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愛犬の呼吸異常から考えられる病気とは?

伏せた犬

愛犬がいつもとは違う咳をするなど、呼吸異常がみられる場合に考えられる病気とは、一体どのようなことがあるのでしょうか。調べてみると、放っておくと命に関わるような怖い病気もあるようです。ちょっとでも変だなと思ったら、少しでも早く動物病院へ連れて行って治療を開始したいですよね。そこで今回は、呼吸異常から考えられる病気ついてご紹介します。

どんな病気で呼吸異常が起こる?

呼吸や咳の仕方から考えられる病気

犬が呼吸異常を起こすということは、肺や胸に何かしらの異常がある可能性があります。病気や異常のある部分によって、呼吸や咳の仕方がいつもと異なってきます。

乾いた咳をする

タンが絡んだような咳をしたり、「グフゥ、グフゥ」とくぐもった呼吸をする時は、次のような病気の可能性があります。

  • 犬パラインフルエンザ(ケンネルコフ)
  • 気管虚脱
  • 慢性気管支炎

もし咳と一緒に、白い泡状のものを吐くときや、乾いた咳が一日中出るようであれば、犬パラインフルエンザや気管支炎になっているかもしれません。また、夜になると咳が出る場合は、気管虚脱の可能性があります。

湿った咳をする

湿った咳の場合は、次のような可能性があります。

  • 犬ジステンパー
  • 気管支炎
  • 急性肺炎
  • 肺水腫
  • 肺内出血

肺水腫は肺の中に水分がしみだしてきて、呼吸ができなくなる状態で、夜になると咳が出る傾向があります。また、心臓疾患がある犬に起こりやすいと言われています。ですが、肺水腫は定期検診を受けていれば、治療で予防できる可能性も高くなります。

何日も咳が続くときは病気を疑おう

もし何日も咳が止まらないでいるようであれば、呼吸器や心臓の病気から咳が出ていると考えられます。すぐに病院の診察を受けましょう。

呼吸の仕方から疑われる病気

咳は出ないものの、呼吸が苦しそうな場合に疑いたい病気もあります。いつもと違うな、と思ったら注意して観察してみてください。

苦しそうな呼吸をするとき

犬が苦しそうな呼吸を続け、横になるのを嫌がるようであれば、次のような病気を疑いましょう。

  • 気胸
  • 気道閉塞
  • 気管虚脱
  • 心不全
  • 横隔膜ヘルニア
  • 急性扁桃炎

呼吸と同時に、唇や舌などの粘膜部分が青紫色になったり、青色がかっていないかもチェックしましょう。もし色が悪ければ、チアノーゼを起こしていると判断できます。チアノーゼは、血液中の酸素が何らかの原因で極端に不足する場合に起こります。

呼吸が激しく乱れる

基本的に運動をしたり、興奮したときは呼吸が荒くなるのは正常です。ですが、異常に乱れたり、激しい呼吸をするときは、次の病気を疑いましょう。

  • フィラリア
  • 心不全
  • 肥満

浅く早い呼吸を繰り返す

浅くて早い呼吸を繰り返す場合、異物がノドに詰まったり、肋骨が骨折しているなどの痛みからきていることがあるので、一度確認してみてください。もし異常がなければ次のような病気の可能性があります。呼吸と同時に口が開いているか、鼻の穴がピクピクしている場合は、病気の可能性があります。

  • 肺水腫
  • 肺内出血
  • 腹水
  • フィラリア
  • 気胸
  • 動脈管開存症
  • 心臓、肝臓などの内臓疾患

鳴き声や呼吸音に異常がみられる場合

苦しさから犬が鳴くこともあります。いつもとは違う鳴き方にいち早く気づくことが、病気やケガを見つけるきっかけにもなります。

動くと痛がるような鳴き方

動かそうとすると、痛そうな鳴き声をあげる場合は、ケガをしている可能性があります。外傷がないか、骨折や脱臼をしていないか、触って確認してみましょう。それ以外にも、尿結石を起こしていることがあります。室内であれば、トイレシートに黒い布などを敷き、その上に尿を採ってみてください。細かくシャリシャリした塩粒のようなものが見られれば、結石の疑いが強いです。

しゃがれた声で鳴く

しゃがれた声で鳴く場合は、次のような病気かもしれません。

  • 食道疾患
  • 咽喉頭炎
  • 腫瘍

ノドから雑音が聞こえる

呼吸をする時、ノドからガーガー、ヒューヒューといった雑音が聞こえる場合も疑いたい病気があります。

  • 咽頭炎
  • 口蓋破裂
  • 軟膏蓋異常

子犬や成犬で気を付けたい病気と呼吸異常

放っておくと命にかかわる危険も

呼吸異常から考えられる病気はたくさんありますが、その中で特に気を付けたい子犬の時期にかかりやすい病気と、大人になってからかかりやすい病気をご紹介します。

子犬は「風邪?」と思うような症状に注意

子犬の時期に特にかかりやすく、注意したい病気は、犬パラインフルエンザ(ケンネルコフ)や犬ジステンパーです。どちらもワクチンの予防接種である程度は防げますが、一度かかると放っておけば命に関わる危険の高い病気です。犬パラインフルエンザの症状は、咳と同時に、嘔吐や食欲低下を起こします。

