猫の気持ちや健康は、しぐさにも表れます。今回は、すべてではありませんが特徴的なしぐさをいくつかご紹介します。猫は気まぐれで、何を考えているか分からないという人も、いくつか知っておくだけで自分の猫が今どんな気持ちか、健康かどうかを知るきっかけになるのではないでしょうか。
普段の猫のしぐさから分かる気持ち
猫の気持ちはしっぽやヒゲの動きに表れやすい
猫の気持ちは、意外としっぽやヒゲの動きに表れることが多くあります。何気ない動きでも、喜怒哀楽を表していることがあるので、コミュニケーションを取る際の参考にしてみてください。
しっぽの動かし方で分かる猫の気分
しぐさ | 猫の気持ち |
ピン!と垂直に立てた状態 | 猫の愛情表現の一つ。嬉しいときや喜びを表している。近寄ってくる場合は、構ってほしい、甘えたい、ご飯がほしいといった要求かも。 |
ダラーンと垂れた状態 | そんなにテンションが高くないとき |
ゆらゆらと左右に動かす | ご機嫌だったりリラックスしているときによく見られる。 |
パタパタと左右に動かす | 不快な気分のとき。触っている時パタパタしだしたら「もういいよ」という合図かも。 |
しっぽの先だけ動かす | しっぽの先だけパタパタ動かすようなら、獲物を見つけたりして好奇心でいっぱいなのかも。寝ているときに少しだけ動かすなら「はいはい、聞こえているよ~」という猫なりの返事の仕方。 |
毛を逆立てる、太くする |
ケンカ中のときは相手に対し、強気で威嚇するしぐさ。特に弓なりに持ち上げているときは、勝てる自信があるとき。他にも、驚いたとき、恐怖を感じてパニックになっているときに見せることが多い。 |
しっぽをおなかの下へもぐらせる | 恐怖心や守りの姿勢に入っているしぐさ。強そうな相手に出会ったときに見せることが多い。 |
ヒゲの動かし方で分かる気持ち
猫にとってヒゲは平衡感覚を保ったりする大事な存在。その分しぐさに気持ちも表れやすいです。
しぐさ | 猫の気持ち |
ダラーンと垂らした状態 | リラックスしているとき。 |
ピンと張った状態 | 警戒や緊張をしているときや、興味のあるものを見つけて興奮しているとき。 |
弓なりに後ろへ向いた状態 | 恐怖心の表れ。 |
ほっぺたにくっついているとき | 眠っているときによく見られる状態。よく見ると体の方を向いていることも多い。 |
顔まわりには気持ちが表れやすい
しっぽやヒゲだけでなく、顔の中の耳や口にも気持ちが表れます。代表的なしぐさと、猫の気持ちをまとめました。
しぐさ | 猫の気持ち |
耳がピンと立っている | 平常心 |
耳が後ろに向く | ストレスを感じているとき、威嚇、不快感。 |
口をペロペロ | 緊張や不安でいっぱいのとき、あるいは興味のあるものを見つけたとき。 |
長時間にわたって続くときは、かなりのストレスを感じている証拠なので、早めに原因を取り除くことが大切。ストレスの原因は、騒音やニオイ、新しいペットなど環境の変化や、トイレが汚いといった生活環境にあることが多くあります。さらに、抱っこをしたとき耳が後ろを向いたら、「今はやめて」というサインです。
猫のしぐさから病気を見つける
しぐさから健康状態をチェック
猫の健康状態はしぐさからチェックすることもできます。いつもと違う兆候が見られたら、すぐに病院へ連れていってあげましょう。
目をしきりにこする
目をこすっているときは、何かかゆみか痛みを感じていると考えられます。ホコリが入っただけかもしれませんが、角膜炎や結膜炎、アレルギー反応かもしれません。目ヤニなども出ていないかチェックしてみてください。目が赤くなっているか、にごっている場合は角膜炎や緑内障かもしれません。ケンカで傷がついたり、充血しているときもかゆがることがあります。かゆみがひどいと家具などに目をこすりつけるようにすることもあります。
まれに目が見えにくくなってこすることもありますが、こすればこするほど、症状が悪化し、視力に悪影響を与えます。早めに獣医の診察を受けましょう。
