猫が家に馴染んできたら、少しずつふれあいの時間も持てるようになります。そこで次のステップとして、猫にしてあげたいことの1つがお手入れ・・・なのですが、「なかなか思うようにお手入れさせてくれない!」なんていう悩みはありませんか?それ以外の日常生活でもありがちな「困った」悩みを、解決策とともにご紹介します。
うちの愛猫はブラッシングが大嫌い!
Q:うちの猫(1歳半)は長毛種なのでブラッシングは必須なのですが、お手入れしようとすると嫌がって逃げてしまいます。どうすればブラッシングさせてくれるようになるのでしょうか?
猫のお手入れとして代表的なブラッシング。毛並みを整えるだけでなく、ノミ・ダニを始めとする病気の予防や健康チェックにも役立ちます。ただ、お手入れをさせてくれないことにはそれもままなりません・・・。嫌がるには理由があります。その理由を知った上でステップを踏んで慣れてもらいましょう。
A1:ブラッシングを嫌がる理由は感触にあり
猫がブラッシングを嫌がるのは、ブラシをかけられるときに毛が引っ張られたり、肌への気持ち悪い感触が原因です。そのため、本来は子猫のうちに慣れさせておくのが一番。ただ、今回のように成猫となってからでも、ステップを踏めば徐々に慣れてくれます。
A2:まずは「触れる」ことに慣れさせよう
猫のブラッシングは、子猫のときでもいきなり本格的にブラシでお手入れをすると嫌がられます。そのため、次のようなステップを意識して行ってみてください。
- 優しくなでる。
- なでながらブラッシングする。
- 徐々に体全体へブラッシングしていく。
まずは私たちの手が猫の体に触れることに慣れてもらいましょう。毛並みに沿って、猫にとってはまるで母猫がなでてくれているように思えるほど、優しくなでるよう意識します。このとき、最初は首や背中からなでていくようにしましょう。この部分は比較的触られるのを嫌がらない箇所だからです。問題なければ、お腹や内股などへ範囲を広げていきます。
どこを触っても抵抗がなくなってきたら、初めてブラシを手に持ちます。そして、手で触りながらそっとブラッシングしてみましょう。このときも、最初は首や背中から始めます。ポイントは、手で触っているかブラシかわからないくらいにすることです。使うブラシは長毛種の場合コームを優先的に使います。短毛種ならば獣毛ブラシで構いません。あるいはスリッカーブラシを使ってもOKです。
ブラシの感覚に猫が慣れてきたら、徐々にお腹やしっぽ、後ろ足と体全体へ範囲を広げていきます。嫌がるようであれば無理強いはせず、ただし短時間でも毎日コツコツ挑戦することが大切です。特にお腹やワキ、内股は毛玉ができやすいので、なんとか慣れさせたいところです。ブラッシングの強さも、獣毛ブラシであれば手の甲で押して気持ちいいくらいが目安ですが、嫌がるようであれば少し力を弱めるなど調整してみてください。
A3:それでも嫌がるときは寝ている隙に・・・
頑固な猫の場合、触られることをとことん嫌う場合があります。そんなときは次のような対処策をとってみてください。
- 寝ている隙にブラッシングする。
- ブラシを変えてみる。
- ブラッシングする人を変えてみる。
不意打ちのようで心苦しい方もいるかもしれませんが、寝ている隙にブラッシングしてみるというのも一つの方法です。ポイントは熟睡しているところを狙うこと。事前にたっぷり遊ばせて疲れさせておくと、比較的よく眠ってくれるはずです。そうでなくとも、一旦眠ったあとは多少抵抗が弱まるので、ブラッシングがしやすくなります。
こうした手段を取らずとも、ブラシの種類を変えることで解決することもあります。スリッカーブラシや獣毛ブラシはハードやソフトなど種類が分かれていることもあります。また、ラバーブラシの場合は素材が豊富にそろっているので色々試してみるのもいいかもしれません。もしものときは「フーリー」や「ファーミネーター」などのサッと抜け毛をとりやすいブラシを活用するのも一つです。
さらに、もしかしたら猫がブラッシングする人を選んでいる場合もあります。そうだとすると、お手入れする人を変えてみると効果が生まれる可能性があります。もし人を変えることによりうまくいくと自分のお手入れが下手なのか、懐いていないのかと複雑ですが・・・猫の健康を考えると仕方ありません。ただ、お手入れも信頼関係なので、根気よく続ければ落ち着いてブラッシングさせてくれるようになるかもしれません。