犬ジステンパーは、犬パラインフルエンザと似たような症状を引き起こすため、見分けがつきにくいです。ですが、病院で検査をすればすぐにわかる病気です。犬ジステンパーも、症状が進行するとけいれんや眼球の異常を引き起こします。この段階になると、ほぼ助からないと言われているので、「風邪かな?」と思ったら放っておかず、すぐに診察を受けることが大切です。

成犬は気管虚脱が起こりやすい

呼吸異常を引き起こす病気の中で、成犬がかかりやすいと言われているのは気管虚脱です。特に小型犬から中型犬の肥満犬に多いとされています。気管虚脱は、元々軟骨と膜によって丸く支えられていた気管が、軟骨と膜が変形によって空気の通りが悪くなった状態のことです。薬を服用することで改善することが多いですが、症状が重くなると、呼吸困難を起こす怖い病気です。

気管虚脱を予防する方法としては、肥満が原因であればダイエットや生活改善、首輪による圧迫を避けられるよう胴輪に変えるなどの手段があります。

年齢が大きくなるにつれ、定期検診を

呼吸器の病気は初期症状が表れにくく、発見したときはすでに病気が進行しているというケースが多くあります。特に、年齢とともに腫瘍のリスクは高まりますが、呼吸異常に気付く頃になると、かなり腫瘍が大きくなっていたり、転移している可能性も高くなります。

そのため、シニア犬はもちろんのこと、今は子犬でも年齢が大きくなるにつれ、定期的に病院で健診を受けられることをおすすめします。

犬のケンカのあとは異常がないか要注意

軽いケガが思わぬ大きな病気につながることも

犬がケンカをしてきたときは、外傷だけでなく、その後何か異常が出ないかどうか、よく観察しておきましょう。軽いケガに思えたものが、大きな病気につながることもあるからです。

細菌が肺に入って化膿するかも

ケンカが元で起こり得るリスクとして、外傷から細菌が肺に入り化膿することが考えられます。もし、他の犬とトラブルが起こった時は、外傷がないかチェックして、あるようならすぐに病院へ連れていきましょう。小さい傷の場合は、数日経てば治っているように見えることもありますが、体内では細菌が繁殖する可能性があるからです。

脇腹のケガは要注意

犬がケンカをした後、特に注意したい部分のケガは、脇腹です。脇腹の肋骨付近にケガをしているときは、もしかしたらケガで胸腔に穴があいている可能性もあります。放っておくと、化膿し、呼吸困難で命を失う可能性もあります。ケガを見つけたらすぐに病院へ連れていきましょう。

ゆっくり苦しそうな咳に注意

もし、特に外傷が見当たらなくても、ゆっくりと苦しそうな咳をするような呼吸異常が見られたら、すぐに診察を受けてください。もしかしたら、胸の内部に血液が溜っているかもしれません。

愛犬の呼吸異常、軽くても気付いたらすぐに病院へ

犬の呼吸異常は、何らかの病気のサインの可能性があります。腫瘍など、呼吸器に異常がみられた頃には、症状が進行しているケースも多くありますが、なるべく早く見つけて病院で治療を受けることが、少しでも回復を高めるための絶対条件です。特に、子犬の場合は犬パラインフルエンザや、犬ジステンパーにかかりやすく、成犬の肥満犬だと気管虚脱に注意し、ふだんからできる予防策を取りましょう。

また、犬がケンカをして帰ってきたときは、外傷がないかをチェックしましょう。ケガを見つけた場合は化膿すると危険なので、どんなに小さい傷でも病院で処置をしてもらうことをおすすめします。特に外傷が見られなかったとしても、体内で出血を起こす可能性があるので、しばらくは呼吸に異常がでないかなど、観察を続けてください。

犬が咳をしたり呼吸異常がみられるとき考えられる病気とは

  • 咳が出るときは犬パラインフルエンザや犬ジステンパーなどの病気、気管や肺に異常がある可能性が高い。
  • 呼吸が苦しそうなときは、心臓や肺など胸に何か異常がある可能性が高い。
  • 子犬の時期は、犬パラインフルエンザや犬ジステンパーにかかりやすいので、ワクチン接種などで予防しよう。
  • 成犬になると、肥満が原因で気管虚脱を起こしやすい。日ごろから生活習慣を整えるなど予防をしよう。呼吸異常がみられるようになると、病状も進行しているケースが多いため、加齢とともに、定期検診も忘れずに。
  • ケンカをした場合は外傷がないか必ずチェックをしよう。小さな傷でも、化膿すると危険なため、病院で診てもらうことが大切。特に外傷がなくてもしばらくは異常がないか観察を続けよう。

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