子犬、子猫の飼い方や様々なペットのためのポータルサイト

わんにゃんペットの森

便や尿で愛犬の体調不良を見極めるためのチェックポイント

片足を持ち上げる犬

犬が体調不良かどうかを知る上で、便や尿は定期的にチェックしたいポイントです。胃腸や腎臓、泌尿器系に異常があれば、多くの場合は、尿や便に異変が現れるからです。今回は、愛犬の便や尿を見たときチェックしたいポイントや、注意したい病気などについてご紹介します。

便から分かる愛犬の体調不良とは

硬さや色をチェックして体調不良を見極める

犬の便をチェックするときに注目したいのは、硬さや色です。体調によって、さまざまな状態へと変化しやすいので、注意して観察しましょう。

通常の便と下痢との違い

人間と同じように、犬も下痢をすることがあります。下痢かどうかを判断する基準は次の通りです。

状態

固体状。地面にくっつかず、指でつかんでも形が崩れないほどの、ほどよい硬さがある状態。

固体~ドロ状。便の形はあるものの、地面に近い部分は崩れていて、取ろうとすると下の部分は少し地面に残る状態。

ドロ状~液状。取ろうとしても地面に残る状態。

便
通常便
軟便
下痢

チェック!便から分かる体調不良

愛犬の便の色や状態に、次のような症状が出ているときは、体調不良の疑いがあります。チェックしたいポイントをまとめました。

状態・色

腸で何かしらのトラブルが起こっている。

便秘の可能性あり。あるいは水分不足や、腸内で長く留まっていた場合に起こりやすい。

下痢・便秘両方で見られる症状。もしかしたら大腸に腫瘍ができていることもあり得る。

下痢・便秘両方で見られる症状。もしかしたら大腸に腫瘍ができていることもあり得る。

下痢気味で水分が多いときよく見られる。引き伸ばされて便が薄く見えているケースが多い。あるいは胆汁が十分出ていないケースもあり得る。

胃から小腸にかけての消化器官の上流に、出血があると推測される。鉄分豊富な食べ物を与えた時も起こることがある。

大腸から肛門にかけての消化器官の下流で出血が起こったと推測される。

食べ物を変えたときに起こりやすい。

便
下痢
便が硬すぎる。
便を出すのに時間がかかる
便を出すのに時間がかかる
色が薄い
色が黒い
色が真っ赤
色が茶色い

便は捨てる前にチェック!

毎日ではなくてもいいですが、定期的に便を見て体調をチェックすることは大切です。チェックする場合、できるだけ取ってすぐ、そして捨てる前に確認しましょう。時間が経つと、便が黒くなり、硬くなるので正しい判断をしづらくなります。特に、室内でトイレシーツの上に排便する場合、シーツが水分を吸収し、柔らかいはずの便が普通の状態になることもあります。

時には細かく確認を

チェックするときは、目で見るだけでなく、トイレシーツやティッシュなど越しに、硬さを確認しましょう。時には潰して、中まで確認することも大事です。もし暗い時間に外を散歩するという場合には、便を持ち帰り、明るい場所でチェックするようにしてください

愛犬の下痢・便秘、その原因と対処方法とは

ただの体調不良と思わず、異変を感じたら病院へ

犬もちょっとしたことで下痢をしたり、便秘になることがあります。とはいえ、中には重大な病気を抱えているケースもあり、油断できません。下痢や便秘の原因と、どのようなときに病院へ連れていく判断をすればいいか、知っておきましょう。

犬の下痢の原因は?

犬が下痢を起こす原因としては、胃腸が弱っているときに起こりやすくなります。その場合は、ご飯の量を一時的に減らしたり、一食抜くなどして調整をすると治ることもあります。他にも、次のような原因で下痢をする場合は、排出されれば治るケースがほとんどです。

  • 細菌やウイルス感染
  • 寄生虫
  • 異物誤食

便秘の原因は?

下痢だけでなく、便秘のときも気を付けて観察しましょう。犬の場合、下痢をしたあとの回復期などは便が腸にたまるまで、数日程度、便秘になることがあります。注意したいのは、ずっと便秘という場合です。大腸にたまった状態のまま、自然に排出できなくなるケースもあります。

便秘になる原因は、腸の老化や、腹圧の低下などの他、腫瘍ができていることで腸の運動能力が落ちることでも起こります。繊維食を食べさせたり、下剤を使って排出を促すことはできますが、頑固なときは浣腸を使うのもおすすめです。放っとくと、腸が拡張したままの状態になる「巨大結腸症」にまで進行する危険があります。

便秘や下痢で病院へ連れていった方がいいケースとは

下痢は、内臓のどこかに異常がある場合も起こります。特に、下痢が止まらない場合はその可能性が高く、続くと脱水症状にもつながりやすいので注意が必要です。脱水症状は、水分を補給すれば治まることもありますが、状態によっては追いつかないこともあります。特に子犬やシニア犬の場合は注意が必要です。もし脱水症状と下痢とが並行して起こる場合は、入院して点滴を打たなければなりません。