日常生活の大半を毛づくろいに費やしている
Q:猫は毛づくろいするものとは分かっていますが、なんだかうちの猫はそれがすごく激しい気がするのです。抜け毛も多いし、心配です。
猫の習性の一つに毛づくろいがあります。その理由にはいくつかあるようですが、ふと気づくといつも毛づくろいしている?なんてことも多々あります。ただ、度を超えて激しい場合は注意しなければいけません。
A1:ストレスの可能性
猫は一日のうち、起きている時間の40%を毛づくろいにあてると言われています。これってすごい割合ですよね。ただ、その毛づくろいの仕方が激しい、と感じられる場合はストレスかもしれません。特に抜け毛がたくさん出るほど激しく毛づくろいする場合はストレスが原因と考えられます。ストレスの要因はさまざまですが、少しでも思い当たることがあれば原因を取り除き、猫が落ち着いて穏やかに過ごせるような環境づくりをしてあげましょう。
A2:落ち着こう、落ち着こうとしているのかも
人間も何かで焦っているときほど「落ち着こう、落ち着こう」と冷静になることがありますよね。それは猫も同じです。例えば、大きな物音が立ってビクッとした後の猫を見ると、毛づくろいをしていることが多くあります。これは「転移行動」といい、「毛づくろい」という普段の行動をとることで、心を安定させようとしているのだそうです。また、毛づくろいは母猫にしてもらった記憶から、それをすることで幸せな気持ちになりやすいという面もあるようです。
A3:猫の毛づくろいには色んな意味がある
激しく毛づくろいしている場合は何らかのストレスが考えられますが、それ以外にも毛づくろいにはいくつか意味があります。例えば、体温調節です。毛づくろいをすることで体毛を油分でコートし、毛の中に空気を閉じ込めて、保温効果を高めることができます。また、猫は人のように汗をかくことができませんが、毛づくろいにより唾液を被毛につけ、唾液の気化熱により体をクールダウンすることができます。
その他にも毛づくろいによって体をキレイにしたり、猫同士や人の手、髪の毛を舐めてくれる場合はコミュニケーションの一環である場合が多くあります。
部屋にこもる猫のニオイ、なんとかしたい
Q:家に帰ると、なんとなくいつも猫のニオイがこもっているような気がします。普段はまだしも、来客があるとドキドキしてしまいます。
動物を飼うと、どうしても出てくるのがニオイの問題です。解決策はまずトイレの状態をチェックしてみてください。それから便利グッズを活用しましょう。
A1:ニオイの原因はトイレがほとんど
もし猫のニオイがこもっているな、と感じた場合はまずトイレを確認してみてください。トイレの臭いが原因となっている可能性が大きいです。トイレ掃除は、できれば猫が用を足したあとすぐ行うのが理想です。とはいえ現実的には難しいことも多いので、できるだけこまめにすることを心がけましょう。
A2:ネコ砂を変えてみる
最近は消臭効果のあるネコ砂もあります。こうしたものに替えると、ニオイの軽減にも効果が現れます。ただ、こだわりの強い猫の場合はネコ砂はもちろん、トイレの形が変わっただけで使ってくれなくなることがあります。変えるかどうかは飼っている猫の性格も見た上で慎重に判断しましょう。
A3:消臭スプレーを活用
ニオイ消しに便利なのが消臭スプレーです。尿のニオイを消してくれるスプレーや、除菌ができるものなど、さまざまな種類のものが販売されています。スプレーするだけで、気にならない程度まで効果が期待できるケースもあるので、トイレ掃除をした上で活用してみてください。
猫の困った行動は猫の性格とお互いの信頼関係とが深く関係
猫の様子を見つつ、徐々に変化を加えていこう
ブラッシングを始めとしたお手入れは、猫の健康にとっては欠かせないものです。とはいえ、一気にしようとすると嫌われてしまうことにもなりかねません。まずは触れることに慣れてもらって、徐々にブラシにも慣れていってもらいましょう。
猫は繊細で神経質な部分があるので、ストレスを感じさせないことも大切です。トイレの環境づくりも含め、猫が常に落ち着いて暮らせる部屋づくりをしましょう。その上で根気よくコミュニケーションを取っていけば、次第に猫とも信頼関係を結べるようになるはずです。