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犬は骨折しやすい!治療方法と骨折を防ぐ抱っこの仕方

犬のレントゲン

犬の足は頑丈そうに見えて意外と骨折しやすいと言われています。特に小型犬など細い足の場合は要注意。今回は骨折した場合の治療方法と、抱っこの仕方についてご紹介します。

犬が骨折したときの治療方法

人の骨折よりもがっちり固定

まずは犬が骨折したときの治療方法について見ていきましょう。犬は骨折していてもじっとしていないので、人間が骨折したときよりがっちりした固定が必要と言えるでしょう。

骨の位置が変わらなければギプスで固定

骨折には、折れただけで骨の位置は変わらない骨折と、骨がずれてしまう骨折の2通りがあります。骨の位置が変わらなければ、そのままギプスで固定します。

骨の位置がずれた場合はがっちり固定

骨折によって、骨の位置がずれた状態になった場合は、人と同じように、ワイヤーなどで固定する「骨折整復手術」が行われます。骨折整復手術は、まず骨を正しい位置に戻すことから治療が始まります。ですが、単純に正しい位置に戻しても、骨の周囲の筋肉が引っ張る力(張力)によって、再びずれてしまうことがあります。

ずれるのを防ぐために、金属製のワイヤーやボルト、プレートなどを使って固定し、ピンが入れられます。問題は、犬は人と違って固定している部分をかばう意識が低いため、治療中にも関わらず痛みを感じながらでも運動する可能性もが高く、固定に使った金属が曲がったり、壊れたりすることがあります。そのため犬の骨折では、人より頑丈な固定が必要となります。

がっちり固定することで生まれる悪循環

とにかく頑丈に固定をしていれば、完璧に大丈夫というわけでもないのが厄介なところです。というのも、骨はデリケートで、がっちり固定すればするほど外部からの力の刺激を受けなくなります。すると体が「この骨はいらない」と勘違いし、どんどんもろくなってしまいます。さらに固定に使う金属が血流を悪くし、治りを遅くさせ、再手術が必要になることもあります。再手術の際も、骨がもろくなっていると困難な手術になってしまいます。

犬の骨折の新しい治療法

一般的な方法は前述したとおりですが、うまくいかない場合、次のような方法で治療が行われる場合もあります。

  • 創外固定
  • 骨折部に骨髄を移植する

創外固定とは、骨に何本かピンを打ち、打ったピンを体の外で固定し、操れるようにするという方法です。骨髄を移植する方法は、移植によって再生力を高めるという効果が期待できます。ただし、どちらも高度な固定方法であり、下手をすると患部が化膿する可能性もあり、熟練の技が必要です。創外固定の場合は、体外に出した器具を犬が破壊する可能性もあり、やはり100%大丈夫とは言えないのが実情です。

犬の骨折は厄介なトラブルの一つ

なんとしても手術、とは思わず状況に合わせた判断治療を

犬の骨折はきれいに治りにくかったり、時間がかかったりと、厄介なトラブルの一つです。厄介ではあるものの、犬が骨折したとき意識したいのは、「なんとしても手術して治さなければならない」と思わない方がいいということです。時には状況に合わせた判断が求められることもあります。

犬の骨折が厄介だと言われる理由

犬の骨折が厄介なのは、四肢の骨折でも動き回ったり運動する事によって、くっつくものくっつかない「骨癒合不全」が起こり、治るのに時間がかかるからです。さらに、交通事故などによる複雑骨折の場合は、手術も難しく完治の可能性も低い場合が多いと言われています。

最終的に犬が快適ならOK

手術ができないなど、人間の場合なら何とか治そうとしますが、犬と人間が違うのは、「骨がまっすぐの状態でなければいけない」と思う必要がないことです。見た目には痛々しくても、犬自身が苦痛と不便を感じなければ、曲がったままの状態でもいいという事です。多少バランスが悪くなっても、犬のダメージを少なくできる方法で、尚且つ生活する上で、犬が不自由しない治療方法を選択することも大切です。

どこまで治療するかは獣医と相談

治療をどうするかは、骨折の程度以外に、犬自身の年齢や体調も考慮する必要があります。高齢の犬や持病を持っている犬の場合、手術する方がリスクが高く、しかも治りにくいケースが多いので、治療方針は信頼できるかかりつけの獣医とよく相談して決めましょう。

骨折させない抱っこをしよう

特に子どもが抱っこするときは注意

犬の骨折は、交通事故や階段の転落についで、抱っこの際の転落というケースが多く報告されています。犬も抱っこが嫌いだったり、抱っこされてる最中に他の事に気が散れば、暴れるたり飛び降りようとします。特に子どもが小型犬を抱っこする場合は注意が必要です。子どもの抱き方が悪かったり不安定だったりなど、抱かれ心地が悪ければもがいた拍子に転落して骨折させてしまいます。正しい抱っこの仕方で、犬の安全を守りましょう。

小型犬の抱っこの仕方

の胸を包み込むようなイメージでゆっくり抱きかかえます。犬の顔を自分の胸に軽く押し当て、左手は外側から全体を包み込むようにしながらお尻に手を添えます。胸に強く押し付けたり、犬を支えている右手に力を入れすぎないことがポイントです。

さらに、小型犬は腕から抜け落ちやすいので、暴れても落とさないよう、注意して抱っこしましょう。少しでも暴れるそぶりを感じたり見せたときは、なるべくかがみこみ、低い位置からジャンプさせるように気を付けましょう。