頭をしきりに振る
猫が頭をふるしぐさをするときは、耳の中に何か異物が入ったときや、耳の病気が疑われます。繰り返し頭を振るようであれば、小さな虫でも入ったか、病気であれば外耳炎や耳ダニの可能性が高いです。目と同じく放っておくと耳が聴こえなくなることもあるので注意しましょう。
他にも、頭を振るケースとして、バランスをとるための内耳にトラブルが起こっている場合や、最悪は脳腫瘍、脳炎の可能性もあります。内耳にトラブルがある場合は、首をかたむけたり、一つの場所をぐるぐる回るといった行動も見られます。変だなと感じたらすぐに病院へ連れていくことが大切です。
体の一部を気にするときは何か異常があるとき
他にも、体の一部を気にするしぐさが見られたときは、そこに何らかの異常を抱えていると考えられます。例えば何かに刺されたり、気にしている部分に炎症を起こしていることがあります。特にお尻をしきりになめるようであれば、炎症以外にも寄生虫がいると考えられます。他にも陰部を気にする場合は膀胱炎になっていることがあるので注意しましょう。
いつもと違うしぐさに注意
「するはず」、「しないはず」のしぐさは病気の兆候
気が付けばしょっちゅうするはずのしぐさを猫がしないときや、反対にいつもしないような変なしぐさが見られたときは、何かの病気のサインかもしれません。放っておくと危ないこともあるので、気づいたら原因を取り除いたり、病院で診察を受けるようにしましょう。
グルーミングをしない
猫の習性の一つに、グルーミングがあります。いわゆる毛づくろいです。グルーミングには、猫にとって精神安定の作用があります。だから暇さえあれば、グルーミングをしているはずなので、猫がグルーミングをしないというのは、何らかの大きなストレスや、病気を抱えている可能性があります。
「毛がぼさぼさだな」と思ったら、グルーミングをしていない証拠です。猫がグルーミングをしないほどの余裕がないのはなぜか、と原因を探り、取り除いてあげることが大事です。
落ち着きがない
それまでに比べ、落ち着きがない状態がずっと続くようなときも、病気を疑うことができます。甲状腺機能に異常が出ていることもあるので、一度病院で診察を受けてみてください。
トイレ中に見られる変なしぐさは病気の兆候
猫は普通なら静かにトイレをするはずですが、苦しそうに大きな声で鳴く際は便秘の可能性があります。他にも、頻繁にトイレに行く場合は要注意です。排せつしたいのに、何も出ないで困っているときや、下痢をしていることがあります。場合によっては、血便や血尿をしていることがあるので、注意して観察しましょう。もし血便や血尿が出たときは、すぐに病院で診てもらってください。
猫の気持ちはしっぽやヒゲをチェック!
いつもと違う様子が見られたら健康に異常がないか疑って
猫の気持ちは、意外としっぽやヒゲによく表れます。一瞬の動きで終わることもあるかもしれませんが、見逃さないようにしたいですね。そして、やたらと体の一部分を気にするときや、頭を振るなどのしぐさが見られたら、何か炎症やトラブルを起こしている可能性が高いです。他にも、「いつもと違う」しぐさが見られるときは、病気の兆候かもしれないので、少しでもおかしいと思ったらすぐに病院へ連れていってあげてください。放っておくと、症状が悪化したり危険な状態になるケースもあります。
猫をじっくり観察してみると、意外と猫のしぐさはバリエーション豊かです。ぜひ、愛猫のしぐさに注目してみてください。
猫のしぐさを知って、気持ちや健康状態を把握しよう
- 猫の気持ちはしっぽやヒゲに表れやすい。細かいしぐさの違いから気持ちを読み取ろう。
- 目や体の一部をやたらと気にするときは、何か炎症やトラブルが起こっている可能性が高い。
- 頭を振るしぐさが見られたときは、脳に異常があるケースもあるのですぐに病院へ。
- いつもと違うしぐさが見られたときは病気の兆候。早く気付くためにも普段から猫の様子をチェックしておこう。