重度の「てんかん重積」になると命の危険もある。夜間でも病院へ連れていくことが大切。その際体が熱くなっていたら水で冷やす。
  • 心臓発作は運動や興奮が引き金になりやすい。見た目には貧血などのように見えることがあるので、倒れたときは歯茎の色をチェックしてみよう。
  • 先天的なものや、加齢で心臓病になりやすいが、年齢が若くても「おかしい」と思ったら病院へ行こう。重度の発作は即死にもつながり、危険。
  • 転倒、数秒でも気を失う、あるいはフラッとしたなどの症状が見られたら、てんかん発作や心臓発作を疑い、病院で診察を受けよう。

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