猫と仲良くなるためには、ある程度のスキンシップが必要です。とはいえ、猫にとって触られたくない部分やタイミングなどもあるため、なかなか難しいもの・・・機嫌も変わりやすい猫だからこそ、上手にタイミングとポイントを見極めて触れ合いたいものです。
こんなタイミングのスキンシップは避けよう
元々気分が変わりやすい猫ですが、特に構わない方がいいタイミングがいくつかあります。避けておきたいタイミングを知ることで、猫に嫌がられて落ち込むこともなくなります。
何かに集中しているときは触らないでおこう
飼い主以外のものに興味を示しているときの猫は、どんなにこちらがアピールしても知らんぷりすることがほとんどです。猫と遊びたい気持ちは山々ですが「今は関心が別のものにいっているな」と思ったら退散する方がベターです。
毛づくろいをしているとき
猫にとっては毛づくろいはとても大切なこと。自分の体を清潔にして病気を予防したり、精神を安定させたりするために欠かせないことなのです。私たちから見ると「また毛づくろいをしている」と思うことも、その時その時で猫にとっては意味があることと理解してあげましょう。邪魔をするとかえって猫のストレスを招いて、更に毛づくろいをしはじめたり、「邪魔しないで!」と嚙みついてくるかもしれません。
ご飯を食べているとき
食事は猫に限らず、すべての動物にとって最優先事項です。おいしく食べているところを邪魔することはやめて、ゆっくり食べさせてあげてください。邪魔をしても動じずに食べ続ける猫もいますが、繊細な猫だと怒って嚙みついてくる可能性があります。触らずとも、食事中はお皿を移動することも避けた方が無難です。
気持ちよく寝ているとき
人間だって、気持ちよく寝ているところを起こされると嫌な気分になりますよね。猫が寝ている姿はかわいくて、ついつい構いたくなってしまいますが、そこはグッと我慢しましょう。猫は大人でも1日のうち14時間くらい眠ると言われています。これは狩りをしていたころの名残で、獲物を探すとき以外は体力を温存するため寝て過ごすという習慣から来ています。
猫が眠る前にはいくつかの兆候が見られます。例えば手足の体温が上がったり、鼻先や肉球が赤みを帯びてきたりします。また、毛づくろいを済ませたあとに眠ることも多くあります。とろ~んとした目になってきたら、邪魔をせずゆっくり眠らせてあげましょう。
注意したいのは、猫が寝る場所です。ご飯も食べずいつもとは違う場所で寝ていたり、あるいは大量のよだれやけいれんを起こしているときは、体に異常を起こしている可能性があります。様子をうかがって、おかしいなと思ったらすぐに病院を受診しましょう。
さらに、寝姿でも猫の気持ちを読み取ることができます。丸まって眠っている姿はかわいらしいですが、これは体温を逃さないようにしている以外にも警戒しながら眠っている可能性があります。手足を伸ばして横向きに眠っているのも、完全に警戒を解いているとは言い切れません。ただし、おなかを出して寝ているときは安心しきっている状態です。
猫が喜ぶ触り方のポイント
ほとんどの猫は、繊細で神経質な性格です。触り方一つでも、嫌われてしまう可能性があるので注意しましょう。
まずは触ってほしいタイミングを見極めよう
多くの猫は、構ってほしいとき自分からアピールしてきます。例えば、体をすりよせてきたり、体の上に乗ってきたときが構ってほしいサインです。それ以外にも、撫でてほしいタイミングである場合もありますが、いずれにせよ「猫の構ってほしいとき」が触るタイミングと覚えておきましょう。その上で、猫に嫌がられないよう気を付けたい行動があります。
前方から近寄る
触ろうとするとき、猫の前方から近づくのはNGです。こちらにその気がなくとも、猫にとってはかなり威圧感を与えてしまいます。怖がらせて触らせてもらえなくなってしまっては、せっかくのタイミングも台無しです。同様に、目を見つめるのもNGです。猫は縄張り意識が強い動物ですが、ケンカの際は相手の目をじっと見つめ合う行動を起こします。くりくりした目はかわいくて、つい見てしまうかもしれませんが、猫には「ケンカを売られている?」「なんだかわからないけど怖い」と思われてしまうのです。
嫌がっているのに触り続ける
