引越しや旅行などの事情で、猫を輸送しなければならない場合、どんな方法があるのでしょうか。今回は車以外の公共交通機関を使った場合、猫の輸送費用がどの程度かかるかどうか、料金について調べてみました。
猫を輸送する方法は?
公共交通機関を使って考えられる方法
まず、猫を輸送する手段として、車以外のどんな方法が考えられるか見ていきましょう。
電車、バス、飛行機・・・猫を輸送する方法
一般的には次のような手段が考えられます。
- 電車(JR、私鉄)
- バス
- 飛行機
- フェリー
- タクシー
猫を貨物扱いにすることもできる
飛行機の場合は、飼い主が同じ便に乗る予定であれば「手荷物」として預けることができます。もし猫だけを輸送したい場合は「貨物」扱いで輸送することも可能です。
ペット専門の輸送サービスもある
引越しなどで、車や公共交通機関を使ってペットを移動させることが難しい場合は、ペット専門の輸送業者に頼むという方法もあります。引越し業者によっては、オプションで引き受けてもらえるケースもありますが、安全性を考えると専門のサービスを利用した方が良さそうです。料金は業者によって異なりますが、50㎞程度の輸送距離で1~2万円が平均的な金額です。
それぞれの輸送方法にかかる料金は?
キャリーケースに入れておくことは必須
公共交通機関を猫と一緒に利用する場合、料金がかかるかどうかは手段によって異なります。ただし、当然ですがそれぞれキャリーケースに入れておくことが必須。猫が万が一脱走したら大変ですからね。キャリーケースの大きさは、JRの場合、長さ70cm以内、縦・横・高さの合計が90cm程度の大きさ、そして猫とケージの重さの合計が10㎏以内におさまることが求められます。
バスやタクシーは基本的に無料
公共交通機関のうち、バスやタクシーを使って輸送する場合は、基本的に無料となっています。ただし、高速バスの場合は断られるケースが多いです。路線バスやタクシーも、運転手によっては嫌がられることがあるので、念のため乗る前にバス会社やタクシー会社に問い合わせておく方が無難です。
JRは「手回り品」扱い
電車の場合も、私鉄によっては無料で乗せられることがほとんどですが、新幹線を含むJRの場合は「手回り品」扱いになります。持ち込める範囲内のケージであれば、280円で切符を買い、キャリーケースにつけることで、一緒に乗ることができます。電車は揺れるので、乗っている間はひざの上に乗せておくのがおすすめです。
フェリーにはペットルームが設けられていることも
フェリーの場合は、猫と一緒に乗る場合を想定してペットルームが設けられていることがあります。「フェリーさんふらわあ」がその1つで、ペットルーム以外に、愛猫と一緒に泊まれるプランもあります。利用する場合、ペットルームは2,000円、一緒に部屋に泊まる場合は宿泊費に加えて8,600~12,600円の追加費用を支払うことになります。
ただし、「津軽海峡フェリー」など、船によっては、猫は乗せられても車の中に待機、徒歩で乗船する場合は断られる、というケースもあるので、事前に調べておくことが大切です。
飛行機に乗せる場合の料金
基本的にほとんどの飛行機で猫を乗せられるようになっていますが、取り扱い方法は航空会社によって異なります。飛行機内では、猫は貨物室に入れられることが多いですが、貨物室も気圧がきちんと管理され、機内と同じように空気の循環がなされているので安心して預けられます。
国内線を利用し、飼い主も飛行機に同乗する場合
猫を飛行機で運ぶ場合、飼い主も一緒に飛行機に乗る場合は、「手荷物」扱いになり、猫を貨物室へ預けることになります。手荷物の料金は、利用する航空会社によって1ゲージにつき、1区間3,000~5,000円ほどです。ペットクレート(プラスチック製のキャリーバッグ)がない場合は、500円ほどで貸し出してもらうこともできます。そして飛行機の到着後、到着ロビーにて手渡しで猫を受け取ることになります。
猫だけを空輸する場合
猫だけを飛行機に乗せて運ぶ場合は「貨物」扱いになります。貨物として預ける場合は、出発する90分前までに貨物カウンターで手続きしなければなりません。料金はキャリーケースに入った状態の重さによって異なりますが、2,500円ほど見ておくと良いでしょう。貨物として運ぶ場合は、飛行機が到着後、1時間程度で引き取ることができます。