子どもが抱っこするときは座った状態がベストで

子どもに抱っこをさせる場合は、まず子どもを座らせ、あぐらをかかせることがポイントです。子どもが座ったくらいの高さであれば、たとえ犬が落下しても骨折するリスクはグンと減るでしょう。子どもが抱きかかえられなくなったら、床に一度おろし、やり直すようにさせましょう。子どもだけでなく、犬の抱っこに慣れていない大人でも、まずは座った状態で練習しましょう。

子どもでも犬の顔をしっかり胸に押しあてられれば、体を安定しやすくなるため犬も安心します。

中型犬の抱っこの仕方

中型犬を抱っこする場合は、自分から見て犬が横向きに立っている状態で膝をつきます。犬が落ち着いていることを確認してから、両前足の付け根部分の内側と、後ろ前足の付け根部分の内側に、両手をしっかり通してゆっくりと持ち上げます。抱っこしたとき、ぐらつくようだと犬が不安になりやすいますので、胸の方へ抱えてバランスを取ることがポイントです。

中型犬は大きさもあるので、頻繁には抱っこすることはないかもしれませんが、病院で診察台にあげる際などの場面で、スムーズに出来るようにしておきましょう。

大型犬の抱っこの仕方

大型犬の場合も、飼い主から見て犬が横向きに立った状態で膝をつきます。そして左片方の手を犬の顔の下に回しこみ、右前足の上あたりにくる胴体に手を添えます。右もう片方の手は胴体の外側から回し入れ、お腹辺りに添えます。犬が落ち着いていることを確認したら、左顔があるほうのひざを立てて、その上に犬の前足をのせます。そして、犬の態勢を斜めにして、抱きかかえる手前の状態に持っていきます。

斜めにしても落ち着いているようなら、反対の手をしっぽの下に通し、後ろ足を内側によせるようにし、片方の手は前足付け根あたりを内側によせるようにしながら抱え込み、持ち上げます。ただし、大型犬は体重も重いため、一人では抱きかかえられないこともあります。発作など、もしもの事で犬が倒れた場合は一人で頑張らず誰かに助けてもらって運ぶ方が賢明でしょう。

こんな状況になったら抱っこをやめよう

痛がって鳴く

特に小型犬の場合、痛いと「キュンキュン」といった鳴き声を出します。鳴くということはどこか痛いはずと思って、一旦抱っこを止めましょう。無理に抱っこすると、抱っこ嫌いな犬になる可能性があるのと、ケガのもとです。

犬の動きに注意する

しっかり抱きかかえられれば犬は安心しますが、他に興味がそれると、支えている手をジャンプ台にして飛び降りようとすることがあります。抱っこしているときは、犬の様子の変化にも注意しましょう。

抱っこ嫌いの犬は無理せずキャリーバッグで

元々犬は高いところが苦手なことが多いため、抱きかかえられることを嫌がる犬もいます。抱っこしようとしても威嚇したり、吠えたりする場合は、無理やり抱きかかえるのは避けましょう。移動しなければならない場合は、キャリーバッグを使うことをおすすめします。

犬は骨折しやすい上、治療が厄介!抱っこするときは慎重に

骨折した場合は状況に応じた適切な治療を検討しよう

犬は骨折しやすく、しかも骨折してもじっとしてくれず治りが遅れる場合があります。骨折した場合の治療方法は、状況によってギプスで固定したり、手術により固定用の金属を入れるなどの方法がとられます。それでも手術によって完璧に治るとは言い切れません。さらに、年齢や病気、骨折の度合いなどから手術自体ができないケースもあります。

とはいえ、大切なことは犬が不自由なく過ごせることです。仮に手術ができず足が曲がった状態でも、犬が苦痛を感じずにいられれば最善の治療方法となる場合もあります。人と犬とは違うということを忘れず、犬にとって何が一番いい方法かをかかりつけの獣医とよく相談して決めることが大切です。

また、犬の骨折を防ぐためには抱っこの仕方に注意することも重要です。犬の大きさによって抱きかかえ方は異なるものの、共通することは抱っこしたときに安定していることと、犬が落ち着いているか、常に注意を怠らないことです。痛がって鳴いたり、注意が他のものに行っていると感じた場合は、すぐに解放してあげましょう。そうすることによって、落下による骨折のリスクはずいぶんへらせるでしょう。

犬の骨折の治療方法と、犬を抱っこするときのポイント

  • 犬の骨折は、ただ折れただけであれば、ギプスで固定されることがほとんどだが、骨がずれている場合は、手術で固定用の金属を入れて固定する。また、犬の状態によっては手術できないケースもある。
  • 犬はじっとしていないため、固定しても再びずれたり骨癒合不全により治りが遅くなることも多い。
  • 犬が骨折した時一番考えたいことは、「どうすれば犬が不自由や苦痛を感じず生活できるか」なので、手術をしてリスクをおかすより、足が曲がった状態の方が快適なこともあるので治療方針は獣医とよく相談を。
  • 抱っこが下手で不安定だと犬は安心できず、小型犬の場合は飛び降りようとしたり腕からすり抜けて落下し骨折を招く。正しい抱っこの仕方をマスターしよう。子どもや慣れていない大人が抱っこする場合は、必ず座った状態で行うこと。
  • 抱っこしていて犬が嫌がったり、他のものに興味が移った場合は、無理強いせず解放してあげることがケガを防ぐことにもつながる。

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