犬を飼うことが決まったら家の片づけをするのと同時に、必要なものを準備しなければいけません。今回は最低限用意したいものから、あれば便利なグッズまでご紹介します。
犬が安心して過ごせるスペースづくりに必要なもの
人間にとって、家や自分の部屋が安心できる場所であるように、犬にもそうした自分だけのスペースが必要です。
サークルの用意は最低限準備しておこう
犬は自分だけのスペースがあると、とても安心します。そうしたスペースはサークルで簡単に作ることができます。サークルの中には、そこで犬が生活できる一式の物を置いておきましょう。ここまでは犬を飼うと決まったら最低限準備しなくてはいけないことです。
犬にとってのテリトリー
サークルは犬にとって自分のテリトリーと言えます。その中には、ケージやベッドなどを置いて犬の寝床を作ったり、トイレを設置する必要があります。そのため、サークルはそれらを置いても問題ない程度の、犬の大きさに合わせたサークルを選ぶようにしましょう。中には大きさを変えられるサークルもあるので、大型犬など、どんどん大きくなる犬を飼う場合は、成長に合わせて調整できるものを選ぶのも一つの手段です。
ケージを用意する場合は、できれば周りが見える柵状のものより、前面以外は覆われている犬小屋形式のものの方がおすすめです。犬の祖先はオオカミと言われていますが、オオカミは洞穴に専用の寝床を持っています。周りが覆われたケージは、より「洞穴」に近い状態を作ることができ、犬の安心感にもつながります。ベッドを選ぶ場合も、同じように落ち着いて眠れそうなものを用意しましょう。
トイレはケージやベッドとできるだけ離して置くようにします。子犬の頃は、サークル内が排泄物で汚れたりすることがあります。ケージやベッドまで汚れてしまうと、衛生面の問題はもちろん犬にとっても不快なことです。サークルが大きければ間に通路を作ってあげるのもおすすめです。もしマンションなどでそこまでスペースがない場合でも、なるべく離して置くように意識しましょう。
また、トイレは下に受け皿がついていて、出し入れできるものが便利です。受け皿があることで掃除もしやすくなります。プラスして、おしっこなどを吸収してくれるペットシートも活用しましょう。中にはニオイ対策のできるものもあります。さらに最初のうちは、サークル内にビニールシートを敷いておくと、汚れにくく掃除も楽になります。
ご飯用、水用のお皿を用意
住スペースがサークルだとして、ご飯も重要なポイントです。ご飯用のものと、お水用のお皿を用意しておきましょう。小型犬の場合は、犬種によってお皿を選ぶのもおすすめです。例えば鼻が短いタイプの犬種なら縁が広く底が浅いタイプのお皿を、鼻が長い犬種は底の深いものを選びましょう。また、耳がたれている犬種の場合、縁が広いと耳までお皿の中に入ってしまいやすいですので、狭めのものを選ぶのがベターです。
大型犬の場合は、力が強いのでなるべく頑丈で安定感のあるものを選びましょう。お皿の素材はプラスチック製のものよりステンレス素材など嚙んでもボロボロになりづらいものの方がよいでしょう。ご飯は犬種や犬の成長に合わせてその都度変えていきましょう。ご飯には一般的には手軽なドライフードがよく選ばれます。他にもウェットタイプやモイストタイプのものもあり、状況によって使い分けてもOKです。分からない時はペットショップの店員や獣医さんに相談してみましょう。
お水用のお皿は、家族全員が出払う時間が長ければいつでも水が飲めるよう、給水器にチェンジしてもOKです。ただし夏場は、衛生的にも何度か水を入れ替えてあげてください。犬は自分でご飯を作ったり、お水を汲んだりできません。忘れずにあげることはもちろん、常に清潔に保てるようにこちらが気を付けていましょう。
キャリーバッグやおもちゃもあらかじめ準備しておこう
意外と忘れがちなものとしてキャリーバッグとおもちゃが挙げられます。たいていの犬は病院が嫌いなため、ワクチン接種が済むまでは、病院へもキャリーバッグで連れて行く方が無難です。子犬が不安にならないよう、安定感のあるキャリーバッグを選ぶのがポイントです。
また、おもちゃにもさまざまな種類がありますが、子犬の時期はぬいぐるみなどがおすすめです。柔らかく、くわえたり振り回したりしやすいため、子犬にとっても気が向いたとき遊んでくれます。お気に入りになれば、寄り添って眠ることもあります。ただボタンなどがついているぬいぐるみは、誤飲の危険性があるので取り外してから与えるようにしましょう。
成長とともに必要になるものを準備しよう
犬を迎えるまでに絶対用意しておかなければいけない、ということはないものの、ゆくゆく必要になるものも少しずつ揃えていきましょう。
犬の健康のために必須のお散歩アイテムやお手入れ用品