国内線の場合は同意書が必要
国内線に猫を乗せる場合は、予約は不要というケースが多いですが、ほとんどの場合は、同意書を持参し、チェックインしなければいけません。同意書が必要な場合は、航空会社のホームページからダウンロードできる場合もあります。乗る飛行機が決まったら、事前に預け方を聞いておくと安心です。
国際線に乗せる場合は事前確認を念入りに
国際線に猫を乗せたい場合は、輸出検疫が必要となり、検疫所や大使館、領事館などで手続きをしたり、『輸出検査申請書』など書類の提出を済ませなければなりません。さらに、行き先によっては入国条件に、猫の予防注射や投薬などの条件が定められていることもあるので、合わせて確認しておく必要があります。短期間で帰国する場合も、輸入検疫を受ける必要があるので、出発前に帰国準備も整えておく方がベターです。
『輸出検査申請書』の提出は、出発の7日前までと決まっていますが、検査によっては検査場所が限られたり、日数がかかることもあります。海外へ行く予定が決まったら、早々に輸出検疫を受けられる検疫所に連絡したり、大使館や領事館に問い合わせてみましょう。
料金は航空会社によってまちまち
飛行機に乗る場合は、ケージに入れて預け、荷物扱いになる場合と、飼い主と一緒に機内へ入れるケースに分かれます。料金についても、有料の場合と無料の場合とまちまちのようなので、乗る予定の航空会社に問い合わせてみましょう。有料の場合は、数千円ですむ場合もあれば、数万円かかることもあります。
猫を輸送する場合の注意点
猫には大きな負担であることを配慮しよう
猫は自分の家が一番安心出来る場所なので、外へ出ることは基本的にストレスを感じてしまいます。猫にとって負担が大きいことを分かった上で、安全に運べるような配慮をしましょう。
出発の数時間前から体調管理を
特に飛行機などに乗っている間は、猫と会えない時間があります。事前にトイレを済ませておくことはもちろん、移動中、猫が体調不良になったり、乗り物酔いを起こしたときのことを考えて、出発の数時間前からご飯を食べさせるのは控えましょう。電車など、一緒にいられるようであれば、水分補給にも注意してあげてください。
キャリーケースには目隠しを
周囲の状況が見えると、猫はどんどん不安になる可能性があります。移動中はキャリーケースに大きな布をかけるなどして、目隠しをしてあげましょう。キャリーケースの中には、猫自身のニオイがついた毛布やタオル、お気に入りのおもちゃを入れておくと、不安を和らげる効果が期待できます。また、移動時間が長い場合は、粗相をした場合に備えてトイレシートを敷いておきましょう。
かかりつけの獣医にも相談を
猫の性格や、高齢の猫によっては、長距離の移動がかなりの負担になるケースもあります。できれば、引越し前に一度、かかりつけの獣医にも相談されることをおすすめします。
多くの公共交通機関で猫の輸送は可能
事前申請や予約制の場合もあるので問い合わせは必要
猫を輸送する方法は、多くの公共交通機関で整えられています。ただし、電車やフェリーの場合は、移動中も猫と過ごせる可能性がありますが、飛行機の場合はチェックインから到着まで、猫を預けなければなりません。また、それぞれの輸送方法によって、必要となる費用や条件には、かなり違いがあります。利用する前に予約や申請が必要となるケースもあるので、問い合わせてよく確認しておきましょう。
さらに、外へ連れ出すことは猫にとってストレスになりやすいということを理解した上で、目隠しをするなど、配慮もしてあげてください。
公共交通機関を使った猫の輸送方法と注意点
- 猫の輸送方法は、車以外に電車、バス、タクシー、飛行機、フェリーなど、多くの公共交通機関が対応している。引越しの場合は、ペット専門の輸送業者に頼む方法もある。
- 料金については、それぞれの輸送方法によってまちまち。JRの場合は280円程度だが、飛行機やフェリーだと数万円かかるケースもある。
- どの輸送方法を選ぶにしても、予約や申請が必要となるケースがあるので、利用する公共交通機関が決まった時点で問合せし、確認しておくことが大切。特に国際線に乗せる場合は、余裕を持った行動が必要。
- 猫にとっては外へ連れ出されるだけで不安であり、ストレスになりやすいので、体調管理や、移動中は目隠しをするなどの配慮を忘れずに。