猫の方からやってきても、コロッと気分が変わることもしばしば。そんなときは無理強いせず、また次のタイミングを待ちましょう。嫌がっているのを無理やり構ったり触ったりし続けても、余計嫌がられてしまうだけです。猫パンチを食らう前に解放してあげましょう。抱っこしているときはしっぽを振り始めたら潮時です。そうでなくとも、猫と遊ぶ時間は基本的に1回10~15分程度で十分です。あまり長時間構い続けると疲れてしまうので、ほどほどに切り上げましょう。
触るときは優しく
当然ながら猫も生き物、優しく触ることを心がけましょう。小さな子どもがするような乱暴な扱い方は厳禁です。ガツガツ行けば猫に好かれるわけがありません。焦らず、じっくり猫に慣れてもらうことで、より仲良くなれます。もし慣れていない猫と触れ合う場合は、最初は人差し指を猫の鼻に近づけニオイをかがせてあげてください。そうして猫が認識してくれたのを見計らってから、そっと触るようにしましょう。
猫が触ってほしい場所、嫌な場所を知っておこう
人間にも触られるのが嫌な場所があるように、猫にも触られると嬉しい部分、嫌な部分があります。ぜひその場所を知って、猫と仲良くなりましょう。
猫によって嬉しいポイントが異なる場合もある
一般的に好きといわれる部分でも、猫によっては触られたくない部分の場合もあります。もちろんその逆もあるので、様子を見て少しずつ触る範囲を増やし、どこが好きか知っていくのも大切です。
まずは首やアゴを中心に
比較的どんな猫でも喜んでくれるのが首回りやアゴの部分です。この部分を触ると、よく「ゴロゴロ」とご機嫌な声を出してくれたりしますよね。猫は首回りがかゆいことが多いので、掻くようにしてあげるのもいいかもしれません。他にも頭や背中、しっぽの付け根なども喜ぶことが多いです。
足やしっぽは基本NG
特に後ろ足など、身動きをとるのに大切な部分は触られるのを嫌がることが多くあります。しっぽも付け根以外は触らない方が無難です。さらに、比較的触られるのが好きな背中やしっぽの付け根も、猫によっては嫌がることがあるので注意しましょう。
また、基本的にお腹部分は触られるのを嫌がる猫が多いですが、中には自分からお腹を見せて「ゴロゴロ」してくれるときもあります。ただ、「お腹を見せてくれた=ご機嫌」とは限らないのも猫の難しいところ。犬とは違って、猫がお腹を見せるときは攻撃的になっている場合もあるので注意しなければなりません。そこまでではなくとも、触ろうとして嫌がられたときは素直に引き下がるのが吉です。
触りながら健康チェック
猫と触れ合う時間は、体に変なしこりや腫れができていないか、脱毛している部分はないかなど、ケガや病気に気づくチャンスでもあります。コミュニケーションを深めるのと同時に健康に異常がないかチェックする時間にもしましょう。
猫が構ってほしいタイミングをキャッチしよう
猫と仲良くなるためには、向こうから構ってほしいとやってくるのを待つのが一番です。そしてそのサインを逃さずキャッチして、優しく撫でてあげましょう。
「今、触らない方がいい」というタイミングを覚えよう
かわいいので、見ているとつい構いたくなりますが、その場合、つれなくされることの方がほとんどです。むしろ、触らない方がいいタイミングに構おうとすると、噛まれるなどケガをするだけかもしれません。そんな「触らないほうがいい」タイミングも知っておくことが、猫と上手に付き合う方法とも言えます。
- 毛づくろいをしている時、食事中など、猫が他のことに集中しているときは構ってもらえないことがほとんど。無理に触るとケガをしたり、猫にストレスを与えることにもなりかねないので要注意。
- 特に睡眠中はそっとしておいてあげよう。猫にとって眠ることはとても大切なこと。無理やり起こすと健康によくないことも・・・ただし就寝中の様子に異常がないかはチェックしよう
- 猫の方から近寄ってきてくれたら触ってほしいタイミング。怖がらせないようそっと優しく触って、絆を深められるこのチャンスを活かそう。
- 猫が嫌そうにしたり、気分が変わったようだったら無理に触るのをやめよう。無理強いは禁物。また次のチャンスを待とう。
- 猫を触るときは比較的喜びやすい首回りからが無難。足やしっぽ、おなかは、猫によっては喜ぶ場合はあるが、そうでないことが多いので慣れないうちは触らないほうがベター。
一気に仲良くなるのは難しいかもしれませんが、毎日少しずつでもコミュニケーションを取ることで、次第に絆が深まっていくはず。猫の気分に振り回されることも多くありますが、焦らずじっくり向き合ってみてはいかがでしょうか。