ワクチン接種が終われば、お散歩にもいけるようになります。そうでなくとも外飼いにする場合や大型犬の場合は、早い段階でお散歩用のグッズが必要になることも考えられます。犬が家に来るまでに間に合わずとも、機会を見つけて用意していきましょう。
犬の大きさに合わせた首輪やハーネスを
お散歩グッズで必要になるのは首輪、リード、ハーネスといったアイテムです。子犬の場合はしつけのときは首輪を、お散歩のときはハーネスをという使い分けをしてもオッケーです。色々なデザイン、素材のものがあるので成長に合わせて選ぶのも楽しいですよね。
注意したいのは成長した大型犬の首輪選び。力がとても強いので、頑丈なことが第一です。突然走りだす、といったケースも想定して首輪とハーネスの一体化したものを選ぶのも一つの方法です。
グルーミング用品やお風呂グッズの準備
落ち着いたら日々のお手入れも大切です。特にグルーミングは毛並みを整えるだけでなく、ケガや病気の早期発見にもつながりやすいのでなるべく毎日してあげたいところです。そのために用途に合わせたブラシを用意しておきましょう。一般的によく使われるのはスリッカーブラシと呼ばれるものです。毛のもつれをほぐしたり、短毛酒なら換毛期の際にも死毛の除去に活躍してくれます。ソフトとハードの2タイプがあります。
例えば、長毛種ならコームやピンブラシなど毛並みを整えるものを、毛の柔らかいタイプなら獣毛ブラシを使うなど、犬種によって使い分けましょう。それ以外に、耳掃除や細かいところの手入れをするには綿棒があると便利です。さらに、グルーミングほど頻繁ではなくとも、定期的にケアできるよう爪切りやシャンプーなども準備しておくと安心です。毛の長い犬種ならトリミングに行くこともありますが、そうでない場合は自宅で時々洗ってあげるようにしましょう。
スターターセットを活用する手もあり
ペットショップやインターネットの通販などでは、ご紹介したようなグッズがまとめてセットになったスターターセットと呼ばれるものが販売されています。一般的に20,000円から30,000円が相場で、栄養剤やウェットペーパーなども入っていることもあります。最初のうちにあったら便利なものから、少し大きくなってからほしいものまで一括で手に入るので探す手間が省けて便利です。
犬と生活する中で「あると便利」なものを徐々に揃えよう
サークルやお散歩グッズなど「絶対必要!」というほどではないものの、「あったら便利」といったアイテムもたくさんあります。今回はその中で特に置いておくと便利なものをいくつかご紹介します。
掃除用品、お手入れ用品は色々置いておくと便利
数あるグッズの中でお掃除やお手入れ用品は一つではなくいくつか用意しておくと便利です。特に室内飼いの場合はデオドラント系用品があると活用できます。
ときどき気になる犬のニオイに消臭スプレー
とってもかわいいペットですが、どうしてもニオイはつきものです。食べかすや、トイレのニオイなどが気になる日もあるでしょう。そんなときは消臭スプレーを活用しましょう。また、犬の体自体を拭くと同時に消臭もできるボディータオルも便利です。種類も豊富なので好みのものが見つかるはず。
粘着ローラーでコロコロ抜け毛のお掃除
室内で飼うと抜け毛対策も必要です。そのかわいさと引き換えと思えば許せる気持ちが生まれるものの、カーペットや洋服についた毛をとるのって結構大変ですよね。その対策には粘着テープがローラーになったものや、毛取ブラシを使いましょう。スポンジタイプのクリーナーも人気があります。
ウェットペーパーはいくらあってもOK
汚れた床を拭くのはもちろん、犬の目や歯といった細かい部分をお手入れしてあげるのにウェットペーパーが使いやすく大変便利です。いくらあってもいいので安いときにまとめ買いしておいてもいいですね。その他に、どうしても犬に嚙まれたくないものがあれば「しつけスプレー」を活用してみてください。犬の嫌いな味がするようです。
必要になったときに一つずつ順番に揃えていこう
犬を飼うからといって、一気にあれこれ買わないと!と焦る必要はありません。まずは犬が落ち着いて生活できるよう衣食住を整え、それから徐々に必要なものを買い足していきましょう。
分からないときは相談を。セットになったものも便利
犬種によってサークルやトイレの大きさなど、用意するものが異なります。分からない時はペットショップに行ったりして相談してみるのがおすすめです。また、迷ったときは最初に必要なものが揃ったスターターセットを購入するという方法もあります。実際飼いだしたら、「これがあったら便利だな」といったグッズも出てくるはず。あれもこれも、と思うと結局どれがいいかわからなくなることもあります。まずは最低限のものから揃えていってみてはいかがでしょうか。