下痢とともに、もし嘔吐や血便も一緒に見られるようであれば、要注意です。特に血便は、一時的に起こすことがありますが、大量に出る場合は命の危険があります。

便秘の場合は、もし下腹部を触って妙に硬く、大きなかたまりがある場合は、何か問題があると考えられます。また、交通事故直後などは、その時分からなかった異常が起こることもあります。いずれにおかしいと思った場合は、すぐに病院へ連れていき、獣医の診察を受けましょう。間違っても、飼い主だけで判断しないようにして下さい。

尿から分かる愛犬の体調不良とは

注意したいチェックポイント

尿も便と同じく、毎日ではなくとも定期的にチェックすると、愛犬の体調をうかがいやすくなります。その際気を付けたいポイントや症状について見ていきましょう。

尿の色やニオイをチェック

尿の場合は、色とともにニオイもチェックすることがポイントです。また、排尿している際の愛犬の様子も観察してみてください。具体的には次の通りです。

犬の状態・色・ニオイ

結石や腫瘍により、尿の流路がふさがれている可能性がある。

膀胱炎の可能性がある。

水分不足のときやビタミン剤を飲んでいるとき起こりやすい。あるいは黄疸の可能性もある。

水分のとりすぎの可能性が高い。

腎臓から膀胱にかけてのどこかで出血し、尚且つ時間が経過している可能性がある。

血尿。あるいは血色素尿。

雑菌が繁殖しているか、炎症によるたんぱく産物が混ざっている可能性あり。あるいは粉状の尿結石の場合もある。

雑菌が繁殖しているとき起こりやすい。

尿
排尿の勢いが弱い
頻繁に排尿するが、1回の量は少ない
色が黄色い
色が薄い
色がこげ茶色
色が赤い
尿がにごっている
腐ったニオイがする

愛犬の尿は「ひしゃく」でチェック

尿のチェックは液体なので、どうしたらいいか、と思われるかもしれません。方法としては、室内の場合はトイレシートを白いものに変えるのが一つです。青色など色付きものの方が、性能がいいとされていますが、白の方が色の区別がしやすいからです。特に、一度でも尿疾患を抱えたことがある犬の場合は、意識的に白いシートを使われることをおすすめします。

結石症になったことがある場合は、時々シートの上に黒い布か紙を載せた状態で、尿を観察することも必要です。細かい塩粒のような、シャリシャリした状態のものが見つかれば、結石の可能性があります。

犬の尿の採取方法

獣医から採取を頼まれたときや、散歩をしているときなどは、「ひしゃく」を使うと摂りやすいです。ひしゃくは、ゼリーなどの空き容器に、割り箸をくっつければつくることができます。わざわざ買わなくても、こうすれば使い捨てられて便利です。容器に入れれば、病院へも持参できますし、光にかざすなどして観察もしやすくなります。

気を付けたい多飲多尿

注意したい病気として、多飲多尿という症状があります。多飲多尿は腎臓機能に問題があるときだけでなく、糖尿病やホルモン異常でも起こります。メス犬であれば子宮蓄膿症によって起こることもあります。多飲多尿は、その病名の通り、水を大量に飲むという症状が出る病気です。

愛犬が多飲多尿になった際の注意点

多飲多尿の症状が出た場合は、水を飲む量を制限しないように注意しましょう。制限すると、脱水症状につながり、命に関わることがあるからです。おかしいと思ったら、飲ませる水を制限するのではなく、「どのくらい1日のうち水を飲むか」をチェックしましょう。それから病院へいくとスムーズです。

厄介なことに、多飲多尿の症状は、進行がゆるやかであることが多いので、飼い主が気づくのが遅れ、治療もその分長引きやすい傾向があります。なるべく愛犬の様子を、みんなが気を付けて見ることがポイントです。

尿や便でも愛犬の体調を知るきっかけになる

定期的なチェックで体調不良を早期発見につなげよう

普段何気なく処理することの多い尿や便も、愛犬の体調不良を見つけるきっかけになります。毎日でなくてもいいですが、定期的にチェックすることで、今どういった状態なのかを知ることができます。特に便の場合、下痢や便秘が続く場合は、すぐに病院で診てもらうことをおすすめします。放っておくと、命の危機につながることもあるからです。

尿の場合も、一度尿の病気にかかったことがある場合などは特に注意して観察するようにしましょう。そうしたこまめなチェックが、愛犬の健康を維持することにもつながります。

便や尿の異常から愛犬の体調不良を見つける

  • 毎日でなくとも、定期的な便、尿のチェックをすることで愛犬の体調不良を見つけやすくなる。
  • 便をチェックするときのポイントは色、硬さなど状態を見ること。
  • 下痢や便秘はちょっとしたことでも起こりやすいが、続くようなら要注意。もし下痢に血が混じったり嘔吐もするようになったら病院へ。同様に便秘のとき、下腹部に大きなかたまりを見つけたら診察を受けよう。
  • 尿は色、状態だけでなくニオイもチェック。雑菌が繁殖しているときはにごったり、腐ったニオイがする。
  • 症状が発見しづらい多飲多尿には注意を。また、尿疾患の既往歴や結石症になったことがある場合は、よりこまめなチェックを心がけよう。

PAGE